自分の遺伝子が入った子どもが欲しいと思えない

※これはあくまで個人的にそう思うだけで、誰かにこれが正しいと押しつけるつもりはありません。

ただ単純に、自分の遺伝子が入った子どもが欲しいと思えない。それがどうした？　最近まで、大した問題じゃなかった。

昔から恋人のまえで「子どもは欲しいけど、絶対に産みたくはない。養子をとる」とよく話していた。彼が旦那さんになることなんて、さらさら考えていないような口調で。

でも、恋人とこれからを話し合うにあたって、私と彼の問題として扱うべきことになってしまったのだ。

子どもの話。彼は「養子とりたい」という私の希望に対して「そうしよう」と言えない、と。だから、結婚の話も前向きに考えられていないのが現状だと。

私には、子どもを産みたくない理由がたくさんある。肉体的にも精神的にも生理的にも社会的にも無理だ。自分と似た要素を持つ人間を再生産するのも嫌だ。27歳くらいまでに変わるかなあと思っていたけれど、そんな兆しもない。

こんなこと言ったら怒られそうだけど、未だに妊婦さんのふくらんだおなかですら、こわい。

「妊娠してみれば案外変わるものよ」「生まれてきた子の顔をみたら、つらかったことも吹き飛ぶよ」「やってみないとわからないものだよ」

って、もう言われたくない。もしそうじゃなかった時、責任取ってくれる人なんて誰もいない。私は死のリスクをとりたくない。

すでに生きづらくて、もうギリギリなのに、どうして。

毎日泣いている私を知っているのに、恋人はなぜ私の命を危険（肉体的にも精神的(＝自殺)にも）にさらして、自分の遺伝子が入った子どもを望むんだろう。追い込むんだろう。私のこと好きじゃないのかな…（そういうわけじゃない！って何度言われても勘違いして落ち込んでしまう）

彼に聞いてみた。どうして自分の遺伝子が入った子供がほしいの？

「一般的にそうだから、そう思っているというのもあるのかもしれない。でも、自分のおじいちゃんとかおばあちゃんとか、家系を見てきて、いいなあと思っているから、それをつなげていきたい気持ちがある」と。

これがまた全然理解できなくて、つらかった。私は家族も親族も好きだけど、そんなふうに思ったことは一度もない。「目はお母さん似だね」「あ！　でも髪のくるくるはお父さん」とかのやり取りも、どうでもよくない？と思ってしまう。似てなくて全然いい。

親族が世を変えるくらい賢い人揃いとか、ありえないくらい顔が綺麗な人揃いとかなら、まだわかるけど。なんていうか、そこまで自己愛ないなあと思ってしまう。「血筋をつないでいきたい」とかって、自己愛じゃないんだろうけど。

自分の遺伝子が入っててほしい、血のつながりを大事にしたいと思っている人のなかで唯一納得できる意見があった。電通のハルオくん。

彼は昔、両親がどこかに行ってしまって、路頭に迷っていたところをおじいちゃんが助けてくれて、おじいちゃんちで育った。「血のつながりに助けられたんだよ」。
何かあった時、血が繋がってるからって理由で助けてもらえるかもしれない。ハルオくんにとってはセーフティネットだったわけで。自分の子にも、そのセーフティネットをあげたいんだって。うんうん。それならわかる。

自分の遺伝子入っててほしいって思うのってやっぱり一般的なんだろうか。もしそうだとしたら、私、誰とも家族になれないんじゃないか。確かめてみたくてとったアンケート。
母数が欲しくて、男女は分けなかったけど。（でも45票）（でもリツイートしてくれたやさしい人や回答してくれた人ありがとうございます）

日頃から疑問なんだけど、子どもがほしい人のなかで、自分の遺伝子が入っててほしいと思う人って大多数なの？教えて、子どもほしいと思ってる全ての人。

— konomi・×・ (@konomint_) July 19, 2019

意外と「自分の遺伝子入っててほしい」は60%。ほっとした。誰とも新しい家族になれない事態はまぬがれそうだ。相手のだけほしい人もいる。いいね。

自分のはともかく、相手の遺伝子が入っててほしいから、子供を産みたい！って人もいるのかもしれない。私はそう思えてないけど。それって恋人のことあんまり好きじゃないのかな…と思うとちょっとさみしい。違うか。違うと思う。（GOOD DADとGOOD GENESの話は今は聞かないよ）

そもそも「自分で産みたくない」のになんで「子どもがほしい」のか。それはチームで生きていきたいから。ひとりだと不安。転んだらおしまい。何人かチームの人がいたら、助けられるし助けてもらえる。苦手なことはお任せして、得意なことはやってあげよう。チームの人が考えることを共有しながら、生きていくのも楽しそう。日常のあれこれに対し「へえ、◯◯くんはこうやって思うんだ」「ああ、確かにね」「その視点があったかー！」とかって。(もちろん大変なこともあるけれど)

って考えると私の望みの根本はやっぱり「生きづらさを少しでも減らしたい」なのよね。だから、子どもを産むことで「生きづらさ」が増えてしまうようでは本末転倒なのである。私にとっては。

（もし私がForbes JAPANの世界の活躍する女性55人！みたいなのに選ばれるくらい社会的に優秀で、とても美しい肉体を持ち、人生余裕、特にやり残したこともないわ〜　私がつわりでつらくて仕事もできない時、旦那さんがいつも通り仕事して日々キャリアを積んでいってることに嫉妬？　いや、私のほうが圧倒的に上だし、嫉妬はないわ…の状態になっていれば、子どもを産めるのかもしれないけど。現世でその状態にはならないじゃん？）

自分で産まないくせに子どもがほしいなんて！養子は誰かがおなかを痛めて産んだ子なんだよ！などの意見は男性にも同じことが言えちゃうのでやめてくれ。

男は肉体的に無理なんだからしょうがないだろ。って？

うーん。でも私にも遺伝性の持病があって、妊娠すると症状は悪化するし、最悪の場合は死です。（母はそれで３人目の子を諦めている）私は母より症状がちょっと重いので、１人だって妊娠は無理かもしれない。

もし、身体的に「できない」んだとしたら、恋人はなんて言っただろう。「身体的にできないんなら、仕方ないね」だとしたら。

「心がどうしても拒絶する」は気持ちの持ちようなんだから、直せ。体が理由なら許す。っていうのがいつもつらい。心の病は病気じゃないんだから、仕事行けよ！っていう話みたい。

あの、妊娠が無理なのは、もうアレルギーなんです。身体的に無理だということと同等にみてほしい。お願い。私の本当に近くの人だけでいいから。

生きやすさのために戦うのはぶれてない。自分のためだけに戦ってごめんね。以前書いたこれのなかの一部。

養子とることについて、あれこれ言わない人で周りを固めたい。

変わってない。

恋人よ。別れちゃうのかなあ。「子ども？　将来的には産みたいって思ってるよ」って笑う女の子なんて、いっぱいいるもんなあ。「私とずっと一緒にいたい」より「自分の遺伝子入った子どもがほしい」気持ちが勝つ瞬間なんて、全然見たくないし、すごく苦しいだろうな。想像しただけで涙が出る。そんな悲しいことってあるかよ。

そのときは「子どもが産めないから恋人と別れた」っての書くね。でもまあ、そうじゃなくなって、ひとまずずっと一緒にいられることになったら、もっといいこと書くね。