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東北紀行7日目

7日目の朝

曇ってる

お気づきの方も多いと思いますが、この旅行は2019年に行った話です。
それでどうやって詳細を書いているのか?ですが、
・GPSログを見てどこを通ったかチェックする
・Googleマップのストリートビューでチェックする
・写真のEXIF情報で時間を見て、地図のデータと照らし合わせて場所特定
これらを組み合わせて記憶を手繰りながら書いております。
2時間も書くと、かなり脳が疲れます。

さて、7日目の朝はどんより曇りからスタート。
今日の予報は曇り後晴れ。期待が持てる。
今日は秋田から山形へ、海から山への贅沢コースです。今日は先にルートを貼り付け。
350㎞14時間と言う長丁場。昨日短かった分が今日に来てます。高速乗って色々諦めればアッと言う間なんですが、それではつまらん。
さて、今日は何が出て来るやら。

340㎞

八郎潟ー男鹿半島

先ずは海岸線の大型国道101号線を南下。
ずっと並走してきた五能線とも離れ、能代に近づくにつれ民家もお店も増えて来る。
能代市は秋田県内で2位の都市であり、秋田北部では最大の街。
久しぶりにカラオケとか、ラーメン屋とか見た気がする。
能代大橋で米代川を渡る。川幅は広い。左側に白神山地の端っこが見える。
山地が白くなってきたら、この辺にも雪が降るのだろう。
市内は片側2車線になり、中央分離帯には大きな木が生えている。
もう、この雰囲気だけでも住みやすそうな感じ。
ここはバスケの街で、近くにある旧能代工業高校、現能代科学技術高校はあのスラムダンクのモデルだそう。好きな方なら聖地として訪れるのだろう。

道は郊外に抜け、名前も能代街道から男鹿街道に変わる。途端に直線道路ばかりとなる。高速道路の比ではなく、本当に何㎞にも亘って真っ直ぐ。
田圃に合わせて道が出来るのだろうけど、雪が深ければ真っ直ぐの方が運転の面で都合が良い様にも思える。
八郎潟の真ん中を走った事もあるが、ただ広大な田んぼと真っすぐな道があるだけ。農道は未舗装も多いので、オフロードバイクなら楽しめる。ただ、あくまで仕事用の道なので地元の車が来たら、大人しくしなければいけません。
今回は八郎潟の中は通らず海岸線へ。
この海岸線の101号がなかなかの曲者だ。さっきまで何も考えず対向車も碌に無くボヤっと走れたのに、急にややこしくなる。
ちょっとカーブだ、と思って交差点。右折が正解なので慌てて減速、安全確認とシフトチェンジ、再加速。油断すると別方向に連れて行かれる、Yの字の様な変な形の道だった。
さて、八郎潟干拓の歴史については皆さま学校で習ったかと思うので、割愛。昭和の時代と言うのは、こんな広大な所を干拓して田圃にしたり、とんでもない山道ですら全てアスファルト舗装にしたり、凄い時代だわ。
人の数=国力であると痛感する。

山中の小規模農業より、これらの広大な土地での大規模農業の方が最後まで残る可能性がある気がする。ドローンとか使えるし効率的と言う点で。
日本国内でこれだけの規模の田んぼが未だある事は非常に興味深い。

道沿いに日本海中部地震津波慰霊碑がある。小さい時の事なので、記憶はないがこの様な山が遠くて平野が続いていれば、被害は大きかったのだろうと思う。
そんな平野には、日本海の強い風を受けるべく風力発電が多数ある。
羽が回っている発電機が少ないのだが、先ず方向を向けるのに電力を使い、動き出すまでにモーターで動かし、実際の発電量はそうでもないと聞いた。
強風時ならいっぱい発電出来るのか?と言えばそうでもなく、余り強風だと壊れるらしい。
見た目には火力発電等に比べて美しいとは思うが、発電機としてはまだまだの改良の余地が大きい。
大型の羽が動いている下を通ると、その音は独特でちょっと恐怖感を感じる。
作っている途中も見かけたが、地上にいる羽はとんでもない大きさだ。
あれでは移動や組み立ての費用等、元は取れないだろうな…

