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40代、アラフォー中堅マーケターの転職活動2023 - 概要編

アラフォーマーケターとして最近転職したので、備忘録も兼ねて転職活動についてまとめる。あくまで個人的な体験記ではあるが、転職サイドでも、採用サイドでも、誰かの役に立ってくれたらうれしい。

※2023/5/3更新
「使った転職口コミサイト」「企業調査に使ったサイト」を書いてなかったので大項目として追記。

この記事を書く理由

  • 「~を退職しました」「転職しました」系の記事はエンジニア版が多く、マーケター版が少ない。また、アラフォー世代の転職体験記も多くはない。なのでその両方の要素があればニッチながらニーズがあるんじゃないかと思った。

  • また少ないながら、自身も40代近辺の方の転職体験記がとても参考になったので、自分も同じようなシチュエーションの方に役に立つ情報が提供できればと思った。

  • ChatGPTの登場もあり今後のマーケター転職市況はどうなるかわからないが、普遍的な内容もあり役に立つ部分もあると思う。

スペック

  • アラフォー男、デジタルマーケター。IT系の中小企業所属でBtoBマーケティングの責任者。会社からの給料が600~800万。それ以外に副業で100~200万ほどの収入あり。転職市場では一応ハイクラス層に分類される。

  • 妻子持ちの4人家族。妻は働く意思があるものの、子供が小さく現状は一馬力。

  • 転職活動時に勤めていた会社はフルリモートで労働時間もホワイト、人間関係も良く大きな不満はなかった。

  • そんな会社からの転職理由は以下2つ。
    1.給料が上がっていかない
    2.マーケティング組織が規模、予算ともに小さく、マネジメントとしてのキャリア形成が難しい
    →主には給料を上げたい、というのが転職活動開始のきっかけ。

転職先に求めていた条件

Must(必達)

  • 現職よりも給料が上がること。(+100~200万アップ)
    →副業がなくなっても大丈夫な状態にしたかった

  • これから数年は伸びる可能性のある企業(事業)であること。(≒経営者・経営陣が優秀)

Want(できればあるといいな)

  • フレックス制度がある。

  • リモートワークが可能。

  • 子供や家族を大切にする価値観にある程度理解があること。

  • 入社後も給料が上がること。

  • 志望としてはマーケティングを幅広くやらせてくれてちゃんと予算が取れるところ。

  • 事業開発寄りの業務や経営に近いところで仕事ができるとありがたい。

気にしないこと

  • 企業規模は問わない。

  • 残業が多少多くても構わない。バリバリ働くのは歓迎。

ーー

求める条件は基本的には転職活動をしながら詰めていったが、Mustの部分は現状の在籍企業で変えられない部分、絶対に譲れない部分として最初から決めていた。

最も重視していたのが給与面で、インフレが進む世の中で給料が上がらず実質貧乏になるのが我慢ならずに転職を決意した感じ。現職よりも給与があがることはもちろん、できれば転職後も給料が上がり続けることを望んでいて、現職での経験から入社後継続的に給与アップするには会社や事業が大きく成長していかないと厳しいと思っていたので、企業の成長性も見ていた。

働き方については、子供がある程度大きくなり自分としてもさらにキャリアを伸ばしたいと考えていたので、長時間労働やハードワークは厭わない姿勢。とはいえ子供の急熱や対応に迫られる可能性もあるので、必要に応じてフレックスやリモート勤務などが選べる体制だとありがたいと思っていた。

使った転職サービス

Bizreach

みんな大好きビズリーチ。ハイクラス転職の定番。転職のやり取りにはここをメインに使った。転職元の会社に入るときもここを使って入ってる。ここにレジュメを登録しておくと、企業から直接確度の高いスカウトが来たり、エージェントからも毎日のようにスカウトが届く。これを利用して気になった会社とコンタクトを取りカジュアル面談をする。

ビズリーチがいいのは、有料登録(月額5,500円くらい)すれば企業名もすべてオープンな状態でスカウトも求人票も見れること。今あるハイクラス転職サービスの中で、圧倒的に条件にあったスカウトが来やすいと思う。転職活動中は当然に課金していた。ここから内定1社獲得。企業を選ばなければ数社は内定獲得できたと思う。

OpenWork

基本的には企業の口コミを閲覧するために登録したのだが、現状は転職サイトとしての機能を有しており、そこそこ有用なスカウトが来たのでたまに見ていた。ここからも内定を1社獲得。(が、その会社はビズリーチからもスカウトが来ていた)

