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宇宙は衝突することで成長している!?

宇宙の歴史は、インフレーションによる初期の超膨張から(それよりなだらかな)ビッグバンで今でも加速膨張している。

これが今の標準的な宇宙論の定説です。もちろん観測結果をもとに組み立てられてはいますが、まだ仮説であるのも事実です。

特になぜこの超膨張がおこったのか? 現状ではインフラトンという場が密度のゆらぎで生じたという説明になります。インフレーションについての詳細は、過去投稿があるので、関心のある方はそちらへ。

ただ、このインフラトンが超膨張を引き起こした、以外にも果敢に新しい説を提唱している研究者もいます。

その1つが、
若い宇宙が古い宇宙に吸収され続けることによって超膨張を引き起こした、という説です。

この説によれば、インフラトンが必要ない、とのことです。

なかなか書いていてもふわっとしてしまいますがまず、宇宙が複数ある、というマルチバース(多宇宙)理論は真剣に議論されています。

こちらも過去に触れたので参考までに載せておきます。

ようは、宇宙の種インフレーションを産む密度のゆらぎは1つである保証はない(むしろ複数あるほうが自然)、という話です。

マルチバースを持ち込むことで、なぜ今の宇宙が我々人間にとって奇跡的に都合がよいのかを、説明つけることができます。

この文脈は「人間原理」と呼ばれることもあり、恣意的に使われるときもあるので、科学か否かという議論を誘発しがちです。過去投稿を載せておきます。

ただ、それを導入したとしても、現代宇宙論の「ダークエネルギー」と呼ばれる宇宙全体に染みわたる謎の斥力のメカニズムは完全に解明されたわけではありません。

という背景で、ダークエネルギーをも説明する新しい説が宇宙衝突説というわけです。(ちょっと前置きが長くなりすぎました)

紹介記事だけなので、解釈がずれているかもしれませんが、ミクロの世界で起こる核融合反応に似ているのかもしれません。

そもそもですが、複数の宇宙が相互作用することができるのか?

これについては、以前からその可能性は指摘されています。関連紹介記事を。

ようは、
量子力学が求めるように存在が確率的(超遠方でも確率ゼロではない)だと仮定すると、宇宙との間も量子的な相互作用が発生する、
というはなしです。

どこまで理解できたかが全く自信はないですが、ミクロの世界の相互作業がそのままマクロにまで影響を与えているというイメージかなと思います。

悩ましいのが、たとえこのモデルが現在の膨張をうまく説明できた(膨張率の計算は定説よりも観測データに近いとのこと)としても、これを検証するのが難しいという点です。

ただ、2023年に打ち上げられたユークリッド宇宙望遠鏡(詳細は下記記事参照)が、より精密に膨張率を算出することができ、この新説を補強する可能性もあります。

宇宙が衝突、という言葉だけで何となく奇説と感じてしまいますが、この1年でのジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡の成果が従来の常識を壊しつつあるのも事実です。

最大の障害は、科学ではなく我々の想像力や思い込みなのかもしれません。

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