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久しぶりに創作の世界に戻って来ました。 書きたいと思えるものがある幸せを感じています。

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最近の記事

推しポエム りくりゅう12 「手をつなぐ」

「手をつなぐ」        〜BOI周回のふたり〜 笑顔の人々の たくさんの歓声がわたしを包む わたしも笑顔で手を振って進む けれど なんだろう この心細さは なんだろう この心許なさは ふり向くと くしゃくしゃな笑顔の          あなたがいて 思わず手を伸ばす ちょっと目を見開いて すぐにわたしの手をとった          あなたの手は 大きくて 温かくて わたしはたちまち温もる そして 満たされたわたしが  あなたの手に引かれて進む 笑顔の人々の た

    • 推しポエム「りくりゅう」その11 「プティーン」

      「プティーン」   〜2024世界選手権を終えて〜 「ポテトがあなたで  私がチーズだよね」 なんだ それ プティーンを食べながら 君が突然言い出す 「上にかかっているソースは  コーチだな」 得意げな眼差し 「今年はそのポテトが  なかなか揚がらず  大変だったけどね」 つられた僕がそう言うと 「去年はチーズが溶けずに  大変だったしね」 すかさず君も言う このカロリーと ボリュームたっぷりの料理を ふたりでつつきながら 笑い合う 雪が残る北の街だけ

      • 押しポエム「りくりゅう」その10  「渇望」

        「渇望」 〜四大陸選手権    戻って来たりくりゅうに〜 引き寄せた君の胸が       大きく息づいていた 握った君の手の指先が冷たかった 君の瞳の奥が揺れていた 映し鏡のような僕がいた 僕らは 乾き過ぎていたのかもしれない 乾きすぎて 注がれることが  怖くなっていたのかもしれない けれど 降り注ぐ光は 歓声は 拍手は 僕らを確実に潤していった もっと浴びたいと もっと濡れたいと 僕らは思った 深く息を吐いて君を抱く 君の手を強く握る 真っ直ぐに君を見て頷く 映

        • 推しポエム「りくりゅう」その9「Merry•Happy」

          ☆平癒祈願☆ 〜トロントで年末年始を過ごすおふたりを思いながら〜 「Merry·Happy」 この街で過ごすクリスマスは 何回目になるだろう きらめく街 笑顔の家族連れの中を あなたと歩く 小さなケーキを買って さあ 帰ろう ロウソクに火をともして 無理やり被せたサンタの帽子が やけに似合うあなたに Merry christmas! この部屋で迎える新年は 何度目になるだろう 凍てつく空 詣でる人々の賑わいもない朝を 君と過ごす ふる里の雑煮を作って さあ 食

        推しポエム りくりゅう12 「手をつなぐ」

          推しポエム「りくりゅう」その8「大丈夫」

          「大丈夫」   〜リハビリに励んでいる今のおふたりに思いを馳せて〜 僕は気づいている 僕に話しかける君が いつもつま先立ちしていることに かがむ僕の腰を気遣う君に 「大丈夫だよ」と言うと なんのこと?と君はとぼける 君は気づいていない 僕の腰に手を回すとき いつもそっと撫でていることに 動いたあとの    僕の腰を気にする君に 「大丈夫だよ」と言うと 慌てて君は手を止める 今まで通りのようで 今まで通りではない今を重ねて 「大丈夫」 僕らは進んでいく もっともっと強

          推しポエム「りくりゅう」その8「大丈夫」

          推しポエム「りくりゅう」その7「満月」

          「満月」  ☆平癒祈願☆ 〜秋の夜にふたりの今を想って〜 月が見えた まん丸の月 カーテンを引く手を止めて 月を見上げた 気づくと 手を合わせている私がいて あなたの治癒を 祈っている私がいて 耳たぶがほんのり温かくなった 「月がきれいだよ」 文字にはしたけれど 送るのはやめた 耳たぶをそっと引っぱってみる 「どら焼みたいな月だよ」 打ち直して送った あなた 笑っているかな 月を見ているかな

          推しポエム「りくりゅう」その7「満月」

          推しポエム「りくりゅう」その6「かわりばんこ」

          「かわりばんこ」   ☆平癒祈願☆ 〜ふたりがふたりらしく 療養期間を過ごせていますよう そしてより絆を強くして戻って来ますよう 願いながら〜 「私たちが調子に乗らないように  神様が心配事を  かわりばんこに  与えている気がする」 真面目な顔で君が言うから 僕は思わず うなずいてしまった そんな訳がないだろうと 言いかけたけど 納得顔の君を見てたら そうかもしれないと 思えるから不思議だ 「私が心配かけたとき  こんな気持ちで待ってたんだね  今 わかった」 それ

