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全国メディアデビューは地方が絶対有利!

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.都会の野球少年はなぜ地方から甲子園を目指すか?

広報PRについて、企業の所在地は東京にある方が有利だと思われています。「マスコミは東京に固まっているし、東京でニュースやテレビ番組に取り上げられたら、一気に何百万人の人が見てくれて、一気に認知度を上げることができる」と考えるからでしょう。

ところが、小さな会社が全国的な認知度を上げようと思えば、反対に、地方で情報発信する方が全国ブランドに近づく早道だったりするんです。

高校野球で例えると、大都市圏の高校球児が、地方の高校に野球留学して甲子園を目指すことは普通に行われていますよね。

それは、東京や関西の強豪校だと部員数が多いので、チームでレギュラーになるのも一苦労。たとえ試合に出られたとしても、予選の参加校が多いので、激戦を勝ち抜いて甲子園出場を果たすのは至難の業です。

一方、山陰や東北、四国など人口が少ない地方の高校では、レギュラーになれる可能性は高く、地区予選参加校も少ないので、5試合勝てば甲子園に進める県もあります。

甲子園に出場しさえすれば、大都市圏の代表も地方の代表も同じステージで戦えます。その試合で活躍できれば、スカウトの目に止まり、プロ野球選手になる夢が叶うかも知れません。

「甲子園からプロ野球」という球児の夢への近道がそこにあるからこそ、親元を遠く離れて地方に野球留学する球児が後を絶たないんですね。

2.地方の有利な点は、紙面争いの競争率の低さ

PRに話を戻すと、東京都内にある中小企業は約50万社。大阪には約32万社の中小企業があります。一方で、当社の地元である香川県には約3万6千社。瀬戸内海対岸の岡山県には約6万社。その差はおよそ10倍〜20倍です。

一方で、全国紙の地域面、地方経済面の記事スペースはほぼ同じ。それらの紙面に取り上げてもらえる倍率も、単純計算で10〜20倍の開きがあります。選挙でいわれる「1票の格差」どころの話ではありませんね。

さらにいえば、大企業や上場企業、新進気鋭のユニークな企業も東京や大阪に集まっていますので、大都市圏の新聞には超手強いライバルが無数にひしめいているんです。中小企業の情報が紙面に載る難しさがわかりますね。

一方、地方では、タイムリーにプレスリリースをメディアに提供しさえすれば、会社の規模に関係なく、全国紙からも取材し掲載してもらえる可能性がかなり高いんです。

たとえば、日本で一番読まれている経済紙、日本経済新聞の場合、中国地方、四国地方の地域経済面はそれぞれ4〜5県で1ページ(広島県は単独で1ページ)ですが、そもそも取材対象となる企業の数が大都市圏より圧倒的に少ないので、記者たちは日々の取材先確保に苦労しています。他の全国紙地方版も同様です。

さらに、日本経済新聞地方版の記事は、同様の内容で日経産業新聞や日経MJ(流通新聞)に転載されることもあります。朝日新聞や読売新聞などの全国紙の記事はWeb版にも掲載され、内容によってはYahooニュースなどのサイトにも反映されます。

つまり、どんな形であれ紙面に載れば、その後ネット経由で全国どこからでもアクセスしてもらえるようにもなるのです。

3.ローカルテレビ発全国ネットへの道

テレビについても同様です。

首都圏の中小企業は関東ローカルのテレビ番組に登場することさえ狭き門なのですが、地方ならハードルはぐっと下がります。

たとえば、ここ香川県高松市には、NHKのほか、民放地上波テレビの本社・支社が5系列すべて揃っています(これは香川・岡山の電波が相互乗り入れしているためで、地方では異例の多さなのですが)。

テレビ局が多いということは、パブリシティの枠がそれだけたくさん用意されているということ。ローカルのテレビ局に取材されて、面白いネタであればキー局の情報番組やニュース番組で使ってもらえることもあります。

NHKにも各県のローカルニュース枠があり、地方に行くほど経済関連の情報は不足しているので、取り上げられる可能性は高まります。ニュースの内容やタイミングによっては全国ネットの「おはよう日本」や「シブ5時」などの番組内で紹介されるチャンスも大いにあります。

4.地方版でも掲載実績は残る

大都市圏の中小企業がPRをする場合、始めは載りやすい業界紙や専門紙、タウン誌、インターネットのニュースサイトから一歩ずつ、というのがセオリーとされています。しかし地方では、いきなり全国紙やNHKテレビに登場することもできるんです。

全国版であろうと地方版であろうと、日経は日経、朝日は朝日、NHKはNHK.一流のマスメディアで報道されたという実績は、社会的な信頼度の大幅アップとブランディングにつながり、その後の事業に必ずプラスになります。

地方に本社を置き、全国展開していく中小企業は、PRにおいて最も効率的にマスメディアの力を借りることができる環境に恵まれているのです。これを活用しない手はありません。

積極的に情報発信することで、地方にこんな素晴らしい会社・商品・サービス・技術・アイデアがあるということを全国に知らせることができれば、ヒトも、モノも、カネも、地域を超えて大きく動きます。

自信を持ってPRに取り組みましょう!!

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