原発を含め、東京を支える東北の発電事業は奥が深く、色々と考えさせられる。

旅感
日本海も青い
夏感

男鹿市に入り、国道からはセンターラインが消え半島に向かう県道55号に乗り換える。
男鹿温泉を越え、半島の先端「入道崎」へ向かう。

バイクに乗ると、全員が罹る病気がある。それは「先端行きたい症候群」だ。半島の先端に行きたくてしょうがなくなる。罹患率はほぼ100%。
一説に拠ると、バイクはバックの出来ない乗り物が故に、真っすぐ進みもうこれ以上行けない、と言う所まで進まないと気が済まないのだそう。
因みに、私は既に罹患済みだ。
後、もう一つ罹患率が高いのが「一筆書きルート作りがち」だ。
どうにも今来た道をトレースして帰る気にならない。どう考えても遠回りになるのだが、グルっと回って帰宅する。回遊魚的な感じ。
やっぱりバイク乗ってる人は、ちょっと感覚が普通の人違うのかも。

入道崎

さて、ここ入道崎はきちんと観光地化されており、大型バス駐車場やお土産屋と食事処が並んでいる。
地球が丸いと分かるくらいの広い水平線が見渡せる。
この時点で本日の旅程の1/6程度の60㎞、時刻は10時。非常にまずい。
これから秋田市内を通らないと。本当はポートタワーに行きたい、近くのうどん自販機も見たい。だったのだが、到底無理っぽい。
そう言う訳で、なまはげの写真も撮れず一路南下。
男鹿半島は南側の県道の眺めが素晴らしい。なまはげの像、ゴジラ岩、キングコング岩(…?)ウミネコ繁殖地などゆっくり1日掛けて見て回る価値あり。

秋田市ー鳥海山

地図上では県道56号は秋田市内手前の”海沿い”を走っているのだが、松林に遮られほぼ何も見えない。そして反対側はフェンスと風車しかない。
多分、国道7号に出た方が変化があると思う。
シーサイドドライブとは程遠いのでお勧めしない。
フェリー乗り場や、コンテナ港などがあるのでトレーラーばかりで小さなバイクで混じるのは怖い。
もう解体されたらしいが、少し前まで錆錆になって放置されていたブルートレインがあった所。
子供の頃はまだたくさん走ってた時代だったけど、どんなにお願いしても乗らせてくれなかったなぁ…ウチ貧乏やったし。
秋田は思ってる以上に都会です。はい。
国道7号をいいペースで下って行くと、珍しくお昼時に道の駅「岩城」だったので停車。天気も良いので名物「ハムフライバーガー」を。

名物

AKBだか、乃木坂だったか誰かが推してます!みたいの書いてあったが、興味なくて誰だか忘れた。美味しかったですよ。

寒いからか、7月末で燕の子はまだこんな感じ。
都会で子育ては天敵少なそうだけど、餌の虫は少なそう。
反面、この辺りだと餌は豊富だけど、蛇とか天敵が多そう。
親も場所選びが大変そう。

次は絶対俺がエサ貰う

ここは砂浜もあって、ビキニのお姉さんで目の保養が出来ました。ありがとうございました。
ゆっくり走りたい(ビキニのお姉さん見ていたい)のはやまやまだが、いかんせん時間がない。
無料区間の仁賀保から象潟まで高速に乗り、距離と時間を稼ぐ。
鳥海ブルーラインを走りたい!ってことで降りた所で雄大な景色に感動する。

いや、もうたまらん
実写版ぼくのなつやすみ的光景
もうたまらん2

こんな所が日本にあるとは想像もしてなかった。
長期休み=海外行かなきゃ!勢にもちょっと反省して頂きたい。スケール感も違うし、まだまだ日本は奥深いのだと、これ見て感じて欲しい。
写真で見返しても(*´Д`)ハァハァしちゃうくらい、いい景色。

さて、見とれてジッとしてる訳にも行かないので、登りにかかる。

絶景

高度を上げて行くと、どんどん涼しくなる。
五合目鉾立で一服するも、雲が流れてくると一気に水滴が付き寒くなる。
この辺りはさすが東北の山だなと、感じる。

実はまあまあ強風

展望台も近くにあるようだが、今日は時間がないので取り敢えずここで満足とする。鳥海ブルーラインは走りやすさも当然だが、南北に入口があって旅の途中に寄りやすいのがまた良い。
だんだんと植物が極寒地域から関東に近くなって行くのが少し寂しい。
一旦海沿いに下山し、国道7号から344号に乗り換える。

