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逢坂 志紀
2020年7月31日 19:20
しがないサラリーマンの京平はひょんなことからアロハシャツの女探偵、朱里の助手にさせられる。朱里と京平は仕事のために神戸に向かうが、到着してみると別行動。京平を待っていたのは謎の人妻……。「マサヒコ君!」 女がこちらに向けて叫ぶ。マサヒコ? あー、オレじゃないな。 そう思ってよそを向くと、またクラクションが鳴った。遂に女は車から降り立ち、こちらに向けて歩いてきた。ネイビーのワンピースから
2020年7月23日 16:36
二日酔いの朝、そしてなぜか朱里が我が家にいる朝。 コイツ、無防備すぎる。 例によって、オレの方が早く酔い潰れたのだろう。朱里に運び込まれて、寝ていたらしい。朱里はオレの部屋着を勝手に着ている。もう慣れたものだ。 ゴールデンウィークが明けて、平凡な日々を過ごしていた。 オレはちょくちょく、ゴールデンウィークの間も天に顔を出していたが、朱里は大阪に帰っているとかなんとかで一切現れなか
2020年7月18日 16:40
「朱里、お前……!」 オレは朱里の胸倉をつかもうとしたが、するりと交わされた。「京平君、甘いことばっか言うて、甘い中で生きていくならそれでいいよ。人を傷つける覚悟がないと、この世間では渡り合えんよ?」 朱里の言葉は、なんというか戦場の男のような重みがあった。どれだけ傷ついて、傷つけられて来たら、ここまで人を傷つける覚悟が出来るのだろうか? オレは純粋にそちらに疑問を感じた。「怒
2020年7月7日 13:42
朱里に促されて店内に入ったのはよかったが、席についておしぼりをもらうと自分の情けなさがぶり返してきた。 うつむいて、おしぼりを握りしめることしか出来ずにいると、朱里の顔が耳元に近づいた。そして吐息が耳にかかった。 オレは瞬時に朱里から距離をとった。そうか、コイツとサシで飲むってことは隣り合って飲むってことか。「林田有希、26歳。彼氏は大手飲料メーカー勤務。結婚の話は出ているものの、彼