見出し画像

地球の内核の内側に新たな層を発見

以前に地球の内核(ないかく)についての新しい研究成果を紹介しました。

ようは、
マントルの深部にある核にも、液体の外核と固体の内核に分かれており、後者は非対称で回転していることも最近の研究で分かった、
という話です。

もっと凝縮すると、まだ内核のことは分かってないことが多い、ということです。

その「コア(核)」の回転が止まる様子を描くパニックSF映画「コア」も2003年に作られました。

基本的に、太陽風など宇宙線からの被曝を防ぐのは地磁気です。そしてそれはコアなどの動き(変化)で生じています。ようは地球は巨大なコイルと同じです。

映画では、渡り鳥がバタバタと方向を見失って窓ガラスに激突する、ヒッチコックの「鳥」を意識させるシーンもあります。

これは、一部の長距離を飛来する鳥は体内の地磁気センサーで方角を確かめていることを伝えたかったわけです。

それに対して人類がどう対処するのかは、ぜひ映画を鑑賞ください☺
(投稿時点では)Netflixで見れます。

さて、それを踏まえて本題です。つい最近、この内核のさらに深部に別の「鉄の核」の存在が確認されました。

上記記事より図も引用しておきます。

出所:上記記事内の図

従来の内核同様「固体」で出来ており、成分も似ていて鉄とニッケルの合金です。

この調査ですが、過去から地震波の通過速度を様々な入射角で試していく中で新たな核を発見したとのことです。

20年前から指摘していた科学者もいたとあり、なぜ今になって、という疑問はぬぐえませんが、その測定技術が改善したのでしょうか。このあたりの背景はもう少し深堀したいです。

いずれにせよ、これで過去記事で触れていた内核の動きが非対称であることもより数学的に解明されそうです。

そしてそもそもですが、なぜ一部の太陽系惑星には地磁気がないのか?という大きな謎もいつかは明かされる日が来るかもしれません。

特に、我々が月の次に有人着陸を目指す「火星」には、過去には存在していたが(約40億年前)、現在は磁場が消失していることも分かっています。

今でも、研究グループが新たな仮説を提示していますが、まだ定説には至っていません。1つだけ2022年の東京大学の研究成果を紹介しておきます。

ようは、
コアにあたる液体金属が低温のため分離し、それが大気や海の蒸発も引き起こした、
という仮説です。いかにコアの流動性が大事なのかが分かります。

今後火星の消失原因がもし解明されたとしても、我々人類が長期滞在するためには、地球と同様な宇宙線を守る磁場かそれに相当するものが必要です。

実はそれに対して、人工的に磁場を作り出そうというアイデアは提示されています。これも1つだけ紹介しておきます。

地球で言う月にあたる衛星(フォボス)を電気を帯びさせることで磁気をつくってしまおう、という大胆なアイデアです。

他にも、火星上にコイルを設置するなどありますが、いずれにしてもまずは今回見つかった新しいコア構造の解析が、次の確からしい一手につながることを願っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?