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税理士試験に合格した元エンジニアが振り返る資格と転職 その2 日商簿記2級編

1.前置き

前回日商簿記3級に合格したという話から、その数年後、2級を目指すことになります。
※難易度上がる前の2級です

経理やそれに近い職種で2級が推奨される話がよく聞かれますが、
個人的にはできるだけ多くの人が受けるかそれに近い理解はあってもよいと思っています。
なぜか?それは企業の構成要素(ヒト・モノ・コト)の動きにはすべてお金が関わるから。

原価の構図を知るだけで世界が広がります。
自分がものづくりの業界にいたからというのもありますが、ものをつくる業界に関わる方々にはホント知ってほしいです。マジで。
ものが売れていかに自分の給与に反映されるか、
その過程を理解するだけでも変わるものは多いと思います。

今回は資格をいかに積み上げるべきか、
職場の事情や未来を考えた時の切実な事情も踏まえてお話したいと思います。


それではまいりましょう。


2.日商簿記2級 受験と効果

(1)実は変わり始めていた

前回、落ちるんじゃないかというトラブルを乗り越えて3級を勝ち取りましたが、
その時点ですでに変わり始めていたことがありました。

それは、時間の使い方。

以前はゲーセンに足しげく通う筋金入りのゲーマーでした。やっていたのは音ゲー。(ビーマニとかあんなやつです)
しかもスコア狙い(高得点やパーフェクト狙い)。
単に数回遊んだら帰るみたいな話ではなく、やり込みタイプ。何回も何回もお金を入れては"今日はこの曲を潰した(満点取った)"とか繰り返していました。

時にはメダルゲームをやってたことも。
でもその時に気付きました。
これ、時間をすごく無駄にしていると。
その気付いた時期と簿記3級に取り組み始めたタイミングが同じくらいだったように記憶しています。
実は以降のゲーセン通いはほぼなくなりました。

今でもスマホのゲームも含めほとんどやってません。
これは間違いなく税理士試験の影響です。
遊ぶ時間よりは理論の暗記、
試験が終わった今でも遊ぶより知識を入れたい。
誘惑を振り切るか振り切れるかではなく、
新たなもので生活習慣を上書きする
それも一つの方法かと思います。


(2)日商簿記2級、やろうというよりやらねばという事情

3級合格以後、特に続けての学習は進めていなかったのですが、ここに一つのきっかけが。

勤めている会社の経営危機

会社の細かい話は一旦伏せておきますが、
このままの会社勤めでいいのか、
もっと資格などを積み上げた方がいいのではないか、
そんな危うい感覚に従うまま、これまで勉強していた簿記の上位版として日商2級の勉強を始めました。

それなりにやるべきことをやらねば、という感覚でしょうか。
どのように役に立つかは分からないけども、
今できることはやる、という思考ベースで走っていたような気がします。
この時の年齢、たしか30歳くらい。

そして、テキストは相変わらずTAC出版。

テキストが2冊に増えてそれらしくなってきました。

商業簿記と工業簿記に分かれてくるんですよね。
工業簿記を苦手とする人も割と多いと聞きますが、私は逆でした。
なにせ製造現場を見ているから。
この点は個人的にだいぶプラスで働いていたと思います。
理系も悪くない。なので、理系の方も、日商は取れるので取りましょう。


(3)合格したけども、実はそれ以上に大きな収穫

2級になって確かに難易度は上がり、
3級のとりあえず数字を埋めようという辺りから、
それぞれの意味(例えば”原価”は損益計算書上どういう意味を成すのか)、
分析の計算過程など、
理解を必要とする項目が増えた気がします。
取っ掛かりは少しストレスがかかりますね。

ただ、それもじっくり勉強しようではなく、
次の試験開催日で合格したい、
という意志の下でやっていたので、折れずにスッと進みました。
勉強する過程で折れる折れないの分岐はきっとここにあるのかもしれません。

最初は分からなくても、
苦行の瞬間が出ても、
とりあえず取り組めるか、
一歩ずつでも歩みを止めず先に進めるか。


こういうことだと思います。
実際、合格の事を考えると何度も解いて擦り込むのが一番早いんですよね。

ここは税理士試験に通ずるものがあります。
※税理士試験は苦行のハードルが高い。。

しかも工業簿記を進めて大きな収穫だったのが、

・原価の積み上げ過程が理解できたので、実際の製造原価の理解に繋がる
・何をいくらでどれだけ売ればいいかの商売の根底が掴めるようになる
・実際に製造ラインを流れる過程と原価の積み上げがリンクする

仕事と資格勉強が繋がった瞬間でもありました。
しかもかなりリアルな感覚で。
結果、試験は難なく合格。
また一歩進みました。


3.今振り返ると別のものも見えてきた

(1)次のステージ

当時図書館で勉強する時、一応図書館の書籍を利用しながら学習を行うという建付けだったので、簿記に関わる書籍を持ってくるなどしていました。
場合によってはそのまま借りて帰って読むことも。

簿記の本なので、近くには似たような書籍も並んでました。
・税理士
・公認会計士
この時初めてこの資格を知ることになりました。
”こんな資格・仕事があるんだ”という感覚です。
ここから転職まで残り4年。まだこの時点では転職なんて思ってもいませんでした。

同時に会計という資格にはまだまだ先があることも理解し、
既に視点は日商1級を向き始めていました。

(2)今だから見えてくるリスキリングとの関係

当時は単なる資格の取得という範囲でしたが、
結果として自分が新しい分野を見つけるきっかけがここから始まっています。

今、世間ではリスキリングという言葉が飛び交っていますが、
みなさんはどのように受け止めていますでしょうか。
現状の仕事+αの範囲であれば資格の取り方・ジャンルもそれに近い部類になりますし、
私のように別のきっかけで全く違う方面に向かうこともあると思います。

この分野の話に足を突っ込むと更に長くなりそうなので、今回はここまでにしておきますが、
異なるジャンルの知識を組み合わせることでの効果は、実は思わぬ形で発現することが、実際の自分の事例を通して見えてきます。
どのような効果があったか、次回以降でも徐々に触れていこうかと考えています。今回は一旦ここまで。


次回、日商1級編へ続く

※後日加筆修正があるかもしれません

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