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56歳からの育ち直り

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56歳からの育ち直り③

56歳からの育ち直り③

わたしは、何もいらなかった。欲も無くなっていた。

ただただ、毎日を気楽に過ごし、一般的な寿命なら残り20年だか30年だかの人生を、消化することを考えていた。

それが、一変した。人を好きになったのだ。50歳だった。

わたしは女で、その人も女だった。彼女は売れてるミュージシャンだった。

わたしは1つのことに囚われ続けるたちだ。その強力な様は、持って生まれた特質と言っていい。

良い方に作用すれ

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56歳からの育ち直り⑤

56歳からの育ち直り⑤

ここでいったん、わたしの絶望を整理しておこう。

もちろん、こうやって冷静に整理できるのは、今取り組んでいる育ち直りが功を奏しているからだ。当時は整理なんて、できるはずもない。

絶望1
女なのに女を好きになったこと。

同性愛を絶望だと言うと、同性愛が絶望じゃない人からバッシングされると思うけど、わたしにとっては絶望だった。

彼女の恋愛対象が男性だというのは、同席した飲みの席での恋愛話を聞いて

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56歳からの育ち直り④

56歳からの育ち直り④

わたしが好きになったのは、売れているミュージシャンだった。

ライブに通っているうちにスタッフの責任者と知り合いになった。

その人と話している時に、「わたしの地方でも彼女のライブができるといいんですが…」と、言葉にした。

後日、その人から電話があり、「Mちゃん(わたしの好きな彼女)と相談して、企画進めてください」と言われた。

SNS経由で彼女にメッセージを送ると、話しがちゃんと通じていて、彼

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56歳からの育ち直り②

56歳からの育ち直り②

突然恋に落ちた話から続ける。

わたしは50歳だった。

午前中・週3回、フルタイム・週2回で、スーパーのパートをしていた。

経済的には切り詰めた生活だが、それまでの人生がしんど過ぎて倒れたので、伸び伸びと、気楽に過ごすことだけを考えていた。

他人のことは構わず、自分の好きなように一人暮らしをしていた。

帰宅したら好きな映画とアニメを見て、昼寝をし、休日は時々、美術館とかに行った。

ある日

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56歳からの育ち直り①

56歳からの育ち直り①

わたしの名前は、九井(ここのい)リノという。

1965年生まれの、56歳だ。

昨日(2021年11月7日)、

「わたしは今、心療内科に通って、育ち直しているのだ」

と、気づいた。

名詞で言うと、「育ち直り」だ(たぶん)。

子どもが4歳の時に、離婚した。わたしは30そこそこだった。

それから、親子2人の生活が、ずっと続いた。結婚はこりごりだったから、再婚はしなかった。

再婚はしなかっ

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