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中性子星はカシューナッツ!?

興味を引く宇宙ニュースを見つけました。

ようは、
軽めの中性子星の構造は、中が固く外が柔らかくなっていることが分かった、
という話です。

中性星の基本をWikiで紹介しておきます。

ようは、
重い恒星の末路で、構成物質のほとんどが中性子になっているため、中性子星と呼ばれます。

スケールで言えば、太陽の0.1倍~2.5倍の重さです。

関連で、中性子星より小さいものは矮星や巨星などと分類されます。
矮星となる中性子星の下限値は、研究者の名前をとってチャンドラセガール限界と呼びます。
逆に上限値もあり、同じく研究者3名の名前をとってトルマン・オッペンハイマー・ヴォルコフ限界と呼ばれます。
この限界を超えると、「ブラックホール」になるわけです。

一人有名な人が入ってますが、原爆の父で知られるオッペンハイマーの研究テーマも恒星進化論でした。ある意味原子核に関わるので、意外なようで本丸ともいえます。

中性子星はなかなか内部構造が実観測できないので、あくまで理論的なシミュレーションでの研究結果です。

中性子星の理論的な質量や圧力、体積、温度といったパラメーターと、実観測データを組み合わせ、膨大な数のモデルを作って中性子星の生成過程をシミュレーションして今回の結果を発表しました。

出所:冒頭の記事内図版

その結果が奇妙なことに、中が固く外が柔らかいカシューナッツモデル(報告書の表現もこの比喩をつかったようです)
更に不思議なのは、これは比較的低質量のケースで、もしもう少し質量が重いと中と外の粘度が逆転するそうです。

まだ仮説の域を出ませんが、この説明として、中性子星の内部で「バリオンがクォークに変換」している可能性を提示しています。

???な表現だと思うので、簡単に補足します。

原子核は中性子と陽子からなりますが、それぞれも複数のクォークからなります。そのクォークが集まった中間形態をバリオンと呼ぶわけです。
因みに、中には未知の粒子が存在するのでは?という仮説もあるようです。

もう1つ謎なことが、中性子星の直径は、質量と無関係で例外なく約12kmに程度になることが分かりました。(以前の説の半分程度)

今回はあくまで理論的なシミュレーションです。

今後実観測が進むと、より精緻化されると思います。

ただ、中性子星は我々が目で見ることが出来る可視光線を発しません。

その代わり、中性子星は自転により電磁波の放出方向を変えています。
それを検知したのが初めての観測でした。

出所:Wiki「パルサー」

1967年にジョスリン・ベルによって発見され、当時はあまりにも規則正しい信号だったので地球外知的生命体ではないか?と話題になったほどです。

その後に中性子星であることが分かり、その「指導教官」であるアントニー・ヒューイッシュがノーベル物理学賞を取ります。
なぜ元々の発見者のベルでなかったのかは今でもよく科学界の女性差別の文脈で話題に出されます・・・。

それ以降も中性子の観測が続いており、今後も実観測データが期待出来るので、今回のカシューナッツモデルがブラッシュアップされると思います。

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