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学生をサボらずにちゃんとやる

3月から6月まで家庭教師事務所の事務のバイトをしていた。去年の7月から茶屋街の料亭の接客のバイトをしていたのだが、コロナの影響で今年の3月から休業してしまったので、そのバイトの代わりに…という気持ちで始めた。

この二つのバイト以外にも、単発で試験監督のバイトやイベントの手伝いのバイト、短期の教科書販売のバイトなど、たくさんのバイトをした。

コロナの影響で、春休みの予定もほとんどなくなり、授業の開始も遅れたので、3月4月は平均週5で出勤していた。社員並みに働いていた。OL体験といっても過言ではないくらいだ。

事務のバイトをしてすぐに気づいたことは「思ったより電話がかかってくる」ことだった。毎日いろんな所から電話がかかってくる。本社、家庭、先生、業者、従業員などなど…。全てしっかり用件をきいて、上につなぐべきか、自分で対処して後で報告すべきか、瞬時に判断し、対処しなくてはならない。

報告の仕方も工夫しないと、なかなか相手に伝わらない。報告が上手くできなかったり、怠ったりして上司に厳しく叱られたこともあった。「どんな職業に就いたとしても、上にきちんと報告ができないと難しいと思うよ。」と言われ、すごく心に響いた。

将来、医療従事者である自分が報告を怠ったら、どんな事態を招くかは、今なら容易に想像できる。とても大事なことを学ばせてもらった。ホウレンソウ(報告・連絡・相談)については、よくビジネス本などで目にしたことがあり、その重要さはよくわかっているつもりだったが、いざ必要な場面になるとなかなかできないものだなと実感した。

事務の仕事は、電話対応以外にもたくさんある。派遣する家庭教師を選考したり、家庭教師の研修をしたり、来客の対応をしたり…とどれも対応力と気遣いと頭を使うことが大切だ。

「自分のやっている仕事にどんな意味があるのか考えながら仕事しないと、仕事をしている意味がない。」

上司に言われたこの言葉はどんな仕事、職種にも当てはまると思う。自分は、社会についてよくわかっておらず、今まで自分のことしか考えていなかったんだなと思い知らされた。全体を見て、自分の立ち位置や、やるべきことを把握して、事務所全体としていい流れが作れるようにしないといけなかったんだなと今になって思う。

短い期間ではあったが、とても良い社会勉強になった。今まで、「勉強することが偉い」という価値観のもとに学生生活を送ってきたが、今回の体験をふまえて改めて「勉強できることは幸せなことだ」と実感したと同時に「自分は今まで優しい世界で生きてきたんだな」と思った。

連勤中、「大学生活が恋しい…。」と何度思ったことか。「大学の図書館に行って本が読みたい、早く講義が始まって欲しい、友達に会いたい、部活したい。」バイトを辞めて、本格的に講義が始まってから、なんだか一旦社会人になってから、また大学生に戻ったかのような感覚に陥った。不思議な感覚だった。

このバイトを終えてから、より一層大学生活を大切にしようと思えた。

技術は後からでも身に付くが、根本的なものの考え方や教養を身に付けるのは今しかないと思う。もちろん生涯にわたって身に付けていくべきことだと思うが、今が一番時間のある時期で、伸びる時期ではないだろうか。

学生の本分は勉強であるので、講義をしっかり受け、単位を確実に取得し、部活に全力で取り組む。学生生活をちゃんと謳歌したら、社会人として社会に貢献する。

中途半端が一番いけないと思うので、今はちゃんと学生でいようと思う。無理して大人になろうとしなくても、目の前のことに全力で取り組んで、やるべきことをやっていたら、いつの間にか立派な大人になっているんじゃないかと思う。(なっていて欲しい…。)

これから、実習が多くなり、前期で延期になった演習科目が、後期にたくさん入っているので、おそらく継続したアルバイトはもうできないと思う。

しかし、今までやってきたどのバイトよりも辛くて、たくさんのことを学ばせてもらったこの事務のバイトで、学生のやるアルバイトとしては十分やり切ったと思っている。

今は、学生らしく自由にいろんなことを学んで、部活を思いっきり楽しんで、実習や演習に真剣に取り組んで、旅行したり、遊んだりしてたくさんの思い出をつくろうと思う。何の未練も残さないように。




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