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話題の生成AI技術を組み込んだAlphaFold3発表。生命科学の解像度がさらに高まる
AIがお茶の間に広まった話題の1つは「世界囲碁チャンピョンを破った」ことではないでしょうか?
AlphaGoと呼ばれるAIで、その後もAlphaシリーズの開発は多用途で続けられていました。詳細に興味のある方は、過去投稿で。
そのうち、Foldの最新版、”AlphaFold3”が最近発表されました。公式サイトを載せておきます。
以下、要約しておきます。
AlphaFold 3は、タンパク質、DNA、RNA、リガンド、イオン、化学修飾などの生体分子の構造と相互作用を前例のない精度で予測できる革新的なAIモデルです。このモデルは、生物学や創薬の分野における理解を深め、新しい発見や治療法の開発を加速する可能性を秘めています。
主な特徴は以下の通りです:
1. 生命のあらゆる分子をカバーする次世代アーキテクチャとトレーニング
2. 医薬品設計への応用により、新しい疾患標的へのアプローチや既存の疾患への新しい治療法の開発が可能
3. 無料で使いやすい研究ツール「AlphaFold Server」の提供により、世界中の科学者が非営利研究に利用可能
AlphaFold 3の開発にあたっては、潜在的なリスクを軽減し、生物学と人類に対する利益を共有するために、研究および安全コミュニティと協力し、広範な評価が行われました。今後も科学コミュニティや政策立案者との協力を通じて、AIテクノロジーの責任ある開発と展開が進められていきます。
やはり興味深いのが、従来のタンパク質だけでなく他の分子(DNA、RNA、その他)予測まで可能にした、という点です。
これがもたらすインパクトは創薬企業が最も受けると思います。我々利用者からすると、創薬の時間とコスト(は企業次第ですが)でしょうか。
その応用についてはこれからも注視したいですが、今回のアーキテクチャ改良については、今の生成AIをけん引する1つの技術を活用しています。
「拡散Diffusion)モデル」と呼ばれます。動画生成AI Soraの紹介で少し触れたので引用しておきます。
今回のケースでざっくりいえば、
ぼんやりとした(ノイズが多い)原子雲から分子構造に収束するまでの過程をネットワーク構造で予測する、
という感じです。
ということで、やはり興味深いのは、最新のAI技術が生命の基本単位である細胞レベルまで解析可能になりつつある、という点です。
ただ、まだ完璧ではないようで、こちらのサイトでまだ問題点がある点を添えています。
ようは、
タンパク質と小分子の相互作用予測は高くないので注意、
ということです。
生成AIで話題のハルシネーションも起こりえるとのことで、今は一部限定での非商用解放としています。
いずれにしても、生命科学の開拓が一歩進むのは間違いのないところです。
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