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『30代カップル』が上手くいかない理由


先週だったかラジオで、仕事に行き詰まった30代男性会社員の相談に対して、ジェーン・スーさんがこのようなことを言っていた。

「自分の周りに限ってだけど、振り返ってみると30代の女は結婚する人/しない人、出産する人/しない人、海外行こうか、転職しようか、人それぞれだった。

ところが30代の男の人たちは、吸い寄せられるようにして仕事と自分を自己同一化していった。仕事で何者かになる、結果を残す、ということを自分自身の生存に近いところに置く。

これってとても危険。何故なら人生はそれだけじゃないから。30代のカップルはそれでなかなか上手くいかないし、40代で家族に見放されるオジサンは、いっぱいいるよ。」


これを受けて、私が勤めていた頃に限っての話を付け加えると、40代男性はそこまで仕事と自己を同一視しなくなるような気がする。体力にも、心境にも変化があらわれるのだろう。

当時の社内を見渡すと、大半は真面目な方という印象だったけれども、私の周辺には「家のママよりバーのママ」と夜のクラブ活動に忙しい人、会社の若い女性にちょっかいを出す、あるいは本気の恋をしてしまう人、英語の勉強と称してフィリピンに通ううち女性を連れ帰って再婚した人…などがいて、末路は多少違えど、そろって家庭はギクシャクしていた。

当時、こうした部長さん課長さんたちにたくさんご馳走になった私だが、内心「この人たち、早く家に帰ればいいのに、何してんの?」と不倫には興味がなく、適当に相槌を打っていた。一方で結婚に希望を見出せない気がしたものだったが、知らぬ間に免疫が付いてしまったようだ。

結婚から年数を待たずに夫から離婚したいと言われたことが何度かあったのだが、免疫があるから「あーはいはい、貴方もお馬鹿さんですね?」と動じない可愛げのなさだった。だってすでに1人産んでいたり、お腹に2人目の子が入っていたりしたから、悩むには忙しすぎた。

この状況で何を言い出すの?とスリッパ脱いで頭を引っぱたき、なんだかな、そもそもよく知らんやつと結婚したからだなーと言いながら月が満ちると、夫と協力して自宅出産した。うまく行くも行かないもない、なんとかこのメンバーでやっていくだけ、という感じで30代は過ぎた。

多分、2才年下夫のひとりっ子気質と、弟の扱いに慣れている私の長女気質も関係がある。男性はこういうもの、と諦めてしまっている私の思い込みもあるかもしれず、さらなる豊かさや、幸せを自ら阻んでいる可能性も無きにしも非ず。


さて私のような主婦だと、子供と自分を同一視してしまうかもしれないから要注意だ。働く母親だと、その辺りはバランスが取れるのだろうか。後になってから、一生懸命子育てしてきたのに、「子どもに裏切られた、私は悪くない」なんて言う母親にはなりたくない。でもそうなるかも。

家族に見捨てられてしまった男性も、家族のために真摯に働いてきただけに、何故こうなってしまったのか、本当の理由はきっと分からないままなのではないだろうか。

ジェーン・スーさんは悩める30代男性に答えて「仕事のやりがいがとか、自分の才能が、とかなんとか言ってないで、会社員である以上100点を目指さなくていいから、60〜70点を継続できる職人を目指せ。」というようなことを言っていた。

シングルでつい余計なことを考えてしまう時間がある人にも、家庭との両立が難しい人にも、家庭の主婦にも響くアドバイスだと思った。
まずは自分が同一視している対象を見極めなければならない。同一視してしまう理由は、また別の話。


素敵なイラストは500mlさま
ありがとうございます。

ありがとうございます(*´∀`*)





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