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45歳医師 英語やめました

こちらで大好評いただいた『英語やめました』を、あらためてm3.com連載記事として書き下ろしました。

こちらの連載では「複業(パラレルキャリア)」について書かせていただいてるのですが、
そもそも「パラレルキャリア」というのは報酬が生じるもののみならず、自分自身の学びやスキルアップといった「自己投資」も含めて、本業と同じくらいのエネルギーを費やしているものも該当します。

私にとってその一つに「外国語学習」というものがあります。もちろん筆頭は英語。ですが、タイトルにあります通り、今は英語を卒業して、第3外国語=韓国語に「完全に目移り」している状況。

医業に必要であるわけでは「全くございません」し、今後それが収入に繋がるのか、そんなことは「わかりません」。けれども、確実に今後の自分の糧になるものだ、と思っています。
今回から数回にわたり、皆様にも決して他人事ではなかろう、外国語学習について、あれこれ書かせていただこうと思います。




英語、やめました

この記事のタイトルの通りなのですが、韓国語の勉強をしている話をするにあたって「英語はどうしたの?」と聞かれるので、まずはそこから。

そもそも日本って、島国だからか、外国にコンプレックスみたいな、変なアコガレみたいなのがあり、海外旅行したい人、海外に住みたい願望な人も多いわけで、英語や英会話に対するそれは特に顕著なわけですが、
私は小学生の時、アメリカに一年間住む機会があったり、ありがたくも学生時代にTOEIC850点相当の英語力もついたりしていることもあり、ドラマや映画も、内容によりますが7~9割くらい聞き取れます。

ゆえにもうだいぶ前に英語からは卒業しております。
何年、何十年外国に住もうが、外国において日本人なんてのはいつまでたっても外国人であり、マイノリティでしかないよね、という実態も知ってしまい、海外に住みたいという気持ちもないです。

英語ができるからといって、別に外国人と腹を割って話せるレベルでもないし、ましてや、ビジネスなぞ、到底できるレベルにございません。
が、これ以上英語を磨かなくても旅行先で全く困らないですし、日本で、日本人の顔して、日本語で会話ができることに幸せを感じているのであり、英語で腹を割って話せる友人や恋人が欲しいだなんて願望も「なし」。
ゆえに、それ以上突き詰めるのは、もういいや、ってなっとります。

それともう一つ、


「英語を制すれば世界を制す」に違和感

英語圏以外に旅するようになって、世界の共通語は「英語」であるという考えは英語圏の奢りでしかないんじゃないかという考えがでてきた、というのもあります。

韓国、台湾、ロシア、フランス、そして日本もですが、英語が使えるのなんて、ホテルのフロントで、最低限のやり取りだけ。街中で英語、普通に通じません。
英語で話しかけても困った顔されて、韓国ではハングル文字、ロシアではキリル文字が読めないと、もう終了なわけです。
台湾は読み方わからないけど、漢字で表記されているのに救われている。なんかそういうのの一つ一つが、逆にむしろ、嬉しい、楽しい。

これ、よく考えたら当たり前の話で、旅先とはいえ、現地の方は現地の言葉で、現地の習慣で平穏に暮らしているんですよ。
得体の知れない人間は旅人であるこちらのほう。挨拶くらい、現地の言葉でするべきですよね。

そんな考えでいたら、ここのところ、海外で活躍する有名スポーツ選手のみなさま、チームメイトと意思疎通ができるほどの英会話ができるにもかかわらず、メディアとのインタビューは必ず通訳をつけて日本語で応対していることが多いではありませんか!

つまり、カジュアルな場での意思疎通は英語でするけれども、メディアとの応対などといった、「発言内容が記録」される場では、より正確に内容を伝えるため、母国の日本語で話すということ。
世界のどこにいようが、ここぞ!というときは英語より母国語、なんですよ。

そりゃそうですよね。

そこで私も考えを変えました。


外国で「日本語」は使ってもらえない、ならば、日本で外国語を使用する必要はないじゃん。
だったら私が日本で、日本の医師免許で、日本の医療保険制度をベースに診察をするのに、外国語を使わなければならない理由もないわね。

実は、日本国内にいるときは、緊急の場合をのぞき、英語ではなく日本語で押し通しております。時には「英語が話せない」ふりをするときも。笑 

先日、TikTokでもこんな動画を見かけました。アメリカ人旅行者たちが、日本人はみんな英語で応対してくれてすごく優しい。
こんな国は日本だけだと。アメリカでは、旅行者とて英語で話さないと、誰も助けてくれないのに、と。

それを見て、確かに、そんなしてまで彼らにサービスしてさしあげることはないかな、と私は考え直しました。

診療の場においても、外国人の受診、増えておりますが、実は私、日本語を話せない方、日本語の通訳の同伴がない方の診療は原則お断り、英語を使用しての診察も実はお断りしてたりします。


英語はあくまで手段の一つ

学生の頃は、日本語しか話せないなんて、と思っていました。英語くらいは話せないと、と。
ですが、今は、全くそうは思っていないです。日本語しか知らなくても全然恥じることはないです。

だって、英語以前に、日本語だってちゃんと操れますか?というお話。
私のコラムが人気なのは「人が思っていてもなかなか言葉にできないことを言語化できるから」だそうですが、
要は、大多数の人間は自分の思ってること、日本語でも表現できてないじゃん、ということじゃないですか。

なのに外国語でそれをするのは、相当ハードル高いですよ。
日本人スポーツ選手のインタビューしかり、日本語が母国語でありながら、英語で心のヒダを細かく語る域というのは、おそらく無理です。
それが可能であれば、じゃあ日本語は母国語と言えるのか、という状態だと思います。

が、知識はないよりあるほうがいいのも確か。ビジネスで海外旅行するには確かに英語を知っていたほうがいいです。
が、それであれば、それぞれのビジネスや海外旅行に困らない程度の英語でじゅうぶんです。きっかけはなんだっていいし、そんな上すぎるレベルを目指す必要もないのですよ。


じゃあどうして外国語を学びたくなるのか?

一番やっかいなのが「推しが外国人だった場合」じゃないでしょうか(ニヤリ)。パートナーが外国人である、というのもあるでしょうし、もっと身近なのが、好きな音楽やドラマ、有名・著名人が外国人で、というケースではないですか?

日本のスポーツ選手が通訳を介して日本語でインタビューに応じるのと同じように、外国人である彼らは、通訳を介して彼らの母国語でインタビューに応対することがあるわけです。
細かい心のヒダは外国語で表現できない、でしたね。「推し」のそれを通訳、または字幕を介した情報で、果たして満足ですか?というお話。
これは英語が中途半端に理解できるゆえ、わかりますけど、答えは「圧倒的にNo」だと思いますよ。

英語のドラマや映画・インタビューは、私の場合7~9割の理解度なので、通訳や字幕の内容に多少はケチつけられるレベルなんですが、直接英語で聞き取るニュアンスや、字幕のそれとは、悪いけど決して同じじゃないです。

そこがわかるからこそ、なんですが、今の私の「推し」は英語圏でなく、韓国。そして韓国ドラマ、K-pop、韓国語を話される方々。

ということで、そりゃあ英語ほっぽり出して韓国語、行きますわww これが本当の理由なのでした(爆)

ありがたいことに、到達しなきゃいけないレベルがいかほどかが、わかる。韓国語のお勉強を通じて「英語がなかなかできない」人の気持ちもちょっとわかる。どこで挫折するか、なんかもわかる。

てことで、次回からは韓国語のお勉強経験をもとに、“外国語のお勉強、ここが大変だよね~話”を展開していこうと思います。お楽しみに!

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