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6年ぶりにIPCCが最新報告書を発表し、さらなる危機を訴え。

気候変動は地球全体の共通課題ですが、その根拠として国際的にしられているのがIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)と呼ばれる国連下の科学者団体です。

3月20日にIPCCが最新の報告(第6次統合報告書)で更なる危機感を提示したことで、日本含む多くのメディアが取り上げています。

ようは、
短期的に当初目標の1.5度上昇を超えてしまうので、更なる削減努力が必要、
という話です。

該当の報告書は公式サイトで原文を読むことが出来ます

今回は、気候変動、特に地球温暖化について基本的な整理と、宇宙関連のトピックを添えておきます。

まず、気候変動=地球温暖化、と括られがちですが、あくまで温暖化は結果で、その主要因はCO2濃度上昇であろうとされています。

1つだけ解説サイト(英語)を引用しておきます。(タイトル画像も下記記事抜粋。Credit:NASA/Scientific Visualization Studio)

出所:上記記事内の図

元々国際的な削減目標はIPCCが提示した報告書を参考に、2015年のパリ協定で決められた「産業革命(1850年)時比較で1.5度(初めは2度)内の上昇抑制」でした。
そして各国もその数値を意識して、目標設計とその運用を進めています。

この数字を超えるとインパクトが強いわけですが、今回の最新報告書資料からそれを視覚的に表現したチャートを引用しておきます。

出所:IPCC第6次統合報告書(画像クリックで出所元へ)

ただ、これだけだと我々の日常にどう影響があるのかが想像しにくいので、そのリスクを表現したものも同報告書から引用しておきます。

出所:同上

「種の絶滅」「人類の健康への脅威」「食糧生産の危機」で地域ごとに表現されてます。

次にCO2排出量(エネルギー発生由来)を国別にみると、下記のとおりです。(2019年とやや古いですがそこまで数年では大きく変わらないと思われます)

出所:外務省サイト(画像クリックで出所元へ)

上記と被害地域を照らし合わせると、あくまでイメージですが、あまり重なっていない印象を受けます。

この辺りが経済成長とのバランス(経済が活発になると一般的にはエネルギー、つまりCO2排出に)も含めると対応を難しくしているわけです。

これ以上は、各国・地域の政治的判断も加わるので言及は避けておきます。

最後に、意外に科学も、特に宇宙機関も気候変動の調査には密接に関わっているという話をしておきます。

代表的な例はNASAです。1つ最近の記事を引用しておきます。

ようは、
NASAが中心となって打ち上げた気候変動観測衛星が、原因不明の停止後に復旧した、
という話です。

厳密にはNASAがフランスの機関との協力で打ち上げた衛星で、Surface Water and Ocean Topography (SWOT)と呼んでいます。
2022年末にSpaceXのファルコン9で打ち上げられ、海洋の表面を正確に測位して気候変動の影響を調査しています。

元々米国では、気候研究ユニットや海洋大気庁で専門的調査を行っていたのですが、NASAはそれと独立して調査を行っており、いずれも同じような地球表面温度の変化を報告しています。

下記のNASA公式サイトでそのあたりの要点を記しているので紹介しておきます。

特に、上記サイトにある1884年から2022年(投稿時点)までの時系列アニメーションはとても直感的に分かりやすいのでお勧めです。

いずれにしても、重要なのは分析ではなくアクションです。1個人として何が出来るのかを考えさせられる報道でした。

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