見出し画像

押しポエム「りくりゅう」その10  「渇望」


「渇望」

 〜四大陸選手権
   戻って来たりくりゅうに〜

引き寄せた君の胸が 
     大きく息づいていた
握った君の手の指先が冷たかった
君の瞳の奥が揺れていた
映し鏡のような僕がいた

僕らは
乾き過ぎていたのかもしれない
乾きすぎて
注がれることが 
怖くなっていたのかもしれない

けれど
降り注ぐ光は
歓声は
拍手は
僕らを確実に潤していった

もっと浴びたいと
もっと濡れたいと
僕らは思った

深く息を吐いて君を抱く
君の手を強く握る
真っ直ぐに君を見て頷く
映し鏡のような君がいる

そして
ずぶ濡れの僕らは
笑いながら言い合う
「戻って来たね」と

光と
歓声と
拍手の
降り注ぐ場所

僕らが戻りたいと
渇望した場所




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?