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孤独なグルメ『喫茶チェーン店のたっぷりたまごのピザトースト』

車を走らせているだけだとカロリー消費が少ないせいか昼抜きが多い。でもお腹が空かないわけではない。

言い方悪いがやっつけ仕事の時は、早く終わらせたい一心なのだ。

今日もその責任から逃れられた瞬間に腹の虫が声をかけてきた。

時間は午後3時、ガッツリ食べると晩御飯に影響するけどコンビニでパンだけと言うのも物足りない。

そうだ彼女がチェーン店だけど、あそこのピザトーストが美味しいよって言ってたな。喉も乾いたしちょっと寄ってみるか。

ここから一番近い場所はあそこにあったとググることなく5分もかからず駐車場に着いた。

この名古屋発祥のコーヒ店が関西地方に進出してきたときは喫茶店で勝算あるのか?ひとごとながら心配したが、君はコンサルに向いてないよと嘲笑うかのごとく一気に店舗が増えていった。若い頃からあまり「お茶をする」という習慣がなかったので、いまだにこの成功の秘密が解き明かせない。

席に座ると食べるものは決まっていたが、飲み物をどうしようかと悩むも空腹に考える気力が低下していたようで無難にアイスコーヒーをセレクト。

この歳になってやっとブラックを飲むようになったがいまだにコーヒーの味ってよくわからない。ただ甘いコーヒーよりブラックの方が食事が引き立つ気がして飲んでいるだけだ。

10分くらいたった頃、コーヒーとピザトースト、サービスだという豆菓子を置かれる。

コーヒーで軽く口の中を潤して、二つに切られているピザトーストを掴む。

表面はパンの上にピザソースにチーズ、トマト、ベーコン、玉ねぎとスタンダードなピザトースト。

しかしここで注目すべきはパンを重ねて間にマヨネーズ少なめの玉子がしっかり挟み込まれていることだ。

女性には少しだけ厚めかなと思うそのパンをパクっと頬張る。

最初に安定のピザトーストの味が口の上部にやってくる。

噛みしめていくごとに玉子サンドの味が舌を覆っていく。

上でピザ、下で玉子サンド。このコンビネーションが素晴らしい。

ピザと玉子サンド好きとしては夢の食べ物。

そりゃ一気に食べ終わってしまう。

アイスコーヒーを飲み干し、満足な吐息とともに頭を背もたれに向けた。

会計を済ませて店を出ると「あなたは喫茶店でお茶飲むとすぐに出ようとするからゆっくりできないのよ。」彼女の言葉を思い出し苦笑いしながらギアをドライブに入れた。


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