使った転職口コミサイト

OpenWork(旧Vorkers)

上述したが、企業からスカウトが来た際や興味がある企業を調べる際に企業の評判を見るのにメインで使用した。私が使っていた業界だけかもしれないが、口コミに関しては量・質ともに圧倒的に多い優れているサービスだと思う。
昔は月額課金でお金を取っていたと思うが、今はダイレクトリクルーティング型の転職サイトとしても機能しており、口コミをフルで見るためには自分の履歴・職務経歴を登録する必要がある。(逆にお金はかからない)

転職会議(運営:リブセンス)

リブセンスが運営している口コミサイト。OpenWorkに次いで口コミが多い。が、零細企業やスタートアップについて「OpenWorkには口コミがあるけど、転職会議にはない」こともちょこちょこあったので、私はサブ的に見ていた。
会員登録の上で口コミ投稿を1件するか、月額課金(1,000円程度)を払えばフルで口コミを見れる。私は口コミ投稿が面倒、かつ書くとしたら今いる会社のことは身バレの恐れもあり非常に書きづらかったので、月額課金で使っていた。

ライトハウス(旧カイシャの評判/運営:enジャパン)

エン・ジャパンが運営する口コミサイト。昔は「カイシャの評判」という名前だった。口コミ掲載の量は転職会議と同じくらい。ただ、口コミの閲覧に必ず口コミ投稿が必要で月額課金による閲覧はできない(たぶん)。前述のとおり身バレの恐れもあり面倒だったので、結局ほぼ使ってない。

キャリコネ

こちらも転職口コミサイトでググると出てくるが、上記3サイトと比べると圧倒的に口コミが少ないと思う。OpenWorkと同じく、口コミ投稿をしなくても自身の職務経歴等を登録すれば口コミをフルで閲覧できるようになる。ただ登録はしたものの、私的には口コミが少なく役に立たなかったので最初に使っただけで最終的にはほぼアクセスしなくなった。
どこが運営してるんだろう?と思って今調べたが「株式会社グローバルウェイ」という会社が運営しているらしい。知らんかった。

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色々書いたが、いい口コミも悪い口コミも一長一短というか、すべて鵜呑みにすべきではないと考えている。口コミがいいからと言って自分に合うとは限らないし、口コミが悪くても、自分に合う企業の可能性もある。その口コミが数年前のものであって今は全く状況が違う可能性もある。実際、私の在籍企業は転職前の口コミはお世辞にも高いと言えなかったが、面談してみたらいい会社だと思ったし入社後もその思いは変わらなかった。この辺について詳しくは詳細編で書こうと思う。

企業調査に使ったサイト

企業サイト(採用サイト含む)以外で企業調査に使ったサイト。

STARTUP DB(スタートアップデータベース)

転職エージェント業などを行うfor Startups, Inc.が運営するサイト。スタートアップを含めた様々な企業の企業概要や資金調達状況などの情報が見れる。現状はSTANDARDプラン(無料)とENTERPRISEプラン(¥1,000,000/年)に分かれており、無料で見れる範囲は限られているのであくまで参考に、といった程度。昔は無料で色々見れて便利だった。

官報決算データベース

非上場企業などの決算状況を見るのに使用。上場企業は有価証券報告書等を見れば決算状況を把握できるが非上場の企業はそうもいかないので、そういうときはここを見るべし。

使わなかった転職サービス

以下は登録はしていたけど、結局ほとんど活用しなかったサービス。

リクルートダイレクトスカウト

CMでバンバンやってるのでビズリーチと同じ情報を登録したが、年収のレンジが広い案件が多く、ちょっと微妙に感じることが多かった。ただ案件の多さはさすがで、ビズリーチの次に使えるサイトなんじゃないかと思う。エージェントも多いが、企業からの直接スカウトもちゃんと来る。今回はあまり利用しなかったが、次回はもう少しちゃんと見てみようと思っている。

DodaX

こちらもCMでバンバンやっているが、残念ながらエージェントからの連絡がメイン、あとはサイトからの求人の紹介のみで、企業からの直接スカウトは来ない。今後サービス改定で状況が変わるかもしれないが、企業からの直接スカウトがメインで対応していた私は結局使わなかった。

AMBI(en転職)

知り合いに聞いて登録してみたが、スカウトは来るものの、登録してある年収や希望年収から100~200万ほど下がるスカウトしか来なかった。「職歴や希望条件見てないのか…?」としか思えなかったので結局使わなかった。

