泡家
#バカの休日連休スペシャル
創作に関する覚え書きなどなど
はじめに小学校の頃に赤川次郎の三毛猫ホームズシリーズを読み漁り、徐々にミステリ沼にハマっていきました。人並み以上にはミステリを読んだつもりです。中には昔読んでたらミステリ嫌いになってたなぁとか、初めて読んだときはイミフだったけどミステリの文脈知ると面白いなとか、そういう本もあります。読む順番は非常に大事。というわけで、ミステリ沼に突き落としてくれるおすすめミステリをご紹介します。 ※とっつきやすさ、面白さに加えて新刊で手に入ることを基準に選んでいます 短篇部門――手軽に面白
day4はこちら ラスボスは梅田 朝の白浜を後に電車に乗った。窓全景の海がいたくきれいだった。一気に大阪まで辿り着く。こいつが曲者で、大阪→梅田の移動が本当に意味不明である。梅田に着いて歩いていたら気づいたら大阪に戻されている。トリックアートか? 結局梅田を諦め新世界へ向かった。 悲願のたこ焼きを食べることはできた。一方でたこ焼きを食う以外にやりたいことは新世界にはないので、道頓堀、アメ村へ向かった。多分休みの日に遊ぶべきところなのだろう、たいそう人が多い(平日なのに
day3はこちら 4日目。だんだん疲労が溜まってきたので朝はちょっとのんびりした。朝食のバイキングでこれ牛乳?と外国人に聞かれたからそうだよと答えたら、紅茶にドバッと入れててビビった。 三重か和歌山かで迷い、和歌山に行くことにした。こういうときは遠い方に限る。 突然の訪問 とんでもねえ野郎だなとDMを送りながら思った。突然和歌山に来訪して接触を求める神奈川県民、怖すぎる。 ありがたいことに会ってもらえるとのことだったので、シャカミスのレアキャラと対面しました。ラー
day2はこちら 閉じ込められたかと思った高山に泊まり、起きたらこれである。 この雪で電車は動くのか? と思ったが余裕で動いていた。 昼には名古屋に着いた。フォロワーさんと1日遊び倒すためである。そして先に言っておくと三食飯を奢ってもらった。本当にありがとうございます。 名古屋の古本屋を案内してもらいつつ、ひつまぶしを食べたり大須を冷やかしたり。 そしてミステリ好きなら言って損はない本棚探偵さんにお邪魔した。同行者の書いた暗号ミステリがあるとのことで、瞬殺して
day1はこちら 本懐を果たす岐阜まで来た。いよいよ墓参りである。 余談だが、祖父の墓の場所は元々知らなかった。近くのよく遊んでいた場所が「農業なんたらセンター」で、片っ端からそれっぽい場所をあたって調べ上げた。 墓の前まで来てそういばお供物がないなと思い立ち、コンビニを探した。ない。コンビニどころか自販機もない。大通りを長いこと歩いてようやくセブンイレブンに辿り着いた。遺憾である。 墓参りをした。最後に祖父母の家に行ったのは中学1年とかなので、実に10年ぶりの再訪
バケットリストという言葉をご存知だろうか。死ぬまでにやりたいことのリストのことである。首を吊るときにバケツを蹴ることに由来するらしい。もっと前向きなネーミングはなかったのか? 大学を卒業した頃からこのバケットリストを作り始めた。その中に、 ・青春18きっぷで旅をする ・祖父の墓参りをする この2つがある。今回はこれらを同時にこなすことにした。いざ死ぬとなったら悠長に在来線で旅をする余裕などないに決まっている。 先々を予測しつつタスクを効率的にこなす。社会人の基本で
大山誠一郎『アルファベット・パズラーズ』 街中で事件が起き、刑事が臨場する。ありふれた一幕に手がかりを散りばめ、パズラーとして成立させているのが良かった。堅実さの中にアクロバットもあり楽しかった。 福井県立図書館『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』 レファレンスカウンターに寄せられたクスッと笑える覚え違いタイトル集。図書館の仕事事情も覗ける一冊です。 マイケル・フィンケル『美術泥棒』 盗むのは自分が気に入ったものだけ。ナイフ一本でさくっと盗み、売ることもしな
電飾でときめく冬の心持ち 手繋ぐ相手がいれば💯 人生の謳歌率百パーぢゃんね そこのけそこのけぅちらがとぉる 年越しの3,2,1でジャンプしよ ごめんおれそば食べるからむり ことよろでまだ保てる縁途切れた縁 幸い君とは何卒何卒 幼年の地図は最寄りの路線だけ 小田急ラインで海の果てまで さっきから毛布みたいにかぶるけど 実はそれってジャケットなんだぜ 暖房もお役御免の晩冬が まるで世界の終わりみたいで
