ノーベル賞候補者予想賞に日本人が表彰:クリーンエネルギーに期待が集まる人工光合成
ノーベル賞発表まで1週間を切り、毎年のことながら心が躍りだします。(病気ですね☺)
そして例年のごとく予想合戦がメディアでも始まっています。
その中に、ノーベル賞予想を意識したユニークな賞があります。
クラリベイト引用栄養賞(旧名トムソン・ロイター引用栄誉賞)と呼ばれます。その2024年度版が発表されました。
この賞の目的は、ノーベル賞分野における総被引用数と影響力のある論文(各分野において最も引用されたトップ200論文)の数を調査し、ノーベル委員会が注目すると考えられるカテゴリ(物理学、化学、生理学・医学、経済学)に振り分けて、各分野で特に注目すべき研究領域のリーダーと目される候補者を選びます。
気になる的中率ですが、2002年から2023年の本賞受賞者総数441人のうち76人(約17.2%)がノーベル賞を受賞しています。
この的中率を高いと思うかどうかは、あなた次第です☺
それよりも、今回の受賞者のなかに日本人が含まれているので、その研究内容について補足しておきます。すでにメディアでも紹介されてますね。
信州大学の堂免一成(どうめん かずなり)氏で、評価された研究は「人工光合成」です。
堂免氏は、光合成の過程で発生する水素の生成効率を高める研究を行ってきました。
太陽光が水にあたることで、水分解がおこり、水素と酸素に分かれます。
この反応を、粉末光触媒と反応システムを用いて効率化する方法を編み出しました。
人工光合成については、過去にも触れたので基本的な内容はそちらで。
実はこの分野は日本人研究者の貢献が大きいです。
今回のポイントは「粉末状の触媒」を開発した点にありますが、それまでは固体による触媒が知られており、これも日本人による発見です。
ホンダ-フジシマ効果と呼ばれ、二酸化チタン光電極を使って光電気化学的に水を分解するという世界で最初の研究です。
堂免氏は、これを粉末状で出来ないかと思案して、新しい材料を色々と組み合わせて効率的な水分解を実現しました。
下記に学生のころからのエピソードを本人が語っているので、お勧めです。
特に、学生のころから海外を視野にいれていた、というのは素晴らしいです。現在は分かりませんが、修士論文を英語を書くというのは(自身の体験からして)結構レアだったと思います。
そして何よりも原動力は「好奇心」にあるとのこと。これはノーベル賞受賞者だけでなく研究者共通の感覚だと思います。
ノーベル賞受賞になったらもう少しその研究を掘り下げてみたいと思います。
ただ、たとえ逃したとしても「人工光合成」はクリーンエネルギーにおいて重要な技術ですので、その歴史含めてどこかで紹介したいと思います。
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