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実体経済と金融経済についての解像度を上げてマネーリテラシーを向上させよう

はじめに

最近周囲が投資投資といい始めてかなり騒がしくなってきました
個人的に言わせてもらうと投資というよりは資産運用といった方が正しいニュアンスだと思いますが、まあ言葉尻をとらえただけなので些末事です

また投資解説動画もどんどん増えていましたが、非常にナンセンスな動画が多いなと思いました
特に金融経済と実体経済の区別がついていない解説者もいそうな感じです
なんだかよくわからないけど長期間保存したらとにかく資産が増えるんだからとりあえず投資だーというのは投資ではないと思います
それは"投機"と呼んだ方がいいでしょう


何が言いたいかというと投機はギルティな側面があるのでそれを知ったうえで手を出しましょうとまずは最近はやりの長期投資に手を出そうと思っている方に言いたいです


そもそも経済とは?

そもそも経済とはどういうモノかそもそも論で考えてみると、必要なものを必要な人の元に届けるのが経済の本分です
難しい言葉でいうと「財の流通が完全に最適化した状態」が経済が目指す理想形態です

お金はモノやサービスの流れ、つまり流通を最適化するために使われる手段なのであって、お金自体に何か価値があるわけではありません
完璧な経済が実現している世界ではお金などを使わなくても必要なモノが必要な人の下に届きます


必要だから買う実体経済

さて、では経済において一番大事な考え方とは何でしょうか?
それはモノを買う時にそのモノを必要としているかどうかです

皆さんは素敵な家に住みたいから家を買いますよね?
また雨にぬれずに早く移動がしたいから車を買いますよね?

こういった必要なものを必要な時に必要な人がモノを買う経済を実体経済といいます


必要じゃないけど買う金融経済

何を当たり前のことを言うのかと思うかもしれませんが、実は世の中の経済は一般市民の通常の感覚に反して、必要のないものがやり取りされています

よくよく考えてみましょう
具体例はいくらでもあります

例えば、とある資産家が土地を買いました
しかし家を建てたり畑を耕すでもなく一向にその土地を使う気配がありません
あるときその資産家に誰かが聞きました
「どうしてその土地を買ったんですか?」

資産家は答えます
「ここはオリンピックの用地になる可能性が高い場所なんだ」


さて、この資産家はこの土地を必要としていたでしょうか?
答えはNoです
なぜ資産家が土地を買ったのかというと値上がり益を期待して購入したからですね


これらのように必要としていないものがやり取りされることを金融経済といいます


金融経済のクソなところ

さて、金融経済は必要としていない人が値上げ益を期待して買うだけの代物であるので、基本的にはあまり褒められた経済の姿ではないのですが、経済の潤滑油になったりするという良の面の役割もあったりします

しかしながら、金融経済には最悪のクソな面があります

それはバブルを発生させることです


バブルの何がダメかは皆さんもよくご存じだと思います
1990年代に起きたバブル崩壊で社会がどうなったかを見ていたらバブルのヤバさは理解できるのではないかと思います

バブルはものすごいリスクを抱えています


バブルは金融経済と実体経済のギャップ

さて、分かりにくいと思うので図示しました
バブルというのはこういう状態のことを差します
しかしバブルというのは膨らんでいる最中は特に問題を起こすことがありません


バブルがはじける瞬間

問題になるのはバブルがはじけるときです
例えば上で挙げていた例で「オリンピックの用地になるから」土地を買った資産家のケースでは未知の病原菌が蔓延するなどしてオリンピックが中止になった瞬間にバブルがはじけるでしょう


実体経済が金融経済に追いついた場合はバブルははじけない

しかしながら、予定通りオリンピックが開催されて、必要としている人がその用地を開発して会場に作り替えたらどうでしょうか?
バブルははじけませんね

これは実体経済の方が金融経済に追いついたという状況になります

想定通りことが運べば、バブルははじけないのです
そして、この想定通りというのが曲者です


現実世界では大抵の場合、想定通りが起こりません
オリンピック前に新型ウイルスが流行する未来を予測できた人間などどれくらいいるでしょうか?

そうです
想定を外した瞬間にバブルがはじけるのがかなりの問題なのです
そして現実世界は上で挙げた例とはくらべものにならないくらい複雑に経済が絡みあっているので、バブルがはじけると1990年代のバブル崩壊のような社会混乱が起こったりします
想定を外したその個人だけが損するだけでは済まずに社会を巻き込んで混乱させてしまうのが金融経済バブルの非常に悪質な点になっています


投資投資といっていますが、皆さんは何に投資しているんですか?

今までの話から、投資投資と連呼している人はなんのために投資をするのでしょうか?
そうですね
資産を預けていたら値上がりするかもしれないのでその値上がり益を狙って投資をするのですよね

これは立派な金融経済ですね


バブルは膨らんでいきますね
これをはじけさせないためには実体経済を伸ばす必要があるのですが、この流れって期待しても大丈夫なんですかね?と思うのが私の意見です

といってもこの金融バブルがはじけたら全世界がリーマンショックよりも大変な経済危機に見舞われるので、実体経済を伸ばすしか私たちに残された選択肢はなかったりします

が、残念なことに世界は残酷でして、金融経済の拡大速度が速すぎて実体経済が置いてけぼりに今現在の世界はなっています
とある試算によると金融経済と実体経済との開きは今もはや3倍を超えているらしく、しかもこれは2019年時点だったので、今はもっとその差が拡大しているようです

絶望なのでしょうか?
いえ、一つだけ希望があります
この差を埋める方法があるとすればアインシュタインのような天才が後100人くらい現れて世の中に技術革新を神のごとく巻き起こして実体経済を急成長させることができれば持ちこたえます


ですので祈りましょう
バブルがはじけないことを……


おわりに

投資に興味のある人はせめて実体経済と金融経済の区別がついてから手を出すようにしましょう
長期投資も元をただせば他人のふんどしで相撲を取るようなものなので、そこを理解したうえでやるべきだと私は思います

確かに金融経済にはいい側面もあるので、頭ごなしに否定はしませんが、どちらにせよ、そういった行動はこそこそやるべきものであって、まかり間違っても堂々と自分はこんなにもうかりました~と大ぴらに自慢する類のものではないです


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