御手洗 翅颺

画家になるための修行をした結果肉体労働者に落ち着きました。 画風は「はったり」「天衣無…

御手洗 翅颺

画家になるための修行をした結果肉体労働者に落ち着きました。 画風は「はったり」「天衣無縫」。 絵を描いたり文章を投稿したりします。

マガジン

  • 戯言のはきだめ

    小言や戯言をかき集めたものです

最近の記事

ク人桜 ~クソみたいな人生に添える桜~ 夙川 桂川編

   春です。 新生活の始まる季節です。本当に? 皆さんの生活が始まっている中ぼくの生活は終わりを迎えていますがいかがお過ごしでしょう? でもさぁ、クソみたいなライフでも桜くらいは見たいじゃん? もともと桜はそんなに好きなわけじゃなかったんだけどどういうわけかここ数年で妙に桜が見たくてたまらなくなってしまった。 ということで桜の名所兵庫県は西宮市の夙川と京都府は京都市の桂川へ 桜の画像を淡々と貼っていく。 西宮市夙川公園 京都市 桂川緑地公園 で、ぼくが桜

    • ギャラリストは"倍率数十倍のコンペをいくつも突破した画家"より"受賞歴ゼロだけどフォロワー4桁のそこそこ人気な画家"に声をかけてしまう

      相変わらずぼったくりアート業者からしか連絡がない😭😭😭 最近メッセージを送ってきた業者は出展料、滞在費、現地の通訳代もろもろ2ケタ万円かかる海外のアートフェアの運営でした。 細かな条件だとか料金は文書ではなく音声通話でお伝えします、っていうのが業者の言い分なんだけどこの時点で明らかにやばすぎる。 詳しく知りたい人はこの社名で調べてみてください。 いっぱい情報が出てきます。 以下はぼくとぼったくり業者との心温まるメッセージのやり取り🥰🥰🥰 ↓  ↓  ↓ 個人的には「

      • 「独学」作家を名乗らない

        ヌルヌルのスキンヘッド越しに眺めるスカイツリーは どこかいつもより誇らしげに見えたんだ。(関西在住) 春ですね。 春ですがお先は真っ暗、尾崎はジャンボ。 また再び画家はお休みしてお外にお勤めに出ないといけないかもしれないと打ちひしがれています。 一応今のところ美術作家活動をしているわけだけど今後のことはどうなるのかわからん。 暦の上の季節は啓蟄だがぼくの気分は冬眠模様である。 基本的に現代の美術作家には2通りの経歴がある。 ・芸大、美大出身 ・芸大、美大出身ではない(

        • 超短編:石田徹也と石田徹也以後のアート論考

          今、モーレツに石田徹也について考えている。 今月の家賃と食費の次くらいに石田徹也について考えている。 石田徹也というのは2005年に31歳という若さで早逝した天才画家の名前である。 ぼくが人をほめることなんてまずないのでそれくらいすごい才能の持ち主だったと思ってほしい。思え。 石田は大学在学中はデザインを専攻していただけあってイラストやポスターを彷彿とさせる画面の構成やモチーフ選びが作品の特徴である。それとは対照的に細部まで神経の行き届いた描き込みが石田徹也を石田徹也

        ク人桜 ~クソみたいな人生に添える桜~ 夙川 桂川編

        マガジン

        • 戯言のはきだめ
          45本

        記事

          声の大きな人たちのことが嫌いな現代アーティストたちが声の大きな人たちが生み出した現代アートの系譜に便乗しているというはなし

          ぼくです。 日本の現代美術史には3通りの人間しか存在しない。 鴨居玲か、石田徹也か、それ以外だ。 唐突にラディカルな主張からスタートしてみたわけですが今話したいのはそこではなく同世代のアーティストと現代アートに関する小話。 現代アートっていうと既存の価値観だとかアカデミックな理論なんかから解放された自由な作品、ってイメージを持つ人が多いんじゃないかな。 それも間違いではないんだけどそれはすごく些末な観点で、 現代アートのコアの部分っていうのは”力を持つ者に対して公正さ

          声の大きな人たちのことが嫌いな現代アーティストたちが声の大きな人たちが生み出した現代アートの系譜に便乗しているというはなし

          どの系譜にも自分がいない

          ぼくです。 12月の中頃に顔面の帯状疱疹になってからはや1ヶ月、 まだまだ完治する気配がないうえ絵を描けるコンディションじゃないので療養がてらにつらつらと書いています。 ぼくはSNSではアート業界の人間をフォローしたり動向を追いかけたりっていうのはほとんどしないんだけど海外のコレクターの発信なんかは結構注視したりしている。 その人たちがちょこちょこ共通して口にすることがあるんだけど 「最近のアーティストは自分の作品を扱ってくれるギャラリーとか自分のフォロワーのウケを気に

          どの系譜にも自分がいない

          誤謬まみれの美術業界の海の中で兼業画家のぼくは企業野球部員の幼馴染の夢を見る ~ディレクターズカット版~

          ぼくです。 最近美術界ではとあるアカウントによる「作品の売り上げからギャラリーが手数料を50%も取るのは高すぎる」という批判ツイートを皮きりにギャラリー批判側とギャラリー擁護側が論戦を繰り広げるという出来事があって(ちなみにぼくはもちろん批判側ね)、 ギャラリーやギャラリーと仲良しこよしの作家たちがお涙頂戴ストーリーだったりあの手この手を使ってギャラリー擁護のためのとんでも話法を繰り出していてさすが論点逸らしの総合商社かよと感心していたんだけど、 こういう論争になった時必ず

