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資格とキャリア開拓 現実と現場感覚

先日、Yahooの記事でリカレント教育について扱っていました。(リンク貼っておきますが、そのうち消えるかもしれません)

記事の中では、

・社労士という難関資格を取ったのに、独立しても収入UPが図れない

・将来への不安のために資格を取るのではなく、今の仕事の変化に対応するための資格であるべき

・資格の有無を基準とするのではなく、対価が生み出せるかの視点で見るべき

といった話の展開がされていました。

スキルの習得によって今後の人生が良い方向に変わるという期待はあれど、資格取得=収入UP ではないという事を率直に斬った印象です。

大筋は同感なんですが、
実際に資格を取得する側として何に注意すればよいか、もう少し突っ込んで考えてみることにしました。

資格取得とその後のキャリア開発を私の実体験を基に展開し、それが転職含めこれをご覧になる方々のご参考になればと思います。

(こんな事以前に自己紹介書くべきな気もしますが、それはぼちぼち書いてみます)


それでは、まいりましょう。


1.異分野への転職は収入を劇的に下げる


おさらいになりますが、
私は現在税務の世界に身を置いてます。
その前は某メーカーで設計の仕事をやってました。

ほぼ関連の無い異分野への転職です。

転職のタイミングも悩ましい部分はありましたが、

前職在職中に簿記論と財務諸表論を合格したタイミングで転職を決意、
様々な所の採用に申し込みました。が、

提示された給与は転職前より相当のダウンでした

半分…いや1/3近くになったかも。


考えてみたら当然なんですよね。

業界の事を分かっているわけでもない。
新卒との区別もできない。
下手すると仕事もちゃんとできないかもしれない。

雇う側からすると完全未知数なんです。


これは、私が今採用の仕事もやってるから分かる話でもあります。

その人が仕事ができるかどうか、
採用してみないと分からない。


そこに人件費を多く叩けない、それが企業の率直な感想だと思います。


2.人件費の源は何か


事業をされている方はピンと来るかと思いますが、
勤め人をされている方はこの話題をあまり考えたことはないと思います。

単刀直入にいきます。


人件費の源は"売上"です


PL(損益計算書)をサンプルでも、企業のIRでも、
開いてみましょう。

一番上に来るもの、必ず売上です。

結局売上が伴わないと人件費や他の経費がこなせないです。


言い換えると、

売上(≒自分の人件費)が確保できるほどの能力があるか


転職の際に、業界未経験者が評価されにくいのも、
その人が売上を伴うかどうかが想定しにくいのが
一番の原因かと思います。


転職して収入UP!

みたいな広告が踊る現状は、
同業種での転職には当てはまりやすいと思います。
理由は同様。

売上への寄与がイメージしやすいから。

企業が大きくなり、間接部門が増えるごとに、
そのイメージがしにくくなりますが、原則は変わりません。

いかに売上の増加に寄与できるか

ここが一番のポイントです。


3.資格を取る目的・その活かし方


ここまでくると先の社労士の話もおおよそ理解できるかと思います。

売上をどう作るか、実務能力を含め、その視点が根本的に抜けている

というのが記事の中に書いてある話とリンクする形で一つの結論になるかと思います。


ただ、肝心なのはこれとは別にあり、

資格を取るだけではお金にならないと思われるこの話なんですが、
実体験として別角度があるのも分かりました。

例えば私の事例。


ガチのエンジニア→税理士試験合格(あとは登録だけなんですが)
というキャリア、なかなか存在しないです。
そのおかげもあってか製造業に関しては無類の強さを発揮します。
単価やリードタイムなど、現場感が手を取るようにわかるので。

ここまで踏み込んで話をできるのは自分ならではと僭越ながら自負する部分はあります。


結果として、月次巡回を行う担当として積極的に要望を受ける立場に変わってきます。ある種の指名ですね。
こうなってくると売上(顧問料)としても自分と関与先、お互いに価値のあるやり取りとなってきます。

冒頭の収入も、数年かけながらV字で回復させました。


転職する前には気付かなかった話ではありますが、
異種の経験を重ねることで他の人が気付かない事に気付くようになり、
それは逆に強力な武器として化ける結果となっています。


そのため、資格はそのまま単体で取得するだけでは効果が薄く、

経験と能力と資格を何重にも重なるように積み上げることで、
他の人とは違う特徴・個性が身に付き、
結果として収入を得るための基礎が積み上がる

と考えています。

資格もM&Aと同じように外から取り入れる知識と経験です。
取得した後に自分の中で相乗効果を生み出すことが
最も有望な解決策ではないでしょうか。

みなさんはその資格によって個性をどのように表現していますでしょうか。
そこがキャリア開発のための一つの切り口だとも思います。


最後に、

休日にスタバなどのカフェに向かえば資格試験の勉強をやっている人など多くみます。
何を取るのか、取った後に何をするのかは分かりませんが、
一生懸命頑張った結果として取った資格は、
活かし方・知識の結び合わせ方によってその価値も変わるのではないかというのが私の持論です。

正しく頑張った努力はどこかで実を結びます。
私はこれからも資格試験に勤しむ人を応援し続けていると思います。
がんばれ受験生。

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