田勢さん

just between us !

 アメリカで暮らしていたころ、親しくなったアメリカ人が、きまってjust between us とか just between you and me とかいう言葉をたくさんつかうことに気がついた。どうやら、日本語でいうところの「ここだけの話」とか「他言無用」というような意味らしい。

 考えてみればアメリカ人ばかりでなく日本人もそういう言い方をよくする。以前、NHKの生番組で「ここだけの話」と言った評論家がいて笑ってしまったことがある。ほんとうに内緒にして欲しい「ここだけの話」、実はたくさんの人に言いふらして欲しい「ここだけの話」、これから「ここだけの話」というタイトルのブログを始めることにする。

 世の中で起こっているさまざまな出来事や現象にはどこかでつながっているところがある。たとえば、世界中がびっくりしたトランプ米国大統領の誕生も、地球儀を眺めながら考えると、そう驚くことではないというか、必然だったといえるのかもしれない。英国のEU離脱も同じ流れから発生した出来事だし、わが国でいえば「小池百合子劇場」もそうだと言える。

 すなわち、理想的な国家の統治形態と考えられてきた民主主義、すなわち選挙によって政治を司る人々を選出し委託するという形態が、制度疲労を起こしているのだと考える。自分たちが選んだ政治指導者を自分たちが否定するということが世界中で当たり前のようになっている。

 わが東京都政だって歴代の人気知事、たとえば青島幸男、石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一、そして小池百合子。このすべてに投票した経験を持つ有権者は決して少なくないはずだ。いくらか期待して投票してみたけれど、自分の生活はいっこうに良くならない。すると人は自分の投票行動など忘れて、新たなポピュリズムに走る。民主的な選挙制度から理想の政治が生まれるというのは幻想にすぎない。歴史上、理想的ともいえるドイツのワイマール憲法のもとでヒットラーが登場した。歴史は繰り返す。



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