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ボタニカルな音楽制作の日々。

この春夏、シングル「Cactus」がキッカケになり、僕はこれまで以上に観葉植物に夢中になりました。


もともとキッカケは、友人であり今作でコラボした内田朝陽さんが多肉植物を買った日の記憶を音楽に残したこと。この曲は自分史上もっとも順調なペースで再生いただいていて、現在13.5万再生。その記念に、僕も本格的に多肉植物、そして観葉植物全体に目を向け始めました。

そんな僕の自宅スタジオ。Cactusもここで録音して仕上げています。今年の七夕の日に、大きな大きなエバーフレッシュという木に出会い、1時間くらい悩んで購入を決めました。それが数日前、僕の作業場にやってきました。新たな我が自宅スタジオのシンボルになってくれました。気持ちいい。

ここに引っ越してきて、そろそろ2年半が経ちます。改めて、この数年間の自分にとってベストな環境に出会えたと思っているし、音楽を作るにも生活するにも、仲間と一緒に過ごすにもとても心地のいい環境です。


植物と生きると、朝型生活になれる。

音楽家の生活はついつい夜型になりがち。以前僕はそうだったし、今も仕事が忙しい時にはついつい朝まで仕事をしていまいます。

植物たちのケアをよりするようになって、毎朝霧吹きをして、掃除をして、朝食を作って(または近くに食べに行って)洗濯しながらコーヒーを飲んで、という生活リズムがとても安定しました。

会社員だった頃は、満員電車が苦手だったり、どうしても朝起きるのが苦手で、毎朝の通勤が本当に嫌でした。今は、起きてリビングにくれば直ぐに仕事に取り掛かれる環境ですし、だからこそ朝5~7時に起きて、少しずつ身体を目覚めさせ、いわば「チルアウト」するように家事を進められる。

数日前にやってきたばかりのエバーフレッシュも、午前中に葉が広がり、その美しさを存分に魅せてくれます。夜は葉を閉じ、眠りについたかのようにその活動を止めているように感じられます。

葉を開いたときのエバーフレッシュ。何せ背丈が天井を這うほどのものなので、放たれる気(き)とも言えるものはとっても気持ちがいいです。背中に感じながらこうして考え事をするにもよし、ソファに寝そべり、ただひたすら葉を見上げながら昼寝する時間もよし。

フリーランスの身で朝から起きていると、平日だろうと自分で自分の時間を自由にマネジメントできて、日々の暮らしに余裕が生まれやすいのかも。


細やかな成長や変化が楽しい。

Cactusのプチヒット?を記念して、家に連れて帰ってきた多肉植物。とりわけお気に入りなのは、塊根植物と呼ばれる丸っこいフォルムが可愛く美しい、グラキリスという種の鉢。こいつがとにかく愛おしいのです。

こちらのお店で親切丁寧に教えていただきながら選びました。塊根植物は1つ1つがものによっては数万〜数十万円するものなので、自分が気に入ったものが育てやすいのか、育てる際の注意点は何か、など、初心者なのでなるべく詳しく聞けるところで買おう、と思いこちらに決めました。BOTANIZE、ANEAのみなさま、いつも本当にお世話になっています。

グラキリスなどのパキポディウムと呼ばれるタイプの植物は、概して成長がとっても緩やかで、なかなか株が大きくならないそうです。そんなグラキリスが、朝起きたら新芽が生まれていて、更に翌日以降、小さな葉を出した瞬間は、感動です 笑 お子様がいる方は、毎日こんな感動を味わえるのかな。

また、グラキリスは日当たりと風通しの良さを好みます。成長期であるこの時期は、なるべく外に出してあげたい。かといって放置も嫌だ。ということで、毎朝起きて外に並べて出しつつ、お昼過ぎには家に入れてあげる。これを繰り返す日々は、なんだかとっても楽しいです。


命を感じられると、音への視点も変わる。

植物を育て始めて、手をかければ手をかけるほど彼らが元気になっていく様を日々感じます。その日のコンディションがわかりやすく見て取れる。これって、楽器にも言えるんじゃないかなって思います。

最近購入した僕の新兵器「Roland JUNO-106」。80年代を代表するアナログシンセの名機の一つ。今作っている秋以降の新作では、そのサウンドをブリブリとお聴かせできると思います。もうね、最高ですよ。

JUNOの下には、KOTARO SAITOサウンドの柱と言える、Sequential Circuitsの代表作、Prophet-5。こちらもJUNO-106同様、ポリフォニック(複数音が出せる)アナログシンセサイザーですが、その個性は大きく異なります。

Prophetはとにかく「高貴」「健康的色気」「繊細」のある崇高な音。JUNOは相対して、いわば「ストリート」「退廃的」「陰」という印象が僕にはあります。時代的にJUNOの方が後発なので、サウンドの時代感も少し異なります。僕にとっては、楽器が変わると、自分の音楽そのものが変わる。そう言わしめるほどのサウンドパワーが両者にはあります。


今、大きな部分で楽器、部屋全体のレイアウト、ともに自分の理想的なバランスに近づいてきました。音と、音を司る空気感、それぞれが絶妙な按配で作用しあい、僕の部屋鳴りが完成します。スピーカーを通じて聴こえてくる音も、気持ちの面で随分変わりました。

小音でも、制作が充分に楽しいと思えるほど。音は、電気信号として録音機器を伝って入力されます。その入力段階で、部屋が纏う波動は大きな効果があるそう。おそらくこの部屋を移動したら僕のサウンドは変わるでしょう。だから、この空間で今作るべき音楽を、沢山世に送り出したいです。

6月に2作リリースしたので、次のリリースは8月の頭になりそうです。2019年の下期、おかげさまで水面下で色んなこと、計画が動き出しました。もっと皆さんの元に音楽を届けられる機会が増やせるといいな。


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