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JSWTが最も古いブラックホールを発見

2022年夏から観測を稼働したジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が続々と新しい発見をしています。

そのうちの1つ、ブラックホールに関する発見について触れてみます。

ようは、
JWSTが最も遠く活動的な超大質量ブラックホールを発見した、
という話です。

具体的にはCEERS1019という銀河内に存在し太陽900万倍の質量で、宇宙創成ビッグバン後の約 5 億 7,000 万年後に誕生しています。

ちなみに頭文字のCEER(Cosmic Evolution Early Release Science Survey)とはプロジェクト名です。下記に公式サイトを引用しておきます。

JWSTの観測結果を解析するわけですが、こちらの記事および図が分かりやすいと思います。他にも 2 つのブラック ホール (銀河 CEERS 2782 と CEERS 746 内)が見つかっており、いずれも同距離にある既知の超大質量ブラック ホールと比較すると「軽量」です。(大体太陽の約1,000万倍)

出所:上記記事内の図 Credit:CEER

ブラックホールは、一般的には高密度な天体の最終形態とみなされています。

例えば、太陽は今から50億年後にはエネルギー(核融合反応)が枯渇したあとにふぐのようにふくらみ(赤色巨星)、その輝きを失っていきます。
それがもう少し密度が大きい場合は、自身を支えきれずに重力崩壊を起こして超新星爆発(SuperNova)を起こし、ブラックホールになる道につながります。(他にも中性子星になる可能性も)

ということは、天体がある程度成熟した時期のあとなので、ブラックホールは宇宙の歴史で見ると大分後年と考えられてきました。
(そもそも宇宙創成10億年は何もない暗黒時代と考えられていました)

が、今回は思った以上に初期の時代(10億年未満)に見つかったことで、それが示唆する考え方は大きく二つあります。

1.宇宙初期に前身となる天体・銀河がもっとあった
2.ブラックホール生成プロセスに別のルーツがあった

いずれもJWSTの観測がいずれの確度も高めており、宇宙がどのように進化していったのか、そして天体の一生とその成れの果てであるブラックホールがどう形成されていったのか、という考え方の枠組みが大きく見直される可能性があります。

今後の研究に期待したいところですが、既にJWSTの観測から分かってきたのは、どうも宇宙は若いころから結構にぎわっていたようです。

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