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後編「日日是好日 森下典子」感想文
お茶のレッスンを始めて受けた時、本で段取りを暗記して準備万端で臨んだ。暗記は得意だから余裕の気分だった。なのに、いざ道具を使うと流れに淀みが出た。道具を手に取り体を動かしながら「あれやってこれやって」と思い出していると、頭の中がごちゃごちゃになってスムーズにうごけなくなるのだ。
悔しくて、部屋で本を片手に何度もシミュレーションをした。これで大丈夫だと次のレッスンへ行っても、やっぱり詰まってしまう。手が止まり考え込んでしまうのだ。この本にもあるけど、お茶碗の向きとか、柄杓の角度とか、美しく道具を動かすことは実践で体に覚えさせるしかなかった。
なんとかスムーズに動けるようになると、今度は「指を揃えて。」とか、「手の高さはこのあたりよ。」とか、細かく何度も注意された。お茶を点てるのも、泡立てなきゃと必死になってシャカシャカしてたら「速すぎる。」と何回も言われた。これは、お稽古のあと友だちにも「どっぱやくてうけた!」と大笑いされた。
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