見出し画像

1000人超えから20人の会社へ、「やれること」の多さが小さい組織の魅力

コタエルHRのキャリアアドバイザーである奈良がスタートアップ企業を訪ね、誰が、どう働き、何に熱中しているか、を探る連載企画「スタートアップで働く、を知る」。今回お話を聞いたのは、営業が強くなる電話・商談解析ツールを提供するamptalk株式会社で、セールスマネージャーを務める横尾賢さんです。

新卒から上場企業で働いてきた彼が、新天地としてスタートアップ企業を選んだのはなぜか。転職先の選択肢として見るようになったきっかけは、新規事業の立ち上げを担った“スモールチーム”での経験でした。

お話を伺った横尾さん(右)と、インタビュー3回目で少し余裕が出てきたキャリアアドバイザーの奈良(左)

横尾 賢(よこお・まさる)
2017年に早稲田大学先進理工学部を卒業後、三井化学株式会社に入社。モビリティ事業部門にてエラストマーの営業および海外販社の販売・収益管理に従事。2020年12月にSansan株式会社に入社。インサイドセールスと新規事業の立ち上げ及びプロダクトマーケティングを経験。2023年6月よりamptalkにジョイン。

奈良ひかり(なら・ひかり)
大学卒業後、新規の法人営業、広報、マーケなど幅広い業務を経験。2022年にコタエルHRに入社。現在はCAと採用を兼務する。趣味は油絵と大学から始めた木彫。木屑が出て大変なことになりながらも木の匂いに癒されている。(note


amptalkと出会ってからの2年間

互いに自己紹介を済ませて席に着くと、横尾さんが「あ! そういえば」と話し始めました。「こんなことを聞かれるよって事前に共有されてたのに、全然確認してなかったです。すみません! でも、なんでも聞いてください」。そう言ってニカっと笑う姿に奈良の緊張もほぐれたようで、まずは経歴を聞いてみることに。

横尾さんは新卒で三井化学に入社し、プラスチック素材の営業や海外販売会社の管理をしていたそう。3年半が経ったとき、名刺管理サービスを展開するSansanに転職して、The Model(ザ・モデル)型の組織体制でインサイドセールスを経験したといいます。amptalkの存在を知ってから入社を決めるまでの期間は約2年。その間に、何があったのでしょうか?

奈良:amptalkとの出会いを教えてください。

横尾さん:2年くらい前に猪瀬(竜馬/CEO)さんからLinkedinでメッセージをもらったのがきっかけです。僕は当時、Sansanで新規事業の立ち上げに携わっていたので、「今は興味ないです、すみません」と返しました。でもまあ、社長さんと話せるなら1度くらい会ってみようかなと思って。偉そうですよね(笑)。それでオンラインで話を聞かせてもらいました。

奈良:それから2年後にまた連絡があったということですか?

横尾さん:いや、半年に1回くらいの頻度で連絡をいただいていました。とはいえ、僕はSansanがすごく大好きで働いていたので、毎度「今も変わらず楽しく働いています!」って返していました(笑)。

奈良:それほど好きだった会社を辞めて、amptalkを選んだ決め手は何だったのでしょうか?

横尾さん:携わっていた新規事業が軌道に乗らず、縮小することになったんです。このチームがなくなるんだと思ったときに、社内異動だけでなく、外の選択肢も考えるようになりました。それが前職を辞めたきっかけです。転職活動をするなかで、それまでに何度か連絡をもらっていたことを思い出してamptalkにも応募しました。最終的にamptalkを選んだ決め手はプロダクトに魅力を感じたことと、組織の規模感が小さかったのでやれることがいっぱいあると感じたことですね。

ターニングポイントになった新規事業の立ち上げ。実は、プロジェクトメンバーとして声がかかったときは「マジかよ……」と思ったらしい

奈良:横尾さん以外にもamptalkで働く方にお話を伺いましたけど、スタートアップの規模感に惹かれて入社される方が多いと感じました。

横尾さん:僕は大きい会社でしか働いたことがないですが、Sansanの新規事業を立ち上げるときにスモールチームで働く経験をしました。大きな営業部隊の一人として動いていたときとは違うおもしろさがあるというか、自分が小さい組織を動かしていくのがめちゃくちゃ楽しかったんですよね。だから次に行くところは小さい組織がいいなと思うようになりました。

奈良:実際にamptalkに入社されてどうですか?

横尾さん:いい意味で、物事がきれいに整備されていないと思いました。大企業は母体が整っているので、新規事業も完成している枠組みの中でガーッとつくり上げていく。でも、ここには枠がないんですよ。同じ小さな組織でも大きな違いがあるんだなって実感しました。それがすごく楽しい。

奈良:私はベンチャー企業で働くのが3社目ですが、楽しむ力ってすごく大事だと思うんです。横尾さんのなかで、楽しむコツってありますか?

横尾さん:楽しむコツは、楽しくなくても楽しいって言う! ハハハハハ(笑)。まあ、自己暗示ですよ。楽しいんだって言い聞かせる。

一緒になってギャハハハと笑う奈良(ここで暗示かけてるわけじゃないよね? 取材、楽しんでるよね??)

奈良:言い聞かせすぎて、きつくなることはないですか?

横尾さん:ありますよ。そこは目指しているものが明確にあるかどうかが大事だと思っていて。僕は野球をずっとやっていたんですけど、練習がきつくてつらいときがある。でも試合で勝つ姿がイメージできたからやれたと思うんです。だから会社としてのビジョンややるべきことが明確に示されていて、かつそれに納得できていれば、きついことも乗り越えられます。

野球で得た教訓から考える理想のマネージャー像

今年9月からセールス部門のマネージャーに就任した横尾さん。マネジメントの経験はないそうですが、「学生時代は結構リーダーポジションをやっていた」と言います。小学、中学、高校、大学と続けてきた野球でキャプテンを務めてきた経験から、今後のマネジメントに生かせることがあるのではないでしょうか?

