見出し画像

来世も女に生まれたいし、男も女も、よくわかんない人も、好きになりたい。

私は、女。どうしようもなく女だし、来世も必ず女に生まれたい。

中学のとき、同級生の女の子に「好きだ」と言われた。疎く鈍い私が「私もすき!」と素直に答えると、彼女は少し悲しそうな顔して「私の好きとは違うと思う」と言った。

彼女は私と遊ばなくなった。よく2人で買い食いをしていたコンビニにはあまり行かなくなった。私は突然、友達を1人失くした。

年を取り彼女の「好き」を理解したとき、ドラマや映画で当たり前に異性愛しか描かれないこの世界に疑問を持たなかった自分を呪った。彼女に申し訳なくて、せめて、ありがとうと、伝えたかった。

いま彼女の話をすると、「怖くなかった?」と聞かれることがある。

「ふつうに友達だと思っていた人が“そういう目”で自分を見ていたって、怖くない?」

……?

………友達が自分をどう見ているか、他人が自分をどう見ているか、そんなものは恋愛とか友情とか関係なく、そもそも分からないのでは?

同性に「好き」と言われて“そういう目”で見られていたことが怖いと思う感覚は、私には分からなかった。そのくらい、私には違和感のないものだった。

自分を嫌いだろうなと思っていた人が、本当は自分を好きなことも当たり前にある、逆も然り。人は、当たり前に嘘をつくし、当たり前に人を愛する。

そう思う私は、どうやら少数派らしい。

17歳のとき、初めて女の子を好きになった。自分を「バイセクシュアル」だと認識した。

今思えば、あの子はFtMだったのかも。
今は、彼として生きているのかもしれない。会いたいな。ただ、私はあの子を女の子だと思ってたし、女の子として好きだった。

その後はずっと男性と恋愛していたけれど、30歳を過ぎ、また女性に恋愛感情を持つことになった。17歳に付き合ったガール(?)フレンド以来、男性としか恋愛してこなかった上、付き合っていた子はかなりボーイッシュだったので、

(もしかして私ってバイセクシュアルじゃなくて、ストレートなのかしら)

なんて思ってたけれど、全然女の子好きでした。今、めちゃめちゃかわいい女性が好きです。

気付けば時代は変わり、ジェンダーの解釈の幅はかなり広がった。

スーパー鈍感ウブ中学生の私に好きと伝えてくれた彼女も、私の初めてのガール(?)フレンドも、当時は同性愛や自分がマイノリティであることに悩んでいた。今この世が彼女(?)たちにとって、少しでも生きやすい世界になっているなら、私も嬉しい。

この年齢になり、改めて自分のセクシュアリティ(恋愛・性愛対象)に向き合ってみた。性自認「女性」が揺らいだことはない。

恐らく、私はポリセクシュアルだ。 

これは、自分で調べた結果。わりと有名な性別(セクシュアリティ)診断だとシスジェンダー女性(女性の認識がある女性)、ストレート(異性愛者・同性は好きにならない)という結果になる。うーん…。自分のセクシュアリティって最終的には自分の意思で主張するものだから、診断なんて難しいのだろう。性は、自分の意志と、他人との関係性を掛け合わせたグラーデションで出来ている。

ポリセクシュアルは、バイセクシュアルともちょっと違う。

簡単に言うと、

バイセクシュアル…男も女も好きになる
ポリセクシュアル…複数の性を好きになる(好きにならない性もある)
パンセクシュアル…性別関係なく人を好きになる

だそう。

上記3種類のうち、2種を消去する理由があった。

バイセクシュアル
→私はFtMの女性を好きになったことがあるし、たぶん彼女は当時Xジェンダーorクエスチョニングだったので男か女、ってわけじゃない

パンセクシュアル
→私、たぶん好きにならない性別があると思う

パンセクシュアル(全性愛)というと、本当にすべての性を好きになるのだと思うけれど、私はたぶん相手の性に意識を向けて恋愛をしている。女性の女性らしさや、男性の男性らしさに恋愛・性愛感情を抱く。中性的であることを目指している人特有の美しさは、美しいと思うけれど恋愛対象にはなりにくい(現時点では)。

そんなこんなで私は、自分をどこまでもどうしようもなく女性だと思っていて、複数の性別を恋愛対象にして生きている。

そして、そんな自分で良かったと思っている。

同性同士の恋愛関係も、異性との恋愛関係もどちらも経験して、その人をその人として好きになれることが、幸せ。

今、好きな女性とは決して結ばれないし、結ばれたとしてもお互い幸せにならないと分かっているので、踏み込めないラインを守って過ごしている。でも、幸せ。

いつか、男でも女でもよくわからない人でもいいから、大事に愛し合える人と大切に関係を築いて幸せになりたい。家族になりたい。

早く帰りたいと思える家に、早く会いたいと思える人が当たり前にいる未来を望んでる。


この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?