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月夜

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記事一覧

月面の海の濃淡(問題提起)

下弦の月を、久しぶりに見ている。
月面のほぼ中央部やや南寄り……熱の入江と呼ばれるあたり。
ところどころ、寄り濃い灰色の部分がある。
そういえば、このあたりが、玄武洞の玄武岩に近い色。

他の「海」は、地球の玄武岩より、白っぽい感じ。
見るからに、成分が違いそう。鉄が多いのだろうか?

ところで、この月の海の濃淡、月齢の違いで目立たせない時期が、ある……そんな気がする。
月齢、つまり光の入射角によ

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南極老人星

南極老人星

冬のもっとも寒い時期、
南の空に地を這うように顔を出す明るい星がある。
あまりに地平線に近すぎて、赤っぽく見えるその星、血色のいいご老人にたとえて、南極老人星とよばれ、長寿のしるしと言い習わされきた。

1/21深夜22:45、ウミガメ産卵の定着をめざし、いつも海岸清掃している、四日市市内吉崎海岸で写真に撮ってみた。
川をはさんで、石油精製コンビナートと向かい合うあたり……なんとも四日市らしい、

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木星と土星、重なって見えるけど、見分けられるかな?

夕方の西の空、
おそらく一番星になると思います。
ひとつぽつんと光っているのが木星なのですが、
ここ数日ほどは、土星と木星とがほぼ重なって見えます。

国立天文台の記事
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/12-topics02.html

記事に紹介のあるとおり、再接近は21日夕方なのですが。
先程は観察したところ(19日17:30現在)すでにその距離が1°

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観月会(久留部遺跡公園にて)

観月会(久留部遺跡公園にて)

11月1日、四日市市内の久留倍官衙遺跡公園がオープン。
その記念に観月会がありました。

飛鳥時代から平安初期まで郡衙(郡役所)や軍の正倉が置かれ続けたらしい複合遺跡となっている、そんな場所です。

時に、十六夜月。
東に向いた役所の正門(板葺の八脚門。復元)ごしに、上る月が望めました。

水の忍ぶ惑星

某博物館の学芸員で隕石の研究者でもあった方が、冗談で言われたことだが、
「地球は石の惑星です。水なんて、地球表面にベチョ〜と張り付いているだけです」量的には、その程度です。
一方で、地球上の水は「水塊」として(あるいは氷河として)わかりやすいかたちだけであるわけでもないです。

含水鉱物というのがあります。定義によるのですが、石の結晶部分に水分子を抱き込んでいる場合(ミョウバンなど)と、水酸基(O

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な、な、習志野隕石、きたー

13日 国立科学博物館の発表から。
https://mobile.twitter.com/museum_kahaku/status/1282540406631092224

7/2関東地方で見られた火球ですが、習志野市内で、その隕石が確保されたとのことです。
まだ速報ベースで、詳細が流れてきていません。見つけ次第、リンクしていくことにします。

まずは、周囲の方にお怪我なく、よかったです。
一昨年

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人出がないからこそできること

人出がないからこそできること

いつもなら、日中フリーマーケットなども開かれている、駅前の公園。
私たちの公開スターウォッチングの拠点でもあります。
その公園での視界の広がりを写真に撮ってみました。

日曜日、ほんっとに人通りがありません。
50メートル四方くらいの公園に、私を含めて4人しかいない。
この機会を逃すものか、とやってみたわけです。

使用機材
・RICOH THETA S
全天周カメラです。
・小型三脚
・分度

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某月某日観望会日誌(その1)

今夜、四日市市立博物館天文ボランティア主催の観望会、強行しました。

今日の金星ならきっと、この雲も突き抜けて輝いてくれる、と信じて。

さすが、今の金星は、やればできる子、たくましかったです。

晴れた時間帯には、これでもかというほどの大きさと明るさ、目に焼きつきました。

ところで、今週末からは、春節のお休みなのですね。

中国から旅行中のご家族と、女性三人組も立ち寄られました。

そんな時に

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ペルセウス座流星群の観望会にて

それは、イベンドの後、明け方近くのことだった。

流れ星を待つ間。

あるセミは、羽化を始めた。
ただ、体を支えるのに使ったのが金属製の柱、
途中でバランスを崩して、炊事場のシンクの上に仰向けに落ちてしまっていた。

それ以上、殻から抜けることもできず、羽も歪んでしまっていた。

全ては、わたしたちが知らない間に起きていたことだった。
(亀山市 鈴鹿峠自然の家にて。なお、月は、20

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かぐやのみやげ 骨の髄までしゃぶりたい

昨夜、出入りしている博物館の天文部門が企画された、再び月へという講演を、運営補助をしながら、仲間のみなさんとで聴講しました。
講師は、JAXA内の宇宙科学研究所に所属の女性研究者で、探査機かぐやの製作からデータ解析まで携わっている方、そのため、かぐやでの成果だけでほぼ時間いっぱいになりました。

月がどのように出来たのか、、説明するモデルが4つ従来からあるのですが、そのモデルのどれが現実に近そうか

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月面x(鈴鹿市 長太の大楠にて)



すっかり夜も更けて、三々五々集まる、お仲間たちの車、
そこから現れる人かげ、わりと黙々と月を狙っている。

何事があったって?
月の表面に、xの字が浮かび上がる……その時間帯を待っているのです。
約1カ月の月の移ろいのなか、1時間弱の間だけ現れる、光のいたずら。
鈴鹿おろしに震えながら、その妙を愛でる……だから余計に味わいあるんです、多分。

……なんて書いたら、この地の主、大楠さまに

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嫦娥に、鵲橋
中国の人工衛星や探査機の名前は、そこはかとなく味わいありますね。

とくに通信衛星に、鵲橋と名付ける的確さ。

かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見るに 夜ぞ更けにける
(中納言 家持)