          推しポエム「りくりゅう」その6「かわりばんこ」

          #推し短歌「りくりゅう」に捧ぐその2

          〜フィギュアスケートペア  りくりゅうこと  三浦璃来・木原龍一組に〜    *彼らについて詳しくはその1    の方にあります つなぎ合う 手から伝わる 信頼の デススパイラルは 低く回りて ほめろよと 求める君は 年上の くせにまなざし 少年のごと 泣いた日も ケンカした日も 氷上に 積みしものあり 二人をつなぐ 氷上に 二人が舞えば 鈴蘭の 揺れて香りの 満ちるが如く 苦しさや 辛さを越えた 幸せが 二人を表す 言葉となりて 重ね来た 練習の日々 誇ろうと

          #推し短歌「りくりゅう」に捧ぐその2

          推しポエム「りくりゅう」その5「あの日から」

          「あの日から」 〜りくりゅう誕生記念日によせて〜 あの日 僕が投げ上げた君は 思いがけない高さに 空中で驚いた顔をしていた 君が上から見た僕も 同じように驚いた顔を        していたんだろう あの日 手をつないで滑り出した僕らは 同じリズムで氷を踏み 同じ距離を進んだ スピードが上がると 君はどんどん笑顔になった 君が見上げた僕の顔も 同じように笑っていたんだろう そうして あの日 僕らはチームになった あれから4年 今 僕が高く投げ上げると 君は満足そうな

          推しポエム「りくりゅう」その5「あの日から」

          推しポエム「りくりゅう」その4「ふたりに戻った日」

          「ふたりに戻った日」     〜璃来ちゃんのケガから久しぶ     りの練習再開〜 君のいない日々 僕は何度も 深呼吸をした 吸ったり吐いたりを繰り返しても 肺は満ちることができずに まるで 片肺が潰れたようだった あなたと離れていた日々 私は何度も まばたきをした 見開いたり細めたりを         繰り返しても 目はぼんやりとしたままで まるで 濃い霧の中にいるようだった ふたりに戻った日 ほら こんなに楽に呼吸ができる ほら こんなにはっきりと顔が見える 僕ら

          推しポエム「りくりゅう」その4「ふたりに戻った日」

          推しポエム「りくりゅう」その3「ねぇ」

          「ねぇ」 〜2022.NHK杯バックヤードでの 璃来ちゃんの「ねぇねぇ龍一くん」があまりに可愛すぎたので〜 ねぇ おかしいと思わない? チョコを食べたでしょ 隠していてもわかること ねぇ へんだと思わない? 勝った負けたと言い合いながら ずっとゲームをしていられること ねぇ 不思議だと思わない? こうして二人でいること 二人でいることが 当たり前だと思うこと ねぇ ねぇ 聞いてる? 聞こえてる? 「運命だから」 あなた 静かな声で言うけれど ねぇ 気づいている

          推しポエム「りくりゅう」その3「ねぇ」

          推しポエム「りくりゅう」編その2「運命のとき」

          「運命のとき」      〜りくりゅうの誕生〜 行く先が見えず 僕は立ち尽くしていた 信じて進んで来たはずの道が どこへ向かっているのかすら       わからなくなって 僕は途方にくれていた そんなときだった 君が現れたのは おずおずと けれど強い目で           君は言った 「試してください」と 半ば諦め 半ばすがるように応じた僕から 投げ上げられた君は かつてない高さに舞った 刹那 僕に落ちた雷 光は 前方を明るく示し 音は 進めと鼓舞した 君と共に進

          推しポエム「りくりゅう」編その2「運命のとき」

          推しポエム「りくりゅう」編その1「儀式」    

          「儀式」 ~りくりゅう、演技前のハグ~ 両の手をとる 手を包み込む 腕を揺り動かしながら 君に声を届ける 手を背中にまわす 頬を寄せる うなずきながら あなたの声を染み込ませる 全てが止まり 全てが静まり 二人は輪郭を失くし 一つのたぎる力となる そして 踏み出す 拍手と歓声の中 光集まる場所へ 一瞬の無音 旋律が流れる 今 滑り出す

          推しポエム「りくりゅう」編その1「儀式」    

          #推し短歌「りくりゅう」に捧ぐ

          #推し短歌 フィギュアスケートペア「りくりゅう」こと三浦璃来•木原龍一組 この歳の差9歳、身長差30cmのペアは昨シーズンの世界チャンピオンです 日本人同士のペアが世界のトップに立つ それは長く叶わぬ夢と捉えられて来ました その夢を結成わずか4シーズンで達成したふたり このふたりのスケートを一言で表すならば「多幸感」 見ているものを幸せにする演技 さらに、ピュアで真面目でおちゃめな普段のふたり このふたりから目が離せません 「りくりゅう」のこれまではこちらの

          #推し短歌「りくりゅう」に捧ぐ