オオカミ少女_005

オオカミ少女はどこへ行く  其の一


さて、前回のミュンヒハウゼン症候群の少女、退院後編です。

入院中に、彼女には個人情報(携番、メアド)を教える気がさらさらなかったのですが、他の子に教えてる時にやってきて、

なんかその流れで、なかば強引に情報をゲットされて
しまいました。

それで、お互いに退院した後に、案の定電話がかかってきて、


「ODしちゃったぁ。どうしよう」

*OD:「オーバードース」の意味で簡単にいうと、

    睡眠薬などの大量摂取。

と言われたので、

「救急車呼ぶから住所教えて」

とわたしが冷静に言ったら、慌てた様子で、

「おじいちゃんが、車運転できるから、大丈夫」

と会話の最中に「おえっ」て言いながら話してくる。
どうやら、ゴミ箱に吐いてる振りらしいです。

ここからは、彼女の実況中継で、

「今車に乗った」

「おえっ」

「今信号待ち」

「おえっ」

「もう少しで、着きそう」

「おえっ」

「じゃあ、病院着いたから、また後で電話するね」

「おえっ」

やれやれ、やっと終わったと思っていたら、数十分後
再び電話が。

彼女の第一声が、

「演技上手かったでしょ。」

と、

悪びれた様子もなく、さらりとこう言ってきました。

いや、〈演技下手だったよ…〉と思っていたのですが、
面倒くさいので、

「そうだねー」

とわたしは言いました。

「救急車呼ばれそうになった時は焦った」

なんて言うので、

「ドッキリのネタばらしかよ!」

と思いました。

何故か劇場型犯罪を思い出すわたくし。

彼女の嘘はどんどん酷くなる一方で、
なんで退院できたの?と思いました。

わたしが騙されている「フリ」をいている事を、彼女は知らなかったのです。

だから、ミュンヒを思う存分発揮できる「わたし」は彼女にとって

≪恰好の餌食》

だった事でしょう。

この話、もうちょっと続きます。

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