ただ、今気づいたが「若手ハイキャリアのための転職サイト」と書いてあって、enがやってるハイクラス向けの転職サイトは「ミドルの転職」みたい。おそらくそもそも私がサービスのターゲットではなかった模様。こちらのミス。

Miidas

できた当初に登録だけしていたのを職歴アップデートしたが、利用している企業が少ない印象でたまに来るスカウトをチラ見する程度でほとんど使わなかった。
たまに1000万前後のスカウトも来ていたが、大体がコンサルタントとかそういうのだった気がする。

他の転職サイト

@type、DODA、FindJob、Green、Wantedlyなどはハイクラスはほぼないと考えて活用外。そのほか、マーケター専門の転職サービスなども見ていない。

SNS

LinkedIn、Twitter、FacebookなどSNSアカウントは持っているものの、常日頃からマーケティング界隈で運用して広報していないと難しいと思って、特に転職には活用しなかった。むしろマイナスにならないよう、ネガティブなコメント等をしないこと、仮にしていたら削除しておくことが大切かなと思う。

面談設定のチャネル

1.採用企業からの直接スカウト → メインで活用(2社内定)

私が最も重視していたのがこれ。前回の転職(現職企業への就職)もこれで決まったというバイアスもあり、基本的にダイレクトリクルーティングサービス(ビズリーチとか)で一般企業からの直接スカウトをメインに受けていった。

2.エージェントからのスカウト → 結局使わず

各転職サイトにて、エージェント経由でもスカウトもたくさんもらい、エージェントとの面談も10人ほど実施したが、結局エージェント経由での企業面談・選考は実施しなかった。前回の転職時に、的はずれな会社を紹介されたりしたこと、年収下げて転職することを提案されたりしたため、いい印象がなかったため。

彼らは基本的には「個人の転職および企業の採用を斡旋するプロ」であって「キャリアの専門家」では全くない。ビジネスモデル的にも人を右から左へ移動するだけで金になるためとにかく採用さえ決めてしまえばよい、という人も少なくないように思う。また、持っている案件が限られていてそこに人を押し込みたいとしか思っていなかったりもする。そういう思いが拭えず、結局私は使わなかった。

もちろん、就職したあとのマッチングやキャリアまでしっかり考える素晴らしいエージェントがいたり、エージェントしか扱っていない案件もあるだろうから、使い方次第ではあると思う。エージェント経由でいい転職を決められている方もたくさんいるので、活用できる方は毛嫌いせずに使うべき。

3.求人からの直接応募 → 使ったけど当たらず

これはビズリーチなどの中に出されている求人や、企業が開設している採用サイトに対してこちらから能動的に直接応募するパターン。直接スカウトがこなくても、自分が興味を持っている企業や職種があったら積極的に応募してみてもいいと思う。

ちなみに私は転職活動開始初期に7社ほど応募したが、すべて書類で落ちた。要因は3つあると思っていて、そもそも転職初期で私のレジュメの完成度が低かったこと、募集職種の読み込みが浅くマッチングが甘かったこと、知名度のある人気企業が多かったのでそもそも応募が多く他者との競争で負けた、というのが考えられる。
自分から応募をするなら、募集職種の内容をしっかり読み込んで、場合によってそれに合うように自己PRや職務経歴の書き方を調整するレベルでしっかりマッチングした内容にした上で勝負しないと、なかなか書類突破も難しいな、というのが印象。

仕事をしながらの転職活動だったため、後半からはほぼ実施しなかったが、時間があればもう少しこちらの活動にも注力したかったと思う。

4.リファラル採用 → 誘われたので実施(1社内定)

ちょうど転職活動を始めたときに知人から連絡を受けて誘われたため、今回初めてリファラル採用というものを受けてみた。1社だけではあったが、その1社から内定を獲得できた。通常の転職よりもやはり圧倒的に内定にはつながりやすい。結果的には条件が合わず内定辞退した。

面談自体を避けていた求人やスカウト

年収が「応相談」

あくまで私の感覚だが、年収が「応相談」とあるスカウトや求人は、仕事内容にかかわらず「相手の年収に応じてできるだけ年収を下げて採用したい」という採用側の意図が透けて見えるため、まれに来る興味がある企業からの連絡を除き、スカウトが来ても無視していた。そもそも数は少ないのだが、「応相談」で来る企業は大体がお察し。

