同担拒否の人は絶対見ないで
最近新たな「推し」事が増えた。
今まではひたすらあるゲーム実況者を推していたが、加えて表舞台で活躍されている方に心を鷲掴みされてしまった。
それはもう、がっちりである。息苦しいほどである。
そう、その名も「中村倫也」氏だ。
最初は苦手に思っていた。世界ギネス記録に載ってる?くらいの垂れ目に嫌悪感があった。
過去のわたしは垂れ目にいじめられでもしたんか??今となってはなぜそれほどまでに垂れ目を嫌悪していたのかは不明である。
推すことになったきっかけは実に不純である。
好きになった人が「中村倫也」氏に似ていたのだ。
ひえぇぇぇぇ単純!!!単細胞!!!これだから女って…
その「中村倫也」氏に似ていた彼はとても優しくて、話していてとても楽しかったし、何といってもわたしと共通点がたくさんあった。
LINEは1日1往復しかやり取りしなかったが、電話で話そうとわたしが言うと「ちょっとだけだよ」といいながら何時間も付き合ってくれた。
一緒にご飯を食べに行ったときもわたしたちの間には笑いが絶えず、ずっと一緒にいたいな~などと思ってしまった。
その後、彼の家に泊まり、次の日から連絡は取れなくなった。
そこから毎日わたしは自分の右手の拳を鎮めることに忙しかった。
事あるごとに、右手がじゃんけんでいうところの「グー」の形になる。
そしてワナワナ震える。
「鎮まりたまえ~鎮まりたまえ~」
これがこの頃ダークサイドに落ちていたわたしの口癖である。
すっかりわたしの右手が鎮まったところで、「中村倫也」氏と「中村倫也」氏に似た彼とを見比べてみた。
信じ難いことに、「中村倫也」氏に似た彼は全く「中村倫也」氏には似ていなかったのだ。
ん?????んんん?????
大混乱。
言ってみれば、髪型とあのゆるふわな雰囲気だけが似ていた。
それ以外は「中村倫也」氏の足元にも及ばない。比較するのも忍びない。あの頃のわたしを平手打ちして均等に綿棒で伸ばして一定の太さに切って茹でてさっとおろしポン酢でいただきたい。
『THE やんごとなき雑談』 中村倫也著
【こんな人におすすめ】
〇 売れっ子俳優って順風満帆なんでしょ?って思っている人
〇 コーヒーにはどばどばにミルクを入れて飲む人
〇 芸能人というのは自分にとってただの「偶像」だと思っている人
〇 日々移り変わる自分の感情に振り回されている人
〇 「親孝行」がわからない人
〇 「中村倫也」氏の描く独特な絵を見たことがない人
「中村倫也」氏に似た彼に捨てられたのになぜわたしはその元凶である本物「中村倫也」氏を推すことになったのか。
多分相乗効果である。
あいつは嫌なやつだった。だが、一方で「中村倫也」氏はかっこいい。
といった具合なんだろうきっと。
「アイドル」という言葉、元は「偶像」という意味なんだそうだ。受験勉強で学んだ。
「偶像」。
信仰の対象とする「像」。
そう、「アイドル」に中身は必要ない。
わたしたちに夢を見させてくれればそれでいいのだ。
じゃあ、人々に信仰されている「偶像」は「本当の自分」を殺さなければならないのだろうか?
あるはずだ。感覚が。感動が。思考が。感情が。
いつもにこやかにテレビの前で笑顔を向けている「あの人」にもあるはずだ。
なんだか飄々として見える「あの人」も「本当の自分」と「理想の自分」とのギャップに縛られ、もがき、苦しみ、それを表現しなければ、言語化しなければならないこともきっとあったんだろう。
苦く、重く、まるでコーヒーのような暗い感情について、「中村倫也」氏は自分自身の中で反芻しながらも独特の表現方法で柔らかくわたしたちに投げかける。まるでミルクのように。(おしゃれ)
とかわかりきったようなことを書いたが、全然わかってない。
わかるはずなんてない。
自分のことすらわかっていないのに、ましてやあの「中村倫也」氏のことなどわかるはずもない。
が、「中村倫也」氏の思考に少しだけ触れたことで自分の日々万華鏡のように変わる感情に目を向けようと思った。ちゃんと向きあおうと思った。
価値のある雑談で、価値のある「自分」になるために。
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