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なみ
2021年7月12日 00:00
たどり着いたのは、大きなビルに挟まれた、ひなびた細いビルだった。「高田ビル」とレトロな字体の看板があった。「ここだね。」岩城が扉を開ける。浜口と南が後に続いた。「事務所は·····6階だね。」岩城が入ってすぐのエレベーターのボタンを押す。扉が開いた。6人乗りとあるが、3人でいっぱいだ。「6月22日給湯器のスイッチが入ったままでした。火災につながるので、退室前に必ず火元の確認をして下さい
2020年11月5日 12:58
朝7時駅を出てすぐのコーヒーショップに入る。年配の男性が新聞を読みながら朝食をとっている。ミカもパンとコーヒーを注文し、窓側のカウンター席から、朝日が差し込む白いビルを眺める。地方の会社から東京へ出向してきて1か月。地元では、仕事前にカフェで朝食なんてありえない。とても新鮮な時間だ。会社の時間を気にしながら、20分くらい本を読む。満員電車に耐えられず、少しでも空いているほうがいいと
2020年11月20日 12:51
かみ合わない現場だった。ひとりひとりは、性格も穏やかで、知識もあり能力も高い。しかし、ちょっとした連絡事項が、全然、現場全体に伝わっていない。所長は、鋭い目つきで立っている。がっしりした体格。アメフトか何かしていたのだろう。大きな工事現場をまとめるには、あれくらいの迫力がないといけないのだろうか。ミカも、この工事現場に、監理として出入りしている。設計図どおりに施工されているか、鉄筋本数を