          誤謬まみれの美術業界の海の中で兼業画家のぼくは企業野球部員の幼馴染の夢を見る ~ディレクターズカット版~

          胸を張っていられるほど世間の天井は高くない

          胸を張っていられるほど世間の天井は高くない

          表現の本質のはなしをしよう

          「自分だけの表現とは何なのか、そもそも自己表現とは?」 芸術を志しておられる方々なら一度は直面したことがあるであろうこの問題。 自分にしかできない新しい表現を追求したつもりが気がつけば何かの模倣になってしまっていたり、自分の頭の中にある理想の完成像とは程遠い仕上がりになってしまっていたり、芸術活動とは基本的に片思いの孤独な海の中で荒波に揉まれ続けることに等しいのである。 大体の場合「それでも挑み続けるしかない」「自分の道は自分で切り開く」みたいなポジティブポエムに回収

          表現の本質のはなしをしよう

          全て年の瀬の所為

          ※この記事は純然たる愚痴です。 11月某日。第32回美浜美術展にて福井新聞社賞をいただき受賞式のため福井県は美浜町へと足を運んだ。 そこで審査員の安達博文氏からのこんな言葉があった。 「受賞者のみなさんは活躍する義務があります」 自分たち審査員が自信をもって選出した作家なのだからそんな作家たちが美術の現場で活躍しないなんてことがあっていいわけがない。そんな感じの意味だ。 もちろんぼくもそのつもりだしそのためだけにこの十数年生きてきたという自負くらいはある。 他の審査

          全て年の瀬の所為

          質問が届いたので「なぜぼくが関西美術界と距離をとることにしたのか」についてきちんと答えました

          質問箱にこんな質問が届いた。 だいぶ迷ったんだけどせっかく質問いただいたので答えられる範囲で答えようと思う。 かなり長いので興味のある人だけ読んでください。ただしぼくに反論のある方々は必ず全文読んでください。 「なぜ絵が売れないのですか?」とのことだがその質問はぼくにではなく美術ギャラリー達に聞いてほしい。どういう作家と作品を評価して取り扱うのかを決めるのはあの人たちなので(そもそもぼくのことを作家として扱ってくれるギャラリー自体がない) 次に「ギャラリーは関係ないと思う

          質問が届いたので「なぜぼくが関西美術界と距離をとることにしたのか」についてきちんと答えました

          閑話休題~中学時代の message for~

          中学の頃の話。 英語の先生でⅠ先生って人がいた。当時で多分30代中盤くらいの小太りの男の先生だった。 実直だし優しい人なんだけどあんまり器用に何かをこなすタイプではなくむしろかなり不器用な感じ。 自作の定期試験の設問や解答用紙には不備(誤字は当たり前、文章として成立していない、設問はあるが解答する欄がない等々)がありまくり、しかもその対処法を考え込んでしまって結局試験終了の数分前まで何も指示を出せない、そんな感じの人だった。 その先生喋り方も独特な人で、授業開始の時の挨

          閑話休題~中学時代の message for~

          薄くて均質的な才能

          基本的に若い人ほど才能が豊かだ。 物心ついたころから身の回りに創作活動に必要なツールが揃っている世代にはぼくらはいづれ手も足も出なくなる時が来る。 厳密に言うと「都会生まれ都会の育ち」の若い人だ。 地方の人間は芸術や文化の現場というものが手の届く場所にあまり存在しない。 音楽をやりたいのであれば例えばライブハウスだったり音楽関係者が出入りする”現場”が近くにあるので10代のうちからそういう”現場”に出入りしている子供たちはぼくたち過疎地方出身者とは比べ物にならないくらい早

          薄くて均質的な才能

          「天才の壁」の向こうから今日もゴッホがこちらを見ている

          何年か前に「バカの壁」という本が流行った。 自分から話題を出しておいてアレなんだけどぼくはその本を読んだことがない。だから他人から聞いた話を元に内容をざっくり言うと、すごい賢い人からすごいバカな人までの人口分布をグラフにすると縦軸が人口、横軸が賢さの放物線が出来あがる。 その放物線のピークに該当する付近にいる人たちが所謂「大衆」であり、この大衆と大衆より賢い人の間にある容易に超えることができない障壁が「バカの壁」らしい(多分違うけど大体そんな感じ) で、時間が経過してい

          「天才の壁」の向こうから今日もゴッホがこちらを見ている

          「応援」とか「アドバイス」とかって正直どうよ?

          美術をやってます。 ぼくです。 この業界はまあ飯が食えない。 仕事の掛け持ちなんかざらだ。 僕に関しては昼と夜でそれぞれ別々の肉体労働の現場に行ってなんとか食い扶持を確保してる。とは言っても労働時間をトータルすると週40時間前後くらいなので特別多く働いてるわけではない。 仕事をひとつに絞ったほうがいいように感じるかもしれないが、作品の締め切り前の勤務時間を減らして作品制作に時間を当てたい時にもともと仕事を半々に分散していたほうが何かと休みがとりやすいという現実的な事情があ

          「応援」とか「アドバイス」とかって正直どうよ?

          ぼく散歩 ~アートとうどんと瀬戸内海と~

          この度、アートの祭典うたづArt Award biennale 2020に入選。 本来は2020年4月から5月ごろにかけて開催されるはずだった本展示ですがコロナ禍の影響で同年12月までずれ込むことに。 ということで香川県は宇多津町のユープラザうたづにて開催された入選者展(12月5日~13日)を見るために宇多津に赴いたのでこの記事はその記録。 JR宇多津駅 北口 JR宇多津駅は瀬戸大橋から一番近い駅ということでホームから瀬戸大橋が見えます。   もちろんマスクをo

          ぼく散歩 ~アートとうどんと瀬戸内海と~