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「永遠」の場所へ

ローマは、イタリア旅行の最終目的地だった。

「水の都」ベネチアから「屋根のない美術館」フィレンツェへ。

そして「永遠の都」ローマへ。

その旅の一番の目的地はフィレンツェ。

私の中でローマは、おまけのようなものだった。

ひとまずホテルにチェックイン。

受付で観光マップをもらい、ロビーのソファでだらだら。

「これがほんとの『ローマの休日』かな」

なんて思いながら、とりあえずバチカンに行くことにする。

地下鉄に乗り、観光客や修道女の流れに身を任せバチカンへ。

真っ青な空と真っ白な雲の下、広大なサンピエトロ広場を埋める人々。

大聖堂に入るにはだいぶ時間がかかりそうだ。

無性に合唱曲『聞こえる』が聴きたくなり、曲を聴きながら列に並んだ。

順番が来て、120mの大聖堂のてっぺんまでひたすら階段を登る。

何かを考える余裕などなく、息を切らしながら黙々と。

そして。

無心で登りきったそこには「永遠の都」がどこまでも続いていた。



ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。