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プリンセス・クルセイド

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王子の結婚相手を決めるため、少女たちは剣を取る。剣と魔術で闘うファンタジーです。
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#ジュリアン

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 6

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 6

「……来る!」

 チャーミング・フィールドでの闘いを見届けたアンバーは、水晶から目を離して聖剣を鞘走らせながら部屋の一角に向き直った。そこへ一瞬閃光が瞬き、ジェダイトとカーネリアが虚空から弾け出た。

「クソッタレが!」

 ジェダイトは床に回転着地すると、悪態を吐きながら聖剣を構えた。

「でえりゃあ!」

 その直後、およそプリンセスらしからぬ叫び声とともに、イキシアが風の魔術を発した。聖剣

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プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 4

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 4

「つまりだ。これだけでかい屋敷があって、おまけに誰も入ってこない。じゃあ、隠れ家にする以外ないだろ」

 ジェダイトは廊下を大股で歩きながら、誰にも悪びれることなくそう言った。その後ろを、アンバー一行は無言のままついていく。

「なんだい、無視か? 気を悪くするねえ」

「そんなことより、ヴァンパイアはどこにいるの?」

 口を開いたのはカーネリアだ。ジェダイトは肩越しに後ろを振り向き、彼女の姿を

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プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 3

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 3

 エアリッタの郊外には、大きな古びた屋敷がある。その屋敷の扉の前で、アンバーは嘆息するように呟いた。

「……まさか、またここに来ることになるなんて」

「まったくですわ。人生、一寸先は闇ですわね」

 隣に立つイキシアが、彼女に同意する。二人がこの屋敷を見るのは、今回が初めてではない。だが、前回の訪問は夜中のことで、こうして城の外観をじっくりと見たのはお互いにこれが初めてだった。

「……それで

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プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 2

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 2

 エアリッタ城にも地下牢はある。実際に囚人が拘留されていることは滅多にないのだが、今はある牢に女性が二人入っていた。その牢で、一人の女性が、仰向けになって天井を見ながら、相方に向かって話しかける。

「なぁなぁ、シトリン。今日のご飯は美味しかったなぁ」

「何言ってんだ、ラリア! クソまずかっただろ!」

「えぇ~、私は好きな味だったけどなぁ」

「味なんかどうでもいい! どうせこんなのはあれだ。

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プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #1 【鍛冶屋の娘と王子様】 2

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #1 【鍛冶屋の娘と王子様】 2

 ウィガーリーの王都エアリッタの職人街にある鍛冶屋の応接室で、一人の魔術師が魔術を行使している。その様子を、店の一人娘であるアンバーは固唾を飲んで見守っていた。

「……」

 魔術師が無言のまま相対しているのは、この鍛冶屋の主、ロベルト・スミスの閉じ込められたクリスタルだ。

「……どうですか?」

 アンバーが背中から不安げに尋ねると、魔術師は振り向いて首を振った。

「……やはり、ダメですね

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