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 去る3月2日、東京都公園緑地部の計画課、調整担当課、工事課の方々計4名と練馬区の春日町にて面談を行いました。
 内容は7月17日にホームページに公開された「「古城の塔」に関する調査結果について」の説明であり、面談は公園緑地部側から打診があり春日町までご足労をいただきました。公園緑地部さんからは検討の経緯についてかなりしっかりと説明をしていただき、対応は非常に誠意のあるものだっと思っています。

 古城の塔については「「古城の塔」に関する調査結果について」の通り、「C案:建築物を撤去し、記録として保存する」で進めたい意向であるとの説明を受けました。この根拠としては主に、

  1. 耐震化にはコストがかかるだけでなく外観も大幅に改変が必要であること

  2. 練馬城址公園は防災公園であり、建物保全のためにさらに建物の周囲に安全確保の為の用地等を確保する事は難しいこと

  3. 文化財等にはなっておらず、としまえんや古城の塔の「思い出」を残す方法は建物自体を残す事とは限らず、デジタルデータを残すなどもっと別の方法があること

などであり、決定経緯については公園緑地部内で十分に協議し、建設局長とも相談をしたとの事でした。

 当会はこれを受けて「建設局内にも様々な人がいる事は理解しているが、区民目線では東京都の中でのみの意思決定であると判断せざるを得ない」と伝え、当会note「「練馬城址公園「古城の塔」に関する調査結果」を受けて」にも書いた通り下記4点を求めました。

  1. 建築学会等有識者への意見聴取

  2. 公園審議会での検討

  3. 住民とのコミュニケーションの場の設定

  4. 練馬城址公園パークミーティングへの出席

 その結果「1.建築学会等有識者への意見聴取」「3.住民とのコミュニケーションの場の設定」については公園緑地部さんに快諾していただきました。
 「1.建築学会等有識者への意見聴取」については日本建築学会関東支部より古城の塔の保全を求める要望書(要望書内で当該建築は「古城の食堂」名義になっています)を東京都に提出された安野彰先生を当会がご紹介し、既に面談についての調整をしているとの報告を受けています。
 専門的な見解からの指摘を受ける事を期待しています。

 「3.住民とのコミュニケーションの場の設定」については秋以降に東京都公園緑地部さんより何らかの説明の場を都民・区民の皆さんを対象として開催するとのお約束をいただきました。
 ぜひ本文をお読みの皆さんはこれが開催された際は参加していただき、東京都の説明を聞いた上で「古城の塔を残すべきか解体すべきか」について、ご自身の意見を東京都に届けていただきたく思います。

 関連して、練馬城周辺を整備する上で当会もお世話になっている郷土史家の葛城明彦先生も東京都公園緑地部さんにご紹介しました。
 紹介にあたって公園緑地部さんには「防災公園ではあるが『城址公園』として歴史を重んずる公園づくりをしてほしい」とお伝えをしており、馬出しなど練馬城の痕跡を活かした整備がされることを祈念します。

 「2.公園審議会での検討」については明言がありませんでしたが、引き続き意思決定プロセスとして第三者を含む審議会を通す事を当会としては求めていきたいと思っています。
 「3.練馬城址公園パークミーティングへの出席」についても、区民・都民とフラットに意見交換をする場として活用して欲しい旨、伝えてまいります。

 「古城の塔の解体が決定した」とSNSで投稿されている方を見かけますが、現在の状況はあくまで「東京都が解体の方針を示した」状態です。第三者の意見聴取も、区民・都民に東京都が是非を問うのもこれからです。

 正当な意思決定プロセスを経る事を期待して当会は既に署名運動を終了しておりますが、今後も動向については注視していきたいと思っています。

 本件については引き続き区民・都民の皆様も高い関心を持っていただくよう、よろしくお願い申し上げます。

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