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月へのあこがれ

 9月に入り、台風の影響もあってか、肌寒くなった。
 ついこの間まで「今日は蒸し暑いね」なんて話していたのに、出勤の時に羽織ものが一枚増えている。
 また、ここ一週間くらい雨が降ったからか、星も見えなかった。どんよりとした、地元特有の秋が来たのだなあ、と思う。

 今日の帰り道、南西の空低い所にさそり座を見つけた。
 もしかしてアンタレスか?と思いつつ空を見渡してみると、どうやらそうらしい。駅を離れ、街明かりが減ったところで、さそり座のS字が見えた。
 気付けば、星座解説の時にさそり座を紹介しなくなった。時間的に空低く、ちょっと紹介し辛くなってしまったのだ。
 まだ見えるんだ、と思いながら、今年はこれで見納めかなとも思った。
 アンタレスが毎日少しずつ、沈む時間が早くなっていく。私の仕事の定時は変えられないから、見られる機会は減っていく。
「また来年ね」と挨拶をしたつもりだった。
「毎日見えているはずなんだけど」と、文句を言われた気がした。
 でも、空が明るいうちは、地球からは見えないのよ。

 日中、地球の大気は太陽からの光を散乱させて、空を明るくする。そのために星の光は見えなくなってしまう。
 昼間でも月が見えるのは、月が地球とすごく近いところにあるからだ。
 今日は新月。明日からしばらく、昼間に月が見える日が続く。

 月では、太陽の光が当たる昼間でも星が見えるらしい。
 月にはほとんど大気がなく、太陽光も散乱しないから空は明るくならない。だから昼間でも星が見える。地球も見える。
 月は地球に、ほぼ同じ面を向けているために、「地球の出」「地球の入り」(日の出日の入りの地球版)は見られない。月面上を私たちが動けば、出来るけれど。
 だから月面からは、24時間で1周する地球の姿と星を見ることができる。

 月にも季節の星座はあるのだろうか。
 地球の周りをまわりながら、太陽の周りをまわる。その時に、さそり座はどんな風に見えるのだろう。

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