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税理士試験に合格した元エンジニアが振り返る資格と転職 その1 日商簿記3級編


1.前置き

前回、税の話に触れるとしていましたが、
一旦横に置いてリクエストに答えた記事を書くことにしました。

その理由、実は自分の出自にあります。

おそらく長編になりそうで、複数回に亘って記事を書いていきます。
その理由を書き出しても長いんですが、

理系一筋で育ってきた製造業エンジニアが、
株などに対する興味本位から
日商簿記3級を勉強し始め、
資格取得と共に趣味が変わり、
仕事まで大きく変わり、
そして税理士試験まで突破した

というたぶん巷ではあまり見ない話に繋がっていきます。

最近はリスキリングやリカレントという言葉が認知されていますが、その元祖とまでは言わなくても、
異なる種類のスキルを重ね合わせた結果、他に真似をされにくい深みある人生になってきたと自負はしております。

途中、いろんなものを犠牲にし、文字通り人生をかけて取り組んだ資格取得ですが、
会計の"か"も無いゼロの状態からゆるく資格を積み上げた経緯と転職・人生改革の過程を参考に、皆様のキャリア形成の糧としていただければ幸いです。

それではまいりましょう。

2.きっかけ・行動に移るまで

(1)保険のお姉さんと投資

前職は某メーカーで技術部に所属していました。
家電の設計を担当してて、退職するまで技術部の範囲に限らず、
いろんなものを経験させてもらいました。
そんな私がなぜ会計に触れるようになったか。

ある程度の規模がある会社にお勤めの方であれば心当たりがあるかと思いますが、前職時代は社員食堂に保険会社のお姉さんが毎日訪問されてました。
わかりやすく、保険の勧誘です。

保険に入ること自体みんな自然とやることなんですが、個人的にどうも引っかかったのが、個人年金の保険でした。
リターンの金額、保険料控除の話があるにしても30年運用でこんなリターンなのかと。

いくつか運用例を拾ってきました。

保険会社A 35年払込み 返戻率105.6%
保険会社B 35年払込み 返戻率105.3%
保険会社C 30年払込み+据置5年 返戻率109.7%

だいたい見てて10%いかない範囲。

ここで思ったことが2つ。

①これだけ時間をかけて運用した結果がこれだけのリターンなのか?
②保険会社が運用して得た利益の一部はお姉さん達に流れてるよな

②の具体的な中身は知る由がないですが、今この立場で思うには、運用益の一部が人件費と保険会社の経費として流れていないわけがないとは思います。

結果、当時の自分が辿り着いた思考、

自分で運用する方法を探ってみたらよくね?

単純にこの一言に尽きます。

幸運にも、職場にて顔を知る範囲で株式での運用をやっている方がいて、どうやって資産を増やすのか聞いたことがありました。
もう遠い記憶ですが、
・四季報を読んでる
・○○という銘柄などで利益出してきた
という話はあったと思います。

ただ、四季報を読むにも、取引を行うにも、
経験も知識も無く、どこから取り組めばよいのか、
とりあえず会計に関して何も把握できない状態は変えねばと感じることが多かったです。結果、

そうだ、簿記を勉強してみよう。

と思い立ったのが20代半ばの頃だったと思います。


(2)日商簿記3級を受験

早速テキストも買いました。
確かこれだったと思います。

資産☀️ 負債☔️ みたいな表現が今では懐かしい。。

自分自身、家ではあまり勉強できないタイプの人だったので、
(どうしてもゲームやPCなどに興味が向いてしまう)
スタバやコメダなどでコツコツとやっていました。
※その傾向は税理士試験を受ける頃も変わっておらず、カフェの他に学校の自習室も活用し、理論暗記のために電車時間や昼休みも活用していました。

今でもスタバなどに行くと本を開いて資格取得に向かう人も多いですね。
それを見るたびに”がんばれ受験生”と思ってしまいます。

当時、実際に簿記に触れた感覚は、会計を理解するというより仕訳のルールを覚えていくのが中心。
3級は個人事業レベルなので純資産なんて概念も出てきませんでした。それでも、ひたすら解いて頭に叩き込んでいました。


(3)試験当日

たまたま同じタイミングで日商簿記を受けようとする友達と共に、近所の商工会議所のような所で受けに行きました。

解いた感覚、今でも忘れません。
こういう検定試験は変な問題が出ることは少ないかと思うのですが、
個人事業者の合計試算表を解き進めた結果、赤字状態。

え、赤字?
そんな事あるのか?

見直そうにも残り時間少なく、そのまま終了。
まじかー、これ間違ったまま突き進んだのではないか。
これはヤバい(心の声)

一緒に受験した友達も、"いや普通に黒字だったでしょ"と。
ええええー。これはマズい。落ちてる。
そこそこ凹んで帰りました。

(4)結果とその後

まもなく結果が届き、まさかの

・私→合格
・友達→落ちる

という結論でした。
なぜか分からないけど。

こうやって初めての簿記は試験は無事合格に終わりました。
めでたしめでたし。
ただ、これで会計が理解できたわけでもなく、
単なる資格取得というレベルで終わったかと思います。

最初の1段目がこうやって踏めたので、
次のステップは日商簿記2級。
そのチャレンジは、、3年後くらいだと思います。
その時はその時なりの事情になっていました。


3.今振り返ってみて

今思えばちゃんとした資格らしい資格を取るのは運転免許以来でした。
それでもやったことがなかった会計というジャンルに向かって、

・受かろうと思いながら興味と共にテキストに向かう
・意地でもどこかで勉強するタイミングを作る

ここが合格を呼ぶ大きなポイントかと思います。

興味無くやるのはやっぱしんどいんですよ。
やるなら気持ちが乗らないと。
私も税理士試験が終わって残り詰めるのに法人税法の通信受けてますが
とにかくやる気が出ないです。

一方で、当時はリスキリングなんて言葉もなかったし、
転職なんて微塵も考えていませんでした。
これらを意識したのはもっと後になっての話です。
逆に自分が興味を持った分野で資格を得て、その後に転職などが結びついた感覚でした。
転職に至るまでの節目は次回以降も触れていこうと思います。

是非、自分を奮い立たせるためのきっかけを作りましょう。
これが皆様を合格へ1ミリでも近付けるきっかけとなれば幸いです。


次回、日商簿記2級編へ続きます。

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