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広報はお寿司屋さん

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.マスコミデビューは難しくない

「うちみたいな小さな会社にマスコミが取材に来るはずがない」とあきらめている経営者がたくさんおられます。もしあなたがそう考えているなら、それは間違った思い込みです。マスコミに取り上げられることは全く難しいことではありません

地方の中小・ベンチャー企業であっても、一発面白いネタがはまれば、全国ネットのメディアに大きく取り上げられることも夢ではありません。また、地元のメディアに直接働きかければ、わりと高い確率で取材してもらうことができます。

2.成功し続けるにはネタが大事

しかし、パブリシティを経営戦略の一環として、継続的に様々なメディアに露出していくのは容易ではありません。たとえばお笑い界でも、一発屋はごまんといますが、テレビにコンスタントに出続けている人はほんの一握り。今年ブレークして流行語大賞候補に名前が挙がっても、2年後までテレビに出続けている芸人はそのうちわずかです。常にウケる新ネタを生み出せるか、お決まりのネタで新しい笑いを引き出せるか、ネタ以外の話術があるか。そんな才能と運を合わせ持った芸人だけが生き残るのです。

中小企業も、パブリシティに取り組むのであれば、一瞬輝いて消えるのではなく、地道に露出し続ける企業になってほしいと思います。

パブリシティに成功してメディアに取り上げられるには、お笑いと同じく「ネタ」が大事です。今回は、パブリシティ戦略のキモともいえる、ニュースネタの探し方、生み出し方を解説します。

3.「ネタ」は物事の一番大事な部分

「ネタ」の語源は、お寿司でご飯と一緒に握る具材のこと。元々は「種(タネ)」と呼ばれていたものを江戸時代の粋人たちが面白がって逆さにした隠語が定着したようです。

(以下は、私の広報の師匠である山見博康氏が提唱していた「広報=寿司屋論」の受け売りです)

ネタは「種」、すなわち「物事の一番大事な部分」の意味で使われています。「手品のタネ」「漫才のネタ」も同じ。「タネ」「ネタ」どちらでもいいのですが、ニュースの場合は「ネタ」と言われることが多いので、ここでも「ネタ」と呼びましょう。

芸人やお寿司屋さんが、お客さんを喜ばせるネタを提供できなければ流行らないのと同様に、パブリシティにおいても、マスコミに良いネタを提供し続けなければ、PRを成功させることができません。

4.お客様に喜ばれるネタの条件

お客様が喜ぶ寿司屋、そして寿司ネタの条件は「新鮮さ」、「おいしさ」、「珍しさ」、「(いつも食べている)安心感」、「(産地や旬などの)うんちく」などが揃っていることでしょうか。

実は、マスコミの記者が喜ぶネタの条件もお寿司と一緒で、「新鮮さ=新規性」、「おいしさ=話題性や社会性」、「珍しさ=独自性」、「安心感=普遍性」、「うんちく=ストーリー」などの要素があることです。

ニュースは「NEWS」、つまり「最新情報」です。新鮮であればあるほど価値が高い。もう何日も前に起こった出来事やインターネットで広まっているような陳腐化した情報には値打ちがありません。

おいしさは話題性や社会性につながります。「おいしいニュース」とは、そのニュースを起点に世の中の話題として波及する力があり、同時に社会的な影響力の強さを持っているニュースのことです。マスコミには「特ダネ」という言葉があるように、他社がまだ報じていない自社だけのニュースネタを重視する傾向があります。誰も食べたことがない珍しいネタには思わず手が伸びるのです。

5.誰にでもわかる安心感も大事

新しさや珍しさが喜ばれる一方で、寿司で言えば「まぐろ」「えび」「玉子焼き」みたいに、「安心感」のあるネタも必要です。つまり、特ダネにはならないけれど、誰もが安心して見られる、わかりやすいニュースのことです。

そして、寿司屋の職人がカウンター越しに語る「カンパチはなんでカンパチと呼ばれるか」とか「今が旬の車えびは瀬戸内海で獲れたのが一番うまい」など、そのネタについてのうんちく話に思わず耳を傾けるように、ストーリー性のあるニュースは読者・視聴者を惹きつける力がより強まります。

6.寿司屋の主人になったつもりで

あなたが寿司屋の主人になったつもりで「新鮮で」「おいしくて」「珍しくて」「安心できる」、そして「ストーリーを語れる」ネタを数多くそろえ、いつでも記者に対して「今日はいいネタ入ってるよ」と言えれば、記者が列をなしてあなたの会社を取材に来ることは間違いありません。

そうするとあなたの会社の評判は高まりお客は増え、マスコミの記者たちは良いネタを探し回る苦労が減り、読者・視聴者は知って得する情報が手に入るという、トリプルWINの関係が生まれていくのです。

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