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一定の光と音のリズムがアルツハイマー病に有効かもしれない?!

以前にアルツハイマー病についての新しい展開を紹介しました。

アルツハイマー病で問題とされているのは、アミロイドというたんぱく質が凝固してしまう現象で、それをどのタイミングで治すのかでいくつか方法があるということです。

このアミロイドを除去する方法として、近年新しい方法が提案されています。こちらの記事を紹介します。

ようは、
一定のリズムで光と音をあてるとアミロイドを除去する機能が強化される、
という話です。

なかなか信じがたい話です。

光と音を一定のリズムとありますが具体的には「40HZ」、1秒間に40回のペースを意味します。この帯域の付近を「ガンマ脳リズム」と呼ぶそうです。

どうも、アミロイド除去に効果があるという結果自体は、2016年の論文で発表されていたようです。和訳があったので載せておきます。

ただ、当時はそのメカニズムまではみえておらず、前述の記事はそこが差分として伝えられています。

ポイントは、神経細胞や脳内を補助する「グリア細胞」の一種でした。

グリア細胞については過去にも取り上げたので詳細はそちらにゆだねます。

過去記事をざっくりいうと、単に補助機能どころか直接的に脳の動きを促進する攻めの役割もになっているよ、
というはなしです。

今回の実験の流れを簡単に。

まず、アルツハイマー病の遺伝モデルを備えた実験マウスを用意します。
40Hzの刺激が脳内の40Hzの神経活動を増加させ、アミロイドレベルを低下させるという2016年に行った実験を再現します。
次に、老廃物を運び出すグリア細胞あたりを流れる液体に相関のある変化があるかを測定しました。ここが前回の差分で「グリア細胞」にあたりをつけたということです。

実際、彼らは、未治療の対照と比較して、感覚ガンマ刺激で治療したマウスの脳組織における脳脊髄液の増加を測定しました。彼らはまた、脳から出る間質液の速度の増加も確認しました。

さらには、このグリア細胞(アストロサイト)を遺伝子技術で破壊して試すと、その効果も見えなくなりました。

もちろんこれがすべてではなく一部の可能性もありますが、少なくともアルツハイマーの有望株の悪玉たんぱく質除去には効果はあるといえそうです。

もう少し補足すると、その周波数帯域では「介在ニューロン」と呼ぶニューロンのサブセットでいくつかのペプチド(たんぱく質の出来る前の状態)放出が、脳のリズム周波数に依存するのが原因だそうです。

これがすべてではない、と慎重なコメントも載せてますが、1つの理由とはいってよいかなとおもいます。(まどろっこしいですね)

今後のさらなる解明に期待したいですが、外部から光と音を40HZであてるだけ(もしかしたら大変なのかもしれませんが・・・)でアルツハイマーが予防できるか進行を遅らせることができるなら、素人目にみて実用性が高そうな処置です。

2024年はアルツハイマー攻略にこうご期待。

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