肘折温泉

今日の宿に向かう。遊佐に降りた時点で既に15時。給油やコンビニ、途中の水分補給などを考えても、まあまあタイトなスケジュール。
因みに、340㎞の予定と言うのは、大阪からなら静岡市くらい。東京からなら愛知県刈谷市までとなります。これをほぼ下道で、朝から夕方までのタイムリミットで走ります。
本来は観光したり、飯食ったりしてる場合じゃないですよね…

何だか、「遊佐」って響きが好き。
苗字にもあるし、どこ出身?遊佐。って言うのも何だか憧れる。
その音だけで良い所感がする。
さて、その遊佐から離れて、国道344号に乗り換え平野から山道へ。
こう言う状況でも400㎞は走れるタンクのお陰で、スタンドを探して遠回りをしたりの必要が無いのは心強い。
国道を走っているが、周りに人気はなく携帯の電波もなくなる。反面、取り締まりの心配もほぼなくなる為、余り褒められない速度で走れる。
途中、「蟻喰羽前豊里停車場線」と舌を噛みそうな県道を通り、一瞬奥羽本線とランデブー。こんな所を大昔は、ブルートレインのあけぼの(上野⇔青森)が走っていたのか…
本当に失礼ながら、とんでもなく田舎の単線だし、カーブもきついのに電気機関車で、十数両の客車を引いて吹雪でも走らせていたとは。
スッと快適に、何事も無く移動が出来る現代はとても便利。旅程もめったに狂わないし。
ただ、その困難さを乗り越えて、たどり着いた時の旅情は今では味わえない。どこも頑張らない旅はどこか物足りない。記憶に残らない。

日本全国、国道の400番台はとんでもない道が多く、四国の439号、和歌山の425号など凡そ普通の人が国道としてイメージしている道とは大きく異なる、俗に言う酷道になる。1車線は当たり前で、初心者では無傷で生還できない所が多い。
そしてここからはその400番台、458号に入る。初っ端から、当時の街道サイズの道幅スタートで新庄近くを通り、南下。
もう17時だが、峠を良いペースで走れたのもあって、「四ヶ村の棚田」と看板を見つけてしまって立ち寄った。
仙台ナンバーのご夫婦が車中泊で旅をしていると、話しかけられた。
今日はここで、このまま泊まるとの事。
以下、下手な写真を数枚どうぞ。

棚田
東屋
美しい棚田
明朝咲きそう
誰そ彼時

何とか夕食の時間にも間に合いそう。
有名な肘折温泉に到着。
美しい日本の山間温泉。きっと冬は冬で雰囲気があるのだろうな。
酸ヶ湯が有名だけれども、この雰囲気をきちんと売り出せば、きっと外国人にも大うけだろうと思う。
ただ、静かにきちんと味わってくれる方々だけが訪れるとは限らない。
詫び寂びとは無縁の方々だと、何もないから酒飲んで騒ぐだけだと思う。
そうすると、元々のお客さんは離れて行くし、バランスよく売ると言うのは本当に難しい。
そもそも、この様な雰囲気のある場所に多言語対応の看板とか、風情を壊すだけだし、ハードルが高いくらいでちょうど良いのかも知れない。

肘折温泉
美しき日本の温泉


今日は旅館に予約を取ってある。部屋は道路に面した和室で旅情たっぷり。
部屋にエアコンなくても、日が陰れば涼しい。
熱中症気味だったので、温泉はサラッと入る。ちょっともったいないけど。

夕食は座敷が良いか、テーブルが良いか聞かれたので、テーブル指定をしたら畳敷きの客室に、座卓を二段重ねて椅子が前に置いてあった。
とてつもなくバランスが悪くて、ぐにゃぐにゃするし食べにくい…
お気遣いありがたいけど、個室で独り黙々と食べるのも何だか侘しい。
広間で座敷にすれば良かったなぁ。
朝は座敷でとお願いしておいた。

そう言えば、「これください」と「ありがとう」以外に長らく人と話してない。一人旅が長いとあるあるの話。
料理もたっぷりと出してくれて、ビールも一本飲んだらもう眠たくて、あっという間に就寝。
食後にちゃんと風呂入ろうと目論んでいたが、熟睡。
まあ、仕方ない。
だが、早寝のお陰で明朝はちょっとご褒美あった。

8日目に続く


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