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田勢康弘「ここだけの話」just between us

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政治ジャーナリストの田勢康弘代表が今世界で起こっている事象を独自の視点で分析します! ここだけでしか読むことができない、まさに「ここだけの話」~just between us~ …
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2017年3月の記事一覧

にわかに「解散風」 森友学園籠池理事長証人喚問後のゆくえ

 「それなら籠池を呼べ!証人喚問だ」と安倍首相の鶴の一声で、参考人招致さえ拒否していた与党が、森友学園籠池理事長の証人喚問に応じた。側近の菅官房長官は反対したが、“殿”の怒りは収まらぬ。

 ここで収拾しないと大変なことになりかねないと与党は綿密な作戦会議を開いて証人喚問に臨んだ。結果は大失敗。安倍首相をかばおうとする与党の姿勢が見え見えでかえって逆効果だった。

 おまけに「昭恵夫人の証人喚問を

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籠池発言の意外な信憑性 森友学園籠池理事長証人喚問

 WBC野球で日本代表が決勝に出られなかったため、森友学園の籠池理事長の証人喚問を参院、衆院と全部ネット中継で見た。野球とぶつければ視聴者は減るだろうと目論んだ与党は、計算違いだったろう。それより誤算だったのは籠池という人物の胡散臭さを印象づけようとしたが失敗したことだ。

 すべての応答を聞いてみてびっくりしたのは、籠池氏の発言に説得力があることだ。あの受け答えと表情から、嘘をついているようには

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WBC野球決勝戦か証人喚問か

 森友学園問題は3月23日、国会での証人喚問で最大のヤマ場を迎える。

 これまで「参考人」としての国会招致を拒んできた自民・公明の与党が、一転して「証人喚問」に応じることになった。出席を拒んだり、虚偽の発言をすれば刑事罰が加えられる証人は、参考人とはまったく違う。かつてロッキード事件で証人として招かれたある民間企業の経営者は、極度の緊張で宣誓書への署名の際に手の震えが止まらなかったことがある。

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誰かが嘘をついている

 大阪の森友学園問題が何やら風雲急を告げそうな気配になってきた。

 籠池理事長が「たくさんの人の意思をいただきこの小学校ができることになった。その意思の中には安倍内閣総理大臣からの寄付も含まれている」と爆弾発言をした。きちんと手続きを踏んだ寄付であれば違法ではないが、一切の関係を否定してきただけに仮に真実なら大変なことになる。首相はすぐに否定したが、籠池氏にインタビューしたジャーナリストによれば

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朝鮮半島から目が離せない

 朝鮮半島で何かとんでもないことが起こりそうな気がする。

 金正男暗殺で、さすがの中国も金正恩を見限ったようだ。中朝国境が軍事的に緊張状態にあるという情報もある。もはや北の金正恩をかばおうとする国は1つもない。完全に孤立した金正恩が窮鼠猫を噛むでとんでもないことをやらかすか、あるいは密かに金正恩体制の転覆をねらった国際的工作が奏功するか。

 米国CIAはかつてイラクのフセインやリビアのカダフィ

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官邸がおかしい

 森友学園問題はずっと安定してきた安倍政権をゆさぶっている。二度目の首相就任以来、最大の危機に直面している。そのせいかこのところの首相官邸はどこかぴりぴりした雰囲気に包まれていると多くの政府自民党関係者が口をそろえる。

 籠池理事長が記者会見を開き、テレビ各局が中継し、終わりかけたころ、NHKは突然、南スーダンからの自衛隊の撤収ニュース。安倍首相が「危険な状況という理由ではない」と記者団に語った

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因果はめぐる 石原慎太郎と小池百合子

 浜渦武生という人物がいる。石原慎太郎元東京都知事の右腕で、副知事として豊洲の土地購入のため東京ガスと交渉し、まもなく東京都議会の「百条委員会」で証人として呼ばれる人物である。

 因果はめぐる。その浜渦は関西大学の学生のころ兵庫県芦屋市の小池百合子の実家の別棟に住んでいた。百合子は甲南女子中学に通っていた。百合子の父親小池勇二郎は貿易商だったが、政治が好きで石原慎太郎が結成した「日本の新しい世代

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森友学園 偶然をめぐるドラマ

 政治の世界ほど「偶然」の多いところもないだろう。最近起こった「偶然」をめぐるドラマ。どこでも話題の「森友学園」が舞台である。

 2015年9月3日首相官邸。財務省の迫田英典理財局長と岡本薫明官房長が安倍首相に会う。財務省の次官、主計局長や主税局長は首相に会うのはめずらしくない。しかし理財局長や官房長が官邸に来るのは珍しい。理財局長は国有財産の管理など、また官房長は省内の人事などが主務だから政策

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石原慎太郎氏の記者会見

 子供のころから石原裕次郎とその兄慎太郎は僕にとってのスターだった。慎太郎が太陽の季節で華やかに登場してきたのは今でも覚えている。私の一回り上の申で、五木寛之と同い年だ。「20代を終わるにあたって」とかいうタイトルで、たしか文学界だったかに書いた文章を読んだ記憶がある。僕は高校生だった。

 時間を経て新聞記者になった僕は参議院議員の石原担当になった。立ち居振る舞い、背広姿、言葉の鋭さ、時折り目を

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森友学園問題

 「安倍首相記念小学校」を新設するんです、と言われたら、どうします。ちょっと驚くでしょう。いかに安倍さんと親しいかを説明され「名誉校長 安倍昭恵内閣総理大臣夫人」と書いたパンフレットを見せられたら、どうですか、寄付まではしなくても、お、すごいな、と思いませんか。

 この学校法人が国有地を払い下げてほしいと願っているということを知っていて、お役人さんは、話にならんと資料を捨ててしまったりするだろう

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北朝鮮とはどういう国なのか

 北朝鮮とはどういう国なのか。

 テレビを見ているとさまざまな評論家がいろいろなことを言うけれど、よくわからない。 私は1990年10月、当時の日本社会党土井たか子委員長に同行して北朝鮮へ行ったことがある。27年も前のことで金日成主席の時代である。

 新聞はこのころまで「北朝鮮」とは表記していなかった。「朝鮮民主主義人民共和国{北朝鮮}」と書くか「北朝鮮(朝鮮民主主義共和国)」と書くかであった

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just between us !

just between us !

 アメリカで暮らしていたころ、親しくなったアメリカ人が、きまってjust between us とか just between you and me とかいう言葉をたくさんつかうことに気がついた。どうやら、日本語でいうところの「ここだけの話」とか「他言無用」というような意味らしい。

 考えてみればアメリカ人ばかりでなく日本人もそういう言い方をよくする。以前、NHKの生番組で「ここだけの話」と言っ

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