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【≠ME『君はこの夏、恋をする』MV創作シナリオ】瞳美×美玲「その瞳は玲瓏」#5(完)

この物語は、指原莉乃プロデュースアイドル「≠ME」通称:ノイミーの1stシングル『君はこの夏、恋をする』のMVを見て感化されたオタクの妄想シナリオです。
MVの世界観から想像した物語の為、本人の実際の真意とは全く関係御座いません。

創作舞台となったMVはこちら↓

【登場人物】
瞳美…ノイミ女子高校2年1組。帰宅部。飽き性で人たらし。色んな人に惚れては、勝手に振られている。お調子者天然ガール。(画像左)
美玲…ノイミ女子高校2年1組。陸上部所属、専門は高跳び。ノリが良く、とても気さく。しっかり者のクラスの学級委員。(画像右)
奈月心…ノイミ女子高校1年3組。”なつみ”と読む。陸上部の高跳び専門。先輩大好きな元気っ子。冗談が好き。美玲をからかうのが好き。(画像2枚目)
菜々風…ノイミ女子高校3年1組。陸上部所属、専門は短距離。しっかり者のエース。(画像3枚目)

ーー

「その瞳は玲瓏」#5 私の一番美しいもの

〇昼休み 屋上


扉を開け、屋上に足を踏み入れる瞳美と美玲。
少し強めの風が吹く。
瞳美は、手に持っていた勉強道具を全て床に置き、
フェンスに手をかける。

美玲「勉強はー?」
瞳美「あとで。」
美玲「嘘つき!」
瞳美「するもん!あとで。」

美玲、床に勉強道具を置き、瞳美の隣へ。
下を見ると、校庭が姿を現す。

瞳美「なんかもやもやしてる。朝から。」
美玲「なにが?雲?」
瞳美「…。」

瞳美、美玲を少しにらむ。

美玲「ええ…なんかしたっけ。」
瞳美「…多分、みれたんのせいじゃない。私が何もしないせい。」
美玲「…菜々風先輩のこと?」
瞳美「…それもかも。」
美玲「まぁ、一回失敗するとそりゃへこむかもしれないけどさ。あ、じゃあ今度は、お昼誘ってみなよ、ね、私なんか気にしなくていいからさ、」
瞳美「気にするよ!」
美玲「え?」
瞳美「気にするから、そりゃ、こんなことになってるんだよ。」
美玲「…ん?」
瞳美「だってみれたん、私と菜々風先輩がご飯食べるようになったり、一緒に帰るようになったら、なつみんと一緒にいるようになるんだよね?」
美玲「いや、まだ決まったわけじゃないけど、」
瞳美「そしたらなんか、意味わからんくなる。
みれたんがどっかいっちゃう。」
美玲「行かないよ。…え、あ、ひーちゃんもしかして、
わたしがなつみんと付き合ったら、独りになっちゃうって思ってる?」
瞳美「…。」
美玲「ひーちゃんから離れるわけないでしょ。だって、」
美玲(好きなんだから。)
美玲「親友だから。」

間。

瞳美「…。私今まで、沢山の人のこと、好きって言ってきた。みれたんに、沢山の人に惚れてるって言った。けど、告白したこと一度もなかった。」
美玲「うん。」
瞳美「何でだと思う?」
美玲「え、自信ないからとか…。」
瞳美「好きじゃないからだよ。」
美玲「…え?」
瞳美「私ずっと、…みれたんと一緒で、忘れられない人がいたから。
その人のこと、忘れたかったから。」

沈黙。

瞳美「その人も忘れられない人がいたから。
でも、その人、もう前に進むからって、特別好きじゃない人と付き合おうとしてて。」
美玲「え?」
瞳美「そしたら、そしたら私の気持ちは?
頑張って押し殺してた、私の気持ちはどこ行くの?」
美玲「…。」
瞳美「…教えてみれたん。どうしたらいいの?」
美玲「…。忘れられなかったのに、いつの間にか違う人のことに夢中になって、忘れられなくなる対象が移ることってあるんだなって思った。」
瞳美「…。」
美玲「ずっとそばで笑ってるから、その笑顔が、ずっと自分だけのものになればいいのにって思ってた。私の、一番傍にいる、惚れっぽい女の子。
私はとっくにその子のことが一番になってたけど、その子は気が多くて、
私なんか目じゃなかったから。」


瞳美「…何で言ってくれなかったの?」
美玲「何で言ってくれなかったの?」
二人「「…お互い様か。」」


〇翌日 放課後 部活の時間


グラウンドの隅の、高跳び棒の近く。
奈月心に向かって、頭を下げている美玲。

奈月心「そんなことだろうと思いましたよ。」
美玲「え、…?」
奈月心「いや、正直言うと、ワンチャンあるかなと思ったけど、でも、超好きなの伝わってきたから。真っ向から言えてよかったです。」
美玲「ごめんね。」
奈月心「謝られるのは何かむかつきます。」
美玲「ごめん。」
奈月心「…。まぁ、私の存在がきっと、二人の拍車になるかなって、それはちょっと思ってたことで。」
美玲「聞いていい?」
奈月心「はい?」
美玲「何であのタイミングで、その…私がひーちゃんの事あれだって、分かったタイミングで?」
奈月心「…言ったじゃないですか。占い。…あと、美玲先輩の本音を掘り下げられるのは、今しかないって。」
美玲「本音?」
奈月心「私、まだ好きですよ?美玲先輩のこと。こんなことであきらめたりしませんよ?」
美玲「えーっと…。」
奈月心「ふふ、…幸せになってくださいね。ひとまず!」
美玲「…ありがとう。」

美玲、グラウンドの真ん中にいる瞳美に目をやる。
瞳美、その視線に気付き、とびきりの笑顔で手を振る。

美玲 (綺麗…。)

美玲  (2人、目が合うその瞬間、恋が始まるーー)

美しく輝くその瞳も、汗も、全部をずっと見つめていたいと、美玲は思った。


end

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