小島良介
自伝的青春小説
11 アラームが鳴る。 目を覚まし、しばらく放置してからそれを止める。時刻は七時半。ウトウトしているとまた携帯が震える。すぐさまそれを止め、またウトウト…
10 何も考えることができなかった。 親が買ってくる飯を口に運び、あとは布団の上で眠るか寝転がるだけ。誰からの連絡も返さない。テレビを見てもネットを見て…
9 誕生日はタマと過ごした。いつものように横浜でデートをし、ホテルに行った。そういうことをする気にもならなかったけど、なんとなく流れで一度した。そのあとは…
8 「こうやって普通にデートするの久しぶりだよね」 「そうですね。御茶ノ水の時以来ですかね?」 横浜の赤レンガ倉庫に来ていた。僕の左腕はタマの右腕と組ま…
7 東京都八王子。二十三区外にある名の知れた街。何度かライブをしに来たことはあるが、駅の外れまで歩くのは初めてだった。僕らは四人は全員ソワソワと落ち着…
6 大学の屋上にいる。理由はこうだ。 僕とタマは度々会う機会に恵まれた。場所はいつもライブハウスだった。定期的に開かれる轟音祭で対バンしたり、ライ…