年収レンジが異様に広い

これは職種内容が同じなのに年収レンジが「400~1,200万円」とか書いてあるやつの話。
これは高い側の年収表記が「おとり年収(※)」である可能性が高いことがまずある。基本的には上で書いた「応相談」の考えと同じなのだが、高めの年収を書いておくことでたくさん応募をさせつつ、実際にはできるだけ低い年収で雇いたいというパターン。もちろん、年収レンジが狭ければ大丈夫ってわけではないのだが、年収レンジを広く設定してある理由は考えた方がよい。普通だったら、募集職種自体を安い職種と高い職種に分ければいいんだもの。
※おとり年収…実際にはその年収で雇うつもりがないにもかかわらず、高めの年収を出すこと。不動産賃貸とかの「おとり物件」のようなもの。いま適当に作った造語。

もし悪気なく年収を広く指定してある場合でも、それはそれで問題があると考える。そういった場合は採用担当や会社自体がその職種への理解が浅く、業務内容について深く理解していないことから転職市場における需給バランスも把握できず、結果的に広めに設定しているケースが多い。
こういう会社に入ると、仕事の重要性が理解されずに評価されなかったり、過大な仕事を無茶ぶりされたりと入社後に苦労する可能性をはらんでいる。

まぁ、この辺はあくまで想像だけどあながち間違えていないと思う。

スケジュール調整が遅い、連絡が遅いところ

通常であれば当日中か連絡から1営業日程度でアポイントを返してくるが、たまに1週間とか平気で遅れて連絡してくるとことがあった。こういうところは人事に余裕がなかったり管理体制がなっていないと判断し、面談設定自体を辞退していた。
人事や管理体制がしっかりしていると安心して働けるし、逆だと業務に直接関係ないところで余計なストレスを感じかねない。
また、おそらくほかの優秀な転職者も当然そういった「きちんと管理ができているか」も見ているはずで、適切な管理がなされていない=採用に不利に働く=優秀な人が入る確率が減る=今後会社が伸びるかどうかにおいても不利に働く、と考えていた。

スキルミスマッチ

これはエージェントでよくあったが、「そもそもこれ、私じゃないよね…?」と思える募集職種の案内をしてくる会社があった。そういうところは面談自体を避けていた。まず書類選考が通るはずがないし、時間の無駄だからだ。
そういう会社は得てして職務経歴書などをちゃんと読まずにキーワード検索で引っかかった候補者全員に同じようなスカウト送ってたりするだけなので、基本的に無視でいいと思う。返事を返さなくても向こうも何とも思っていない。

結果

書類選考から内定までの社数

書類選考提出:22社
  - 書類落ち:7社
  - 書類選考通過:15社(書類通過率68.18%)
選考辞退・案件クローズ:8社
受けた一次面接:7社
  - 落ち:2社
  - 通過:5社
最終面接実施:5社
  - 落ち:2社
  - 内定:3社
  →書類からの内定率13.64%、一次面接通過からの内定率60.00%

落ちた書類選考は自分から応募したものなので、スカウトが来たものはほぼすべて書類選考が通ったことになる。
要因は2点あって、ほぼ一般企業の直接スカウトのみを対応していたためそもそも企業側である程度レジュメを見て「この人なら良さそう」と選定された上で面談を受けていたのが1点。もう1点は、面談時点で人柄などによっぽど問題がなければ「ぜひ選考に」という話になるため。
なので、上記の書類選考通過は実際には書類だけで判断されたわけではなく、面談実施後の選考ご案内率、という感じ。

内定3社と入社先

最終的に、直接オファーをくれた2社と、リファラルで受けた1社の3社の内定をいただけた。
内定をくれた会社はいずれもレスポンスが早く、案内も丁寧、スケジュール調整も上手で、人事もかなりフォローを入れてくれた。

どの会社も魅力的で、最終的に非常に悩んだが、年収も希望通りに上がり、Must条件・Want条件ともにすべて叶う形での転職となる1社に決めさせていただいた。

謝辞:この記事を書くのに参考にした記事

この記事を書くにあたり、はてな匿名ダイアリーの以下のサイトを参考にさせていただいた。書いてくれた方ありがとう。

転職について(求職側編)

終わりに

本当はもう少し、職務経歴書の書き方で工夫した点とか、内定が出揃った後にどういう基準で選んだかとか、40代転職の心構えで役に立ったこととか書きたかったんだけど、キリがいいので一旦概要編として公開する。

転職活動中に気にしていたことなどや細かな内容については、別記事で詳細編として書く予定。

----2023/5/18追記---
⇒ 続き書きました。
40代、アラフォー中堅マーケターの転職活動2023 - 詳細編①~書類選考前まででやってよかった準備~


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