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音で3Dプリンターをイノベする!?

技術で世の中に変革をあたえたケースの1つは「3Dプリンター」だと思います。

今では、より多彩な材料(特に金属)で複雑な立体構造物でも作製が可能になりました。個人的に印象的だったのは、ロケットのエンジンを3Dプリンターでつくったとんでもないベンチャーも既に存在します。

たとえば、下記記事で紹介された企業は、さらにAIも駆使してロケットを設計しています。(最近人工衛星でもAI設計が行われました)

ただ、3Dプリンターにもまだ残課題があり、その作成スピードは結構もっさりしています。(もちろん別の方法よりは早いのですが)

かつ、複雑とはいえこれもある程度の限界があるわけです。

そんな残課題をさらに解決するブレークスルーが起こりました。こちらの記事でその基礎技術について解説しています。

名付けて「ホログラフィックダイレクトサウンドプリンター(HDSPと略記)」です。

ホログラフィックは従来通りなので、差分は「サウンド」、つまり音波にあります。

音を材料(樹脂)にピンポイントにあてることで、小さな泡の中に熱と圧力
生み出すことで加工する仕組みを実用化しました。(基礎研究としては2022年以前にわかっていたそうです)

音をあてるという行為は、従来比較よりもより省エネで実現でき、しかも複数の情報を1つのホログラムに保存することが出来ることで、加工スピードがぐんと速くなります。理論的に20倍とのこと。
コンピュータに例えると、直列でなく並列計算が出来るイメージです。

開発者へのインタビュー動画で、その作成風景が分かります。

ちょっと込み入ってますが、元論文の図も合わせての貼っておきます。
aで複数音声ビームが伸びているのが分かりますね。

上記元論文内の図

この新しい音波方式の3Dプリンターは、新しい用途としても期待されています。
それは、我々人体の内部や、物理的に遮蔽された個体の背後でも印刷をすることが出来る点です。これは、音波が不透明な物体を透過できる特性を生かしたアイデアです。

つまり、損傷した臓器を3Dプリンタで修復したり、飛行機やロケットなど巨大かつ複雑な内部構造ないの繊細な部品の修理への活用が期待できます。

まずは医療や大型な製造業(航空宇宙など)での実用化が先立ちそうですが、業界のゲームチェンジャーになるポテンシャルを秘めた発明です。

そんな未来ではさらに新しいイノベーションが誘発されそうですね。引き続きこの研究経過については見守っていきたいと思います。

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