横尾さん:中学のときは、自分がケガをしているなかでキャプテンになったので、すごくつらかったんですよね。高校のときは、「キャプテン」イコール「嫌われ役」だと思って、部員に厳しく当たってしまった。その結果、引退するとき同期に「キャプテンの横尾、嫌いだった」と言われました。「ほんとに嫌いだった。引退してこれから仲良くなれると思うとうれしい」って……。いやあ、かなりショックでしたよ。大学では、高校の経験と周りの仲間の助けもあって、「楽しくやっていいんじゃないか」と考えるようになりました。そして実際に僕が一番楽しんだと思っています。野球も、キャプテンも、チームも、心の底から楽しんだ。そしたらまとまりのあるチームになって、試合で結果を残すこともできました。……うん、そう考えると、仕事を一番楽しんでいるマネージャーになりたいですね。

奈良:やっぱり楽しむことって大事ですよね。横尾さんがamptalkでしか得られないと思っている経験や体験はありますか?

横尾さん:ウチの会社でしか、と言われると難しいですが、僕らはセールスイネーブルメントという言葉を普及させることに取り組んでいます。アメリカでの認知度は高まっていますが、日本はまだまだです。だから自分たちで業界をつくろうとする動きは、ユニークな経験になると思っています。

▼ セールスイネーブルメントをより知りたい方におすすめの記事 ▼

奈良:そう経験できるものではないですからね。横尾さんが営業する際、お客さまの課題を認識したり、解決したりするうえで大切にしていることはありますか?

横尾さん:その人の立場に立って、本当に『アンプトーク』というプロダクトが必要なのか、どういう機能があればうれしいのかを考えるようにしています。

奈良:もし、その課題が『アンプトーク』で解決できないと思ったら……?

横尾さん:正直に伝えます。もちろん売り上げは出さないといけないですし、そういう役回りになっちゃったんですけどね(笑)。僕らは新しいものを売っています。新しいということは、得体が知れないということでもある。例えば『アンプトーク』のAIを使って商談を自動で書き起こす機能は、お客さまにとっては議事録で使うものなのか、その他の解析機能なども用いて営業力向上のために使うものなのかが分からないだろうし、分からなくて当然だと思うんです。だから売ることも大事ですけど、セールスイネーブルメントやプロダクトについて正しく伝えることも役割の一つだと思っています。

奈良:先ほど自分たちで業界をつくっていくとおっしゃっていましたが、実現のためには多くの仲間がいたほうが心強いと思います。どんな人と働きたいですか?

横尾さん:難しいですね、うーん……。

結構長い時間、考えていました

奈良:横尾さんが働いていて楽しいと思うのはどういう瞬間で、そこにどんな人がいるかを考えてもらうといいかもしれません。

横尾さん:いやあ、難しいな。僕はどんな人でもいいと思うタイプなので。そうだなあ、強いて言うなら自己認知できる人ですかね。会社をチームスポーツと捉えると、4番バッターも必要だし、2番バッターも必要。1番から9番までの選手が必要なんですよ。各打順ごとに役割やキャラクターが違うので、一概にこういうタイプの人がほしいというのは全くないです。どんな人にも適切な役割があると思っていますが、自分がどういう存在なのかを分かっている人のほうがうれしいなと思います。

奈良:ちなみに、横尾さんは?

横尾さん:僕はたぶん、1番バッターですね。体を張って飛び込んでいきますよ(笑)。

奈良:なんとなく想像できます(笑)。最後に、スタートアップ企業への転職を考えている方にアドバイスをいただけますか?

横尾さん:僕みたいに大きい規模の会社からスタートアップへの転職を考えている人に絞って伝えさせてもらいますね。今の環境を変えたり、ガラッと違うことをしたりするのはすごく不安だと思います。怖さもあるだろうし、やらないほうがいい理由を考え出したらいっぱい出てくると思うんですよ。そのなかで大事なのは、何かをやりたいと思う気持ちがあるかどうか。周りに相談してもいいし、周りから影響を受けてもいいけれど、結局は自分がやりたいかどうかだと思うし、そういう気持ちを大切にしてほしい。さっきも言ったように大変でつらいことはあります。それでも飛び込みたいと思ったあなたを応援してくれる人は、どの会社にも必ずいると思います。

今後のキャリアプラン? 今は『アンプトーク』を一人でも多くの人に使ってもらうことしか考えてないっす!

転職するときに譲れないものはあったかと聞いたら、あっさり「ないです」の一言。自分は軸が変わることを良しとするタイプなんで、と言います。「その都度ごとにきちんとした理由があれば、軸は変わっていい。変化を楽しむんですよ」

ブレない軸を持つことは大事かもしれない。けれど、固執しすぎて視野が狭くなったらもったいない。そんなことを言われているような気がしました。「変化を楽しむ」ことを今すぐにはできない人も、それまで譲れないと思っていたものをちょっと手放してみたら、心が動く新しい何かに出会えるかもしれません。

インタビュー:奈良ひかり
文・構成:高尾太恵子
写真:須田康暉
協力:amptalk株式会社

BACK NUMBER|この連載をもっとみる


amptalk株式会社は、一緒に働くメンバーを探しているそうです!

◆ ◆ ◆

コタエルHRはスタートアップ・ベンチャー企業への転職支援を強みにしています! キャリアアドバイザーが求人の紹介はもちろん、応募書類の添削や面接対策など、さまざまな面から転職をサポートします。まだ転職を迷っているという方も、大丈夫です。まずはキャリアのこれからについて、私たちとお話ししてみませんか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?