見出し画像

いつか一人で銀座を歩く

私の父は趣味で油絵を描いている。

人間の顔をモチーフとした絵が多いのだが、風景画や動物、静物画も描く。幼い頃から両親に連れられ、たくさんの美術館に足を運んだ。

小さい頃にたくさんの作品に触れられたことは私の心をとても豊かにしてくれたように思う。

小学生の時、父の知り合いの画家さんが銀座で個展を開催するというので、家族で見に行った。たしか2度開催し、1回目は銀座4丁目、2回目は銀座1丁目だったように記憶している。

2回目の個展を見に行った時、開催者である画家さんと少しお話した。内容はほとんど忘れてしまったが、強く記憶に残っている言葉がある。

「銀座を1人で歩けるようにならなきゃだめだよ。」

話の脈絡やどういう経緯でその言葉をもらったのか全く覚えていないのだが、その言葉だけ何年もたった今でも忘れられないのだ。

当時の私にとって銀座という街は、”洗練された大人の街”というイメージだった。そのイメージは今でも変わらない。

当時小学生だった私は、今や大学生である。両親に守られているのは変わらないかもしれないが、少しずつ自分の裁量で決められることも増えたし、社会に触れる機会も多い。自立した大人になるのにもあと一歩というところだ。

銀座を一人で歩けるようになるためには、経済的自立、精神的自立、物理的自立が必要だと思っている。銀座の街を颯爽と歩いてみたい…。

幼い頃、画家さんから言われた言葉を実現できるように自分を磨いていきたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?