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幸福な国デンマークに目を向け、日本のムカつく就活のいいところが見えた

新卒採用・年功序列・終身雇用。
日本企業の三種の神器。

まっさらな新卒をガツンと採用して育成して、
ジョブローテさせて、昇進も昇級も保証するから
しっかり最後まで勤め上げる。

だから当時は「”いい企業”に入れたら生涯安泰」
というのはあながち間違ってなかったのだと思う。

その”いい企業”に入るためには
”いい大学”にいくことが大切で、

その”いい大学”っていうのは”偏差値が高い”ところで、
その”偏差値が高い”っていうのは大学受験で測られるから
そのための勉強をする必要があって、

そのための勉強っていうのは、要は暗記がほとんどで、
そのための教育システムが敷かれている。

と全部つながっているとわたしは感じている。
昔はこれが理にかなっていたのだと、理解もできる。

わたし個人の経験だと大学受験までは、
「この中から自分がいいと思うものを選んでね!」
と言われることに疑いもなければ、不満もなかった。

レールの外の景色を見ることはなかったけれど、
レールを右に行くか、左に行くか?くらいは
自分で選択している感覚があって、
そんなわたしに満足もしていた。

ところが、就職活動の時期になった瞬間、
「どの路線もちがうところに行く」
「選びたいレールが陸にはない」
とはじめて気づいてショックを受けた。

こんなに真面目にやってきたわたしのレールがない
なんて想定もしていなかったからだ。

日本の就活制度が憎くて仕方なかったわたしは
「見返してやるんだ」というつもりで休学をした。

「受験がゴールだった教育システムで、
どうやって仕事を探せるっていうんだ」

そういう怒りみたいなものが大きかったし

「わたしは真剣に考えていてわからなかったのに、
 なんでわたしより真剣じゃなさそうに見える
 友達の方が軽々と仕事を見つけるんだ」っていう
だいぶ失礼なむかつきもあった。

自分が器用に適応できないことへのもどかしさから
日本の戦後から続く教育システムを憎み、
平和ボケした学生の人生への主体性のなさ
みたいなものにも腹を立てていたのだ。(尖)

だからその辺の論文を読みあさっていたら、
その辺を考えている教育機関があるよ、っていうことで
デンマークという国にまたどりついた。(ざっくり)

デンマークという国は、

大学生のギャップイヤー取得率は9割を超え
はじめてフルタイムの仕事につく平均年齢は27~8歳、
フォルケホイスコーレという、自分が学びたいことや
生きていく上での幸せは何か?を考えるため学校が70校あって、
一斉にキャリアがスタートする日本とはちがう。
(デンマークの人口は兵庫県くらいで兵庫県に大学は35校ある)

わたしはその国で、実は空を飛んでもいいし、
船に乗ってもいいのだと教えてもらった。

でもデンマークの社会にも、
プレッシャーがないわけではない。

デンマーク人だって日本の高校生のように
「やりたいことでは食べていけない」とこぼすし
親のプレッシャーを感じていることを打ち明けてくれる。

むしろ日本人が感じなくていいことも感じている。
たとえば、新卒採用なんてシステムはないから、
仕事=プロフェッショナルが求められる。

つまり、どこの大学か?ではなくて、
何を勉強したか?が重要。

仕事になりづらい学問と、なりやすい学問があるから
やりたいことと、手に職的なことを
天秤にかけなきゃいけないこともある。
(これはデンマークに限らない、日本が特殊なだけ)

日本みたいに「ポテンシャルで採用!」
なんてことも稀だから
学生中にインターンをするのは当然で、
会社に入ったら突然「プロ」である必要がある。

これってすごいプレッシャーだと思うし、
そう思うと、大学で好きなことを学んでも
キャリアの選択肢が狭まらない日本は幸せとも言える。

デンマークでは大学受験がない。
高校卒業してすぐ入学するひともいるし、
世界を旅してから入学するひともいるし、
数年働いてみてから、大学に行くひともいる。

それぞれのタイミングで
「どこで何を学びたいか?」を考えて大学にアプライ。

その時に必要なのは高校の成績。

18歳で高校を卒業して、25歳で大学行きたいなーと思っても
高校の成績が一生付きまとう。

もちろんこの成績は日本の受験ほどシビアに
必要とされるものではないけれど、
高校の成績が低いことを大人になって後悔するってことが
めちゃくちゃあるんだそう。

そう思うと、日本の大学受験って
浪人にも割と寛大だし、
全員に平等にチャンスがあるとも言える。

友達は「高校の先生に嫌われてなくてよかった」と言っていた。

高校でもテストが少ないらしいので
先生に嫌われたら大変なのだと想像する。
テストがない、で有名な教育システムはすごいと
世界から賞賛されているが、意外な落とし穴があるものだ。

たしかに先生に嫌われて成績下げられて、
人生制限されるなんてたまんねえな!と思った記憶がある。

どこで生まれるとか、どんな環境で育つとか、
変えられないことに理不尽を感じることは
仕方ないけれど、どこにいたって苦労もある。

だから、手が伸ばせる範囲で
できることを変えていくしかない。

それしかできないけど、
それがいちばんできることでもある。


(おまけ)休学前のとがり具合はすごいです。


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