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史上最古のDNAが見つかる

古代の恐竜がよみがえる「ジェラシックパーク」がついに完結しました。

元々はSF小説で初出は1990年。映画化は1993年ですので、足掛け30年近く続いたシリーズになります。
途中からパーク→ワールドになっているのは、名前の通りです。ネタバレしないようにそれ以上は触れません。

恐竜が活躍していたのはジェラ紀と白亜紀で、前者の英語が「ジェラシック」で名前の由来です。

時期としては、大体2億年から1億年前ぐらいです。恐竜絶滅は約7千万年前の白亜紀に起こった隕石が原因とされています。

ジェラシックパークは、恐竜の血を吸った蚊がたまたま琥珀に閉じ込められてDNAが保存された、という設定で物語は始まります。

過去にも触れましたが、これは現実的にはあり得ないようです。

7千万年前は、DNA自体が損傷しており使い物になりません。

以前に、マンモスが完全凍結状態で見つかってDNAをもとにして培養・復元したプロジェクトの話をしました。

このマンモスでもたった2・3万年前の時代です。

マンモスは数千年前に絶滅したとされていますが、DNA復元研究では有名なエシュケ・ウィラースレフによると、5万年前から起こった植生変化で食糧が摂れなくなった説を提唱しています。

このウィラースレフ氏は、過去に100万年前のDNAを発見したことでも知られており、これが今までの最古記録です。本人もこれ以上古いDNAはもう見つからないだろう、と断じたほどです。

が、そのレコードが最近の研究で大幅に破られることになりました。

一気にスケールが拡大して、なんと「200万年前」のDNAを発見したというニュースが飛び込んできました。

ようは、
グリーンランドの凍土から環境DNAを抽出して、当時の研究から未来の環境に役立てよう、
という話です。

グリーンランドは200万年前は緑が生い茂っており、今回採取したDNAからその生態系がまるっとわかるそうです。既に現存していない植物も見つかっていることから、派生的に面白い発見があるかもしれません。

レコードを破ったのはウィラースレフ氏本人です。以前の自身の予測が大幅に崩れたのでバツが悪いでしょうが、いずれにせよ快挙です。

いまいち素人からするとなぜこんなブレークスルーが起こったのかが読み解きにくいのですが、少なくともDNA情報を読み取るシーケンサーと呼ばれる解読装置の進化も影響していると思われます。

同氏は、こう結びます。

「今の2倍遡れたとしても不思議ではありませんが、保証はできません」。

まだ時代は10倍以上も遡る必要がありますが、もしかしたら・・・ジェラシックパークがいつか不可能ではなくなるかもしれません。

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