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20年ぶりのスラムダンク。仙道→桜木軍団への心変わり

先日夫の誕生日にスラムダンクの全巻セットを購入した話をnoteに書きました。その後、2日で全て読み終わった夫の「あー、やっぱりいい漫画だ!」という満足げな表情につられ、私も全巻読むことに。

私が言う必要なんて1mmもないのは承知で書きますが、本当にものすごい面白い漫画ですね。これを家の本棚におけることが幸せです。

私は連載当時まだ小学生だったので、おぼろげに残るスラムダンクの記憶は友人宅の漫画を読んだ中学生の頃のもの。
私が好きな登場人物は仙道でした。主人公・桜木花道が所属する湘北高校のライバル校で、神奈川の強豪校である陵南高校のエースプレイヤー。
天才と称されてゲーム中は大活躍する姿と、コートの外では遅刻常習犯で、いつもゆる〜っとしたテンポで飄々としている姿のギャップに憧れていたんですよね。

でも今回読み直して、全く印象が変わりました。
スラムダンクには才能きらめく高校生バスケットボールプレーヤーが数多出てくるのですが、私が心を動かされたのは主人公・桜木花道の中学校時代からの不良仲間である桜木軍団でした!

彼らは主人公の友人4人組で(水戸洋平・高宮望・大楠雄二・野間忠一郎)、バスケットボールは一切しません。他の才能もあるようには描かれていません。ケンカをしたりパチンコに行ったりする高校1年生です。

いや〜、これがびっくりするくらい真っ直ぐないい子達なんですよ。30過ぎた2児の母は泣きそうでしたよ。

中学時代からずっと一緒に不良をしていた桜木花道がバスケットボールに出会って、その才能を開花させていくのをそばで見ているわけです。
桜木花道がバスケ部に入部して一週間頃は「もうそろそろやめるころだろう」「アイツはマジメに部活にうちこむなんてガラじゃねーもんな」と彼らも言ってるんですが、どんどんのめりこんでいく主人公を基本は茶化しながらもずっと応援するんですね。

桜木花道は驚くべき身体能力で、バスケットを始めてからなんと3ヶ月でインターハイに出場することになります。そのインターハイ前に他のレギュラーは他校と練習試合を行う中、彼はあまりにシュートが入らないためチームとは離れシュート2万本をうつ個人合宿をすることになります。
1週間で2万本、つまり1日2857本。
腕はつらないの・・?文科系部活動しかしてこなかった私には想像ができません!

学校に泊まり込みながら行うこの個人合宿、桜木軍団の4人はバスケ部員でもないのに一緒に泊まり込んでつきあうんですよ。
そんなことできます?
自分と同じ世界にいると思っていた仲間が、情熱を傾けられるものを見つけてどんどん成果もだしていくのを近くで応援し続けるって。

私だったらできない。
なんで彼には見つかって自分にはなにもないんだろうと思って、卑屈になってしまうでしょう。でも自尊心が高くそういう自分を直視することもできずに「頑張ってね。応援してるよ。」と笑顔で言って、あとは距離をとるだろうなと思います。

友達をこんな風にまっすぐ応援できるんだったら、不良でもいい。もちろん親としてはすごく心配だけど・・・。
と男児2人の親になった私は思いました。

続編である「あれから10日後」では、彼らはこんな会話をしています。

「ヒマだな」
「花道の試合でもあればからかいに行けるのによ」
「・・・・・」
「おめーらもよう・・・・自分の何か見つかるといいな・・・」
「おめーもな」
「おめーがだ」

大丈夫、君たちならきっと見つかるよ!そのままで大丈夫だから、そのまま大きくなるんだよ!!と思わず言いたくなっちゃいました。

ここ最近甲子園とか箱根駅伝とか、自然と親の目線で見て涙ぐみそうになるのですが、まさかスラムダンクを読み直して桜木軍団に一番ぐっとくるとは思いませんでした。
年を重ねるって面白いです。

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