SpaceXとジェフ・ベゾスの微妙な関係
今年は昨年以上に宇宙開発が進んでいき、その雄はやはりイーロン・マスクのSpaceXでしょう。
早速1月2日に今年1回目の打ち上げが成功しました。しかも今回初となる衛星の機能がなかなかワクワクさせられます。
衛星は同じくSpaceXのStarlinkですが、スマホ(未改造)と直接連携する実験を行うためにあげた衛星です。
おー、ついにスマホ直連携!です。
念のために補足しておくと、今は衛星通信でも地上にアンテナが必要です。それが壊れると衛星通信も出来ないので、その意味では脆弱性は地上通信と大きくは変わらないわけです。
冒頭記事によると、2024年中に既存携帯キャリアと提携してテキスト限定で通信を可能にし、音声・動画は2025年に予定しています。
ただ、まだ各国毎に越えなければいけない規制(今回の打ち上げもあくまでテストのため)があるようで、もしかしたらそれが最大のネックになるかもしれません。
課題は抱えながらも、SpaceXはロケットだけでなく衛星通信で断トツの打ち上げ数を誇っています。
対抗馬で個人的に注目しているのが、Amazonの衛星通信サービス、通称「Kuiper(カイパー)」です。
2023年に試験衛星打ち上げには成功しており、今年から試験的に商用サービスをはじめる予定です。1つだけ記事を紹介しておきます。
まだStarlink比較できる段階ではないですが、なににせよAmazonです。
ECの王者としての利点を生かしたプラットフォームサービス(Amazon Payとかポイントとか付与)を展開することで経済圏に取り組むのだろうと予想します。(あとはAWSも狡猾に使うかも)
ただ、悩ましいのが衛星打ち上げはロケットの力を借りねばならず、その意味でSpaceXはライバルでもありロケット事業としてはパートナーでもあります。実際昨年末にSpaceXとも組むことを発表しています。
Amazonもロケット事業やってるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、こちらはAmazon創業者のジェフ・ベゾスが個人として立ち上げたブルーオリジンです。
こちらはまだ実績としてはSpaceXほどではありません。(若干路線が異なるのであまり公平ではないですが)
ただ、最近こんな記事もでておりポテンシャルの高さがうかがえます。
2023年のハイライトとしては、宇宙旅行のための宇宙船「ニューシェパード」打ち上げが再開(元々2023年夏予定ですが遅延中。下記に関連記事)し、今年改めて観光宇宙事業に本腰をあげてくるかもしれません。
それ以外にも、月面着陸機(Blue Moon)や宇宙ステーション構想も打ち上げており、こちらはまだ先ですが期待は高いです。
Amazonとは関係ないとはいえ、ベゾスは依然として株を保有しています。(昨年末に数百億円相当を売却)
おそらく本人ならば、SpaceXのように自身がコントロールし易いロケットでAmazonの衛星を上げたいと思うかもしれません。
ブルーオリジン含めて宇宙開発の健全な競争と共創を楽しみにしています。
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