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小説

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記事一覧

隣の席、よいですか?

いつかの自分が変化に気づくための備忘録、兼日記。 今日は貴重な快晴の日。汗かくほど直射日…

こん
2年前
4

早朝のモノローグ

なんかいつもより早く目が覚めてしまって、でも「寝よう」という気持ちにもなれず、キンリミで…

こん
2年前
3

<掌編>眠くなるまで

 ライターが火を付ける音。しばらくして、香ばしくて苦いにおいが届く。  この間までは、バ…

こん
2年前
4

(掌編)僕は<僕>を分解することにした

 まずはゆっくり、自分を分解していこうと思った。  小さく小さく、素粒子レベルまで小さく…

こん
2年前
4

帰り道に、宇宙をみたはなし。

 眼鏡が無くても星が見える、と気付いた。  駅を出て、西へ進んでいく途中のことだった。  …

こん
5年前
7

月へのあこがれ

 9月に入り、台風の影響もあってか、肌寒くなった。  ついこの間まで「今日は蒸し暑いね」な…

こん
5年前
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2018.8.5 夢十夜/第三夜

こんな夢を見た。  つつじの甘い匂いに誘われて、帰りの夜道を寄り道した。  普段は通勤で使う道。大きな公園に沿って植えられたつつじは、満開だった。いつもはあまり気にしないのだけど、今日は月明かりに照らされた姿や、その匂いに誘われた気がしたんだ。  深夜の誰もいない公園へと足を運ぶ。  園内の少ない電灯に照らされたつつじを見て、つつじにも様々な色や柄があることを、僕は知る。  この公園は、昔はお殿様の庭園だったのだと誰かに聞いたことがあった。  地元ではゆるキャラになるほど

2018.8.3

花火 昔、祖母に連れて行ってもらったのは地元の花火大会だった。 人混みが嫌いな両親は、…

こん
5年前
5

2018.8.2 わたしの個体距離

 個体同士で一定の空間や距離を保つ「非接触動物」と呼ばれる動物がいる。鹿とか。  けれど…

こん
5年前
3

2018.8.1 夕飯前のアイス

 昼寝して、夕方に目が覚める。  時計を見ると間もなく18時半。日中、陽の光をこれでもかと…

こん
5年前
5

planet-5 01

「この間の怪電波、遠くの知的生命体からのちゃんとしたメッセージだったって話、聞いたか」 …

こん
5年前
2

2018.7.27

月没帯月蝕  かすかに聞こえる合成音声の中、ぶううううん……と雑音がスピーカーから聞こえ…

こん
5年前
4

2018.7.26

今日の終わりに。  今日も良い日だったと思う。  何より朝から調子が良かった。  いつもは…

こん
5年前
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2018.7.25 夢十夜 第二夜

 こんな夢をみた。  今日も暑い。気持ち悪い汗を、すでに汗で湿ったタオルで拭く。  地元の私鉄、無人駅の小さなホーム。気持ちばかりの屋根の下で電車を待つ。  暑さにも冷房にも弱い私にとって、今年の酷暑はまさに地獄も同然だった。外で5分も直射日光に当たれば間違いなく倒れるだろうし、室内に入れば容赦ない冷房と冷風でまた倒れそうになる。  駅まで徒歩15分。日光と、それを反射する青い稲が眩しいので、ずっと下を向いて歩いてきた。  駅の日陰で家から持ってきた水筒を開けると、すでに氷