鬼太郎の誕生の秘密がついに明らかに! 時は昭和三十一年、名家・龍賀家の当主・時貞が死去。銀行員の水木は、次男・克典が当主になるのを見届けるべく、へ赴いた。しかし当主となったのは病に伏せていたはずの長男・時麿であり、直後、時麿は無惨な死を遂げる。一族が戦く中捉えられたのは、妻を探して放浪していた鬼太郎の父だった…… あらすじだけ見ると完全に横溝正史だし、展開もだいぶ横溝正史だった。連続殺人とか起きるし。 人間業じゃないような殺人が起きるので、まあ怪異が絡んでいるのでしょ
給料が入ったら○○買おう 今は栗を代入している 横浜のそごうはまだ手の届かない 階層化された褒賞たち ビビッドなオータムコートで夜道更かす イヴ・サンローランに敬意を込めて 夏ですら海を独り占めできない 冷たい水と囃子の長息 最大幸福は星を見ることと あいつとの電話と暑い風呂 眠気は帰ったみたい 常夜灯→真っ暗闇にしたとこなのに 夏と冬の幕間扱いだけど 命短し涼し秋風
問題篇 重國さんの遺体に近づき、改めてその死を悟る。勝手に触れるわけにはいかない。彼は、殺されたのだ。背中に滲んだ血、部屋に落ちた拳銃。殺人。 だが、私の目を引いたのはまったく別のものだった。重國さんが身体をもたれた机の上に、赤い線が見える。遺体に触れずとも、その全容は確認できた。 X。アルファベットと断言することが軽率なら、クロスする二本の線と言ってもいい。 死に際の伝言だろうか? しかし、意味するところは分からなかった……。 諫早駅に着いたのは一時十二分だった
帰路にてこれを書いています。メタメタな人間なので、物を書くたび「どう見られるか」を意識してしまって、忖度と怯えの混じった文にしかなりません。そんなときはやっぱり、お酒の力を借りるしかない。 シャカミスの集まりに行ってきました。大学にミス研がなくて、おまけにコロナで本格的にリアルの活動ができなくなって、そんな折出会ったのがシャカミスです(麻耶雄嵩『螢』の感想を漁ってたらたまたま遭遇したという…)。 周りにミステリ好きな人があまりいなくて、持て余していた超巨大感情を共有で
灰原ーーーーーっ!!!!! 劇場版名探偵コナン第26作にして黒の組織も登場してがっつり話に絡んでとかどうでもいいです。今作には灰原がいればそれでいい。 以下ネタバレ。 まず舞台と黒の組織の絡ませ方が上手いですよね。全世界の防犯カメラと繋がるパシフィック・ブイ。あろうことか真っ黒な正装でカメラに映った黒歴史を削除すべく、黒の組織のイツメンが動き出します。パシフィックブイ、「老若認証」の言葉が出た瞬間「幼児化組絶対殺すマン」にしか見えなくなってしまった。 組織に灰原
シャカミスに提出した犯人当て『魔術師を殺せ!』の解題、もとい覚書です。 以下全編ネタバレ。ぜひチャレンジしてみてください。 ①着想 タイトルはもちろん、ランドル・ギャレット『魔術師を探せ!』に由来します。『魔術師を殺せ!』という圧の強い題を思いつき、いつか使いたいなと思っていました。 しばらくして、藤本タツキ『チェンソーマン』を読みました。7,8巻の闇の悪魔編がお気に入りで、「チェンソーマンみたいなミステリ」を書きたいと思いました。その発想が『魔術師を殺せ!』というタ
一瞬の夏でした。ろくに出かけもしない夏休み、したのは読書とゲームとバイトくらい。創作やや行き詰まり気味。。。。 菊地暁『民俗学入門』 民俗学を「たべる」「きる」といった日常的な見地から紹介した良書。学問を丁寧に説明しているのはもちろん、ブックガイドの役割も果たしています。 青崎有吾『水族館の殺人』 再読。水族館で起きた殺人。容疑者たちにはアリバイが! とにかく見せ方が上手くて、ロジカルな本格をここまでエンタメに仕立てるのはさすが平成のエラリー・クイーン。 岡本真帆
前は上半期まとめとして出したのですが書きたいなと思ったので七月分をもう書くことにしました。 アンブローズ・ビアス『アウルクリーク橋の出来事』 死を詳細な筆致で描いた粒ぞろいの短編集。短いながらも鮮烈な印象を残すものばかりでした。お気に入りは「ジョン・モートンソンの葬儀」。 北山猛邦『少年検閲官』 書物が禁じられた世界を旅する少年クリスが遭遇する怪事件。世界観の構築とミステリの骨組みがしっかりとマッチした傑作です。 伊吹亜門『京都陰陽寮謎解き滅妖帖